今日の配本(25/01/23)

プトレマイオス一世
エジプト王になったマケドニア人

イアン・ウォーシントン 著/森谷公俊 訳

アレクサンドロス大王の名はよく知られている。だが、なぜそうなったのかというと、その死後に配下の将軍たちが、我こそは大王の正統な後継者だと主張して貨幣に大王の肖像を描き、大王にならって都市を建設し、異民族とうまく共存できる統治を模索するなど、大王の遺産を最大限に利用したからである。そうして生まれた王朝のうちもっとも長続きしたのが、クレオパトラ七世で知られるエジプトのプトレマイオス朝だった。本書はその創始者プトレマイオス一世の、専門家にも一般読者にも読み応え十分な評伝である。

ヒトかサルかと問われても[増補新版]

西江雅之 著

動物の仲間になりたかった少年が、超人と呼ばれる学者になるまでの波瀾万丈の半生をみずから語る。単行本未収録「アフリカ縦断」紀行や著者の幼年期、高校や大学時代の写真などを増補した、没後十年記念出版。

比較で読みとく スラヴ語のしくみ[新版]

三谷惠子 著

ロシア語、ウクライナ語、ポーランド語、チェコ語、クロアチア語、ブルガリア語……スラヴの諸言語は、語彙も文法も互いによく似ています。共通するのは一体どこまで? なぜそんな差異が生まれたの? スラヴ祖語が各言語に分化していく過程をたどりながら、その答えを探るのが本書のねらい。まるで生の講義のような語り口で、「文字と音」「語」「文」のしくみを読みといていきます。いずれかの言語を学んだことのある人もない人も、個性豊かなスラヴ諸語の世界をお楽しみください。

世界のなかのフランスのフェミニズム

フロランス・ロシュフォール 著/伊達聖伸 訳

本書は、フェミニズムの歴史を世界規模で捉え、その多様性と発展を探究する。フランス革命期から現代に至るまでを三つの時代に分け、結婚、教育、参政権、生殖の自己決定権などのテーマを中心に、フェミニズム運動の進展とその背景を分析する。また、国際的な連帯や植民地主義などとの関係を描き、ブラック・フェミニズムやラディカル・フェミニズムの台頭も取り上げる。特にフランスにおいては、フェミニズムが国家形成や市民社会との関わりを深め、独自の歴史を築いてきた経緯を詳述する。