本日は体育の日ならぬ、スポーツの日でお休みです。ハッピーマンデーが施行されてから三連休が増えましたが、今年特に三連休が多いと思うのは気のせいでしょうか。
そんな祝日の朝刊、朝日新聞の「折々のことば」に岸本佐知子さんが登場していました。筑摩書房から刊行されている『ひみつのしつもん』から引用されていました。岸本さんが「ぬの力」について書かれています。
感覚としては新潮新書の『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』に近いものを感じますが、確かに「ぬ」は独特な空気をまとっているような気がしますね。でも「ぬり絵」「ぬいぐるみ」なんていう、ほのぼのした言葉もあるので、岸本さん的に考えるのであれば、この「ぬ」は「ヌテラ」「ぬめり」とは別系統の「ぬ」なのかもしれません。
ちなみに、同欄で引用された『ひみつのしつもん』はこちらです。この装丁、皆さんにはお月様に見えますか、それとも目玉焼きに見えますか。
ところで二枚目の写真は2019年に刊行された単行本の方ですが、同書はほぼ一年前の2023年11月に文庫化されています。それが三枚目の写真です。装丁は単行本と変わっていないですね。
帯にも書かれているとおり、単行本から増補されているということで、文庫版も架蔵しております。やはりお月様なのか、目玉焼きなのか、気分によってどちらにも見えてきます。正解はなんなのでしょう。
話は戻って、同書の「ぬの力」の項ですが、そこにはこんなイラストが載っています。
だいいち「ぬ」という形からして何となく怪しい。見れば見るほど、エイリアンが息を殺して体を丸め、「め」に擬態している姿に思えてくる。
という本文をイラストで表わしたものでしょう。そう言えば、何の本で読んだのか忘れましたが、ひらがなを知らない外国人に「ぬ」の字を見せると「猫が体を丸めている姿」に見えるとのことです。
エイリアンか猫か、もっと外国の人にアンケートを取ってみたくなります。ただ、その場合「ぬ」で取るべきなのか、「ヌ」で取るべきなのか、どちらでしょう?