知っている人、面識のある方がメディアに登場すると不思議な気分です。本日はこちら。
朝日新聞の別刷beに、韓国文学の翻訳で著名な斎藤真理子さんが登場しています。写真には斎藤さんが手掛けた数々の韓国文学が並んでいます。
あたしもこれらのうち何冊かは読んでいます。斎藤さんの訳文は読みやすく、グイグイ引き込まれます。翻訳だけなく、作品を選ぶ才能にも優れているのでしょう。斎藤さんの翻訳作品はハズレがありませんから。
その別刷をめくるとインタビューも載っています。その中にあたしの勤務先から出ている『別れを告げない』の名前も登場します。
済州島事件を背景とした作品です。詳しいことは知らなくとも、光州事件という名称を知っている日本人は多いと思います。しかし、済州島事件となると、その名称すら知らない日本人がほとんどだと思います。かく言う、あたしがその一人でした。
でも歴史を描いているだけでなく、それを踏まえて今を生きる人たちが描かれている、今を生きる人たちがしっかりと歴史と向き合っている、そんな作品が韓国文学には多いように感じられます。もちろん『カステラ』のように、そういう堅苦しいこと抜きで楽しく読める作品も多いですが、その国の歴史や文化、人々の暮らしや思いを知ることができるのが海外文学を読む醍醐味ですね。