神の仕業か、悪魔の仕業か

WOWOWで放送されていた映画「オファリング 悪魔の生贄」を視聴しました。

ヨーロッパを中心に広く知られているという子殺しの悪魔「アビズー」を題材にした作品でした。そして、ユダヤ教徒やその儀式がおどろおどろしく描かれていました。アメリカのホラー映画でありがちな神対悪魔という、いかにもキリスト教的雰囲気もありつつ、でも神にすがるような感じは出て来ませんでした。

作品の感想はあえて書きませんが、この作品に出て来た子殺しの悪魔というのは、乳幼児の死亡率が高かったころ、それを悪魔の仕業だと信じていた時代の名残なのでしょう。そういう風に思うことで、子を亡くした親は自分を納得させていたのでしょう、そして、ますます信仰心を高めるという教会の思惑にもかなうものだったと思います。

学問的に正しい解釈なのかはわかりませんが、こうした乳幼児死亡率の高さをたぶん背景にしていると思われる言葉に「七つまでは神のうち」というのがあります。同じタイトルの映画「七つまでは神のうち」も作られています。これはなかなか救いのないエンディングが印象的な映画でした。WOWOWなどで放送されたという記憶はありませんし、配信サイトで見られるところはあるのでしょうか。

それはともかく、日本では子供が幼いうちに亡くなってしまうことを、子殺しの悪魔の仕業だと解釈するのではなく、子供は神さまからの預かりもので、七歳まで生きてようやく人間の世界に仲間入りするのだと考えたところに、文化の違いが感じられます。日本的に考えれば、子殺しではなく神さまの元へ帰ったということなのでしょう。