本日の朝日新聞に二件ほど……

今日の朝日新聞の紙面で、日本エッセイスト・クラブ賞が発表されていました。受賞したのは園部哲さん。あたしの勤務先でもお世話になっている方です。

ただ、あたしの勤務先ではエッセイではなく、主として翻訳です。現在上巻と中巻が刊行されて、この夏には下巻が刊行予定の『スターリングラード』が最新刊になります。

エッセイスト・クラブ賞と言えば、2016年に温又柔さんが『台湾生まれ 日本語育ち』で、2009年に平川祐弘さんが『アーサー・ウェイリー』で、2000年には鶴ヶ谷真一さんが『書を読んで羊を失う』で、それぞれ同賞を受賞していますね。

さて本日の朝日新聞にはこんな記事が載っていました。

性教育について、オランダの事例を紹介している記事です。円安ということもあり、なかなかオランダへ出かけて行くのは難しいと思いますが、興味を持たれた方にはこんな本をお薦めします。

『14歳からの生物学』です。これはオランダの教科書の翻訳なのです。

意外なことだが、日本の生物学教科書には「ヒト」がいない。高校生物の学習指導要領には、生命の根源的な活動といえる生殖や病気の予防・治療という観点がそもそもない。 このため、大腸菌やハエの突然変異といった基礎生物学的内容はしっかり押さえているが、ヒトの生殖活動や感染症に関する記述はほとんど皆無である。これに対して、オランダの中学生物教科書である本書には「ヒト」が溢れている。サルモネラ菌による食中毒からメタボリック・シンドローム、アルコール中毒まで、文字通り、ヒトが生きていくための生物学がオールカラーの図版とともに露骨なまでに展開されている。特に重要なのは、生殖に関する部分だ。月経の仕組み、射精から受精までの経過、妊娠のメカニズムや妊娠判定の様子、さらに避妊方法を綺麗な図や写真を使って紹介している。コロナ禍の下、十代の妊娠相談が相次いでいる。背景にあるのは「ヒトの生物学」の不在だ。本書には感染症から薬物依存に至るまで、十代が自分をいかに守るか、その術がシンプルに語られる。コロナ時代を生き抜く武器としての「理科」への誘い!

上掲が公式ページに載っている内容紹介です。「性」のみならず、さまざまなことが取り上げられている教科書です。教科書と思わず、読み物、教養書と見なしてページをめくっていただければ幸いです。