先週の予告どおり、今朝の朝日新聞読書欄には、勤務先の刊行物が二点も掲載されました。
まず一つめが『グローバリスト 帝国の終焉とネオリベラリズムの誕生』です。
ちょっと大部な本ですが、現代の国際情勢を考える上で無視できない論点を扱っている一冊ですので、是非手に取っていただきところです。
それにしても、グローバリズムという言葉は最近聞くようになった言葉という印象がありますが、現象として捉えた場合には、これくらい長い射程で考察することができるのですね。勉強になります。
さて、上で「大部な本」と書きましたが、取り上げられていた二点目はもっと大部な本、『文画双絶 畸人水島爾保布の生涯』です。
そもそも「水島爾保布」が読めない人がほとんどなのではないでしょうか。あたしもこの本ができるまではそうでした。しかし、カバーに使われている絵は見たことがあります。ちょっとビアズリーっぽいと言ったら、どちらのファンからも怒られそうですが、あたしの印象はそんな感じです。
評者の椹木野衣さんは「愚」をキーワードに書いてくださっていますが、大賢は愚なるが如しという人口に膾炙した言葉もありますので、愚は悪い意味ではないんですよね。中国古典では人を誉める時に「愚」という言葉を使うことがありますので、賢しらに才をひけらかすよりも上だということなのでしょう。
ところで、今回紹介された二点、両方購入すると税込で20000円を超えます。