Uブックスの新刊『アーモンドの木』は明日が配本日なので、書店に並ぶのは、早いところで土曜日、地方の書店だと週明けになってしまうのではないかと思います。もうすぐですので、ぜひ楽しみにお待ちください。
デ・ラ・メアって児童文学作家として知られているのでしょうけど、この作品は大人向け、なかなかモヤモヤする読後感がたまりません。いわゆる幻想怪奇小説と言うのでしょうか。
別にお化けや悪魔が出て来るとか、人間の醜悪な部分が露悪的に描かれているとか、そういう感じではなく、どこにでもあるような、だけど、嫌悪感まではいかないくらいの違和感というか、そんなものを感じるストーリーたちでした。
ちなみに、アマゾンで検索窓に「アーモンドの木」と入れても全然ヒットしませんね。カテゴリーが「すべて」になっているからでしょう。植物・食物のアーモンドばかりがヒットします。カテゴリーを「本」にすれば最初にヒットするのですけど……(笑)
続いては、週明けが配本日なので、来週半ばには店頭に並ぶと思いますが、『信仰の現代中国』をご紹介します。著者はカナダ生まれのジャーナリストですが、よく中国庶民の中に分け入って文章をまとめているなあと感じました。
手前味噌ですが、あたしの勤務先ってこれまでも『ネオ・チャイナ』『辺境中国』など、欧米のジャーナリストによる中国ノンフィクションを出してきましたが、読み応えのある、よい作品が多いですね。別に日本人の書いたものを悪く言うつもりはありませんが、本当によく調べていると感心します。
これも偏見なのかも知れませんが、日本人が書く中国ノンフィクションって、新書が多かったりして、やはり分量が少なめです、簡単に読み終わってしまうものが多いです。単行本でもその傾向はあります。
それに比べると欧米のノンフィクションは、頁数もあって本も分厚くなり、そのぶん価格も高くなってしまいますが、読み応えや満足度も十二分にあります。日本人の書き手にも、それなりの紙幅を与えれば同じレベルでかける方は大勢いると思うのですけどね……