平凡社ライブラリーの『天工開物』を落手しました。中国史を専攻していれば必ず聞いたことのある書籍です。内容紹介を引用しますと
穀物・衣服・染色から製塩・製紙・醸造・兵器に至るまで、あらゆる産業を網羅した中国明代の百科全書。長い歴史のなかで培われてきた知恵と技術を120余点の挿図とともに詳述。
というもので、図版が売りの古典と言えばまずは『三才図会』を思い出すと思いますが、『天工開物』はより生活に密着したものです。
ところで、この『天工開物』は平凡社の東洋文庫で出ていました。ただ、どういうわけか、あたしはそちらを購入していなかったもので、今回ようやく手に入れた次第です。
なんで、買っていなかったのかと考えますと、原書を持っていたから、というのが大きな理由かもしれません。それが左の写真です。中国から刊行されたリプリント、いわゆる影印本というものです。
これは『天工開物』だけでなく、右の写真のように、図版がメインの古典をいくつか集めて一つの叢書としたものでした。上海古籍出版社から出ていたのですね。
三礼図、聖蹟図、列仙全伝などのタイトルが見えると思います。こういう図版がふんだんに入っている書籍は見ているだけで楽しいものです。
ところで上に名前を出した『三才図会』がこのシリーズ全4巻には見当たりませんが、さすがにこれだけ有名な古典になりますと、単独で影印本が刊行されていまして、もちろん、あたしはそれも架蔵しております。『三才図会』はそれだけで全3巻になります。それも同じく、上海古籍出版社から刊行されていたものです。