朝日の読書欄から三点ほど……

一日遅れになりますが、昨日の朝日新聞読書欄で、最近あたしが読んだ本が二点も紹介されていましたので……

まずは中公新書の『新疆ウイグル自治区』です。ウイグルを巡る記事、ウクライナの影に隠れて最近は少ないようですが、華なりひどい状況のようです。ジェノサイドという言葉でまとめてしまってよいのか、という著者の指摘は重要でしょう。

本書はタイトルどおり、中国の新疆ウイグル自治区を扱ったものではありますが、中国国内ではモンゴル族やチベット族に対する弾圧も厳しいものがあります。さらには同じ漢民族でも共産党に逆らえば弾圧されるということは香港の現状を見ていれば簡単に理解できることでしょう。習近平政権はいったいどこへ向かうのでしょうか?

ただ、中国問題は、それでも日本でも海外でも報道されやすい、比較的多く捧持されていると思いますが、ミャンマー情勢はこのところ全く報道されませんね。国内の弾圧は国際情勢に大きな影響を及ぼさない限り、それほど省みられないのは悲しいことです。

話は変わってもう一点はちくま新書の『ルネサンス 情報革命の時代』です。新しい視点でルネサンス時代を捉えた、とても読みやすい一冊でした。

ちなみに著者の桑木野幸司さんは、あたしの勤務先から『ルネサンス庭園の精神史』という一冊を刊行されています。これはサントリー学芸賞を受賞した作品です。

そして最後に、これは未読なのですが、あたしの勤務先の新刊が一冊、紹介されていました。『レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智』です。

レーモン・クノーと言えば、『地下鉄のザジ』など、日本でも数多くの作品が翻訳されているフランスの人気作家です。クノーの作品を「与太者」という視点から取られた評論です。クノー作品のファンであれば必読ですし、まだクノーを読んだことがない方にも、クノー作品の魅力を教えてくれる格好の一冊になっています。