愛していると、ではなくて、小田島訳だったと言ってくれ

昨日の午後、TBS系で放送されていたドラマ「愛していると言ってくれ」、ネットでも大反響のようですね。当時夢中になって見ていた人たち、もう40代以上でしょう、そういう人たちがもう一度見返して青春の甘酸っぱさを思い出しているのか、それとも当時の知らない若い世代がたまたま見てハマってしまったのでしょうか?

きっとどちらもいるのでしょうね。そして若い世代には、スマホもケータイもない時代の恋愛に驚いたのではないでしょうか? でも、当時は自宅に電話をするしかなかったわけで、それが出来なければ直接会いに行くしか方法がなかったんですね。あたしには縁のなかったことですが……

それはともかく、ドラマを見ていて、時代の流れを感じたのはスマホの有無ではありません。男性陣が軒並みタバコをスパスパしているシーンです。今ではそんなシーンはもってのほかですし、実際にも喫煙率は下がっていると思いますが、当時はあれがふつうだったわけですし、トヨエツがタバコを咥える姿がカッコいいと女性たちは夢中になっていたものです。

雨の中、トラックの荷台に載って常盤貴子が帰るシーンでも幼馴染みの劇団員が狭い荷台の幌の中でタバコを吸っていましたし、最後の最後、常盤貴子がタクシーでテレビ局に向かうシーンでは運転手がタバコを吸ったりしています。今では考えられないシチュエーションです。でも、それが当時のフツーだったわけです。もちろんタバコが嫌いな人は当時だっていましたし、そばで吸われたら露骨に嫌な顔をする人はいましたが、それでもタバコはあのようにどこででも吸えていたのです。1995年のドラマですから、いまから四半世紀前のことです。世の中って、変わるものなのですね。

そして、ドラマの中で常盤貴子は劇団員役でしたが、そのドラマ中の上演シーンでシェイクスピアがかかっていました。そのシェイクスピアのセリフは小田島雄志訳、つまりあたしの勤務先の刊行物です。ちゃんとクレジットに出ていたそうです。あたしは見逃してしまいましたし、気づきもしませんでした。