今日の配本(21/08/27)

やんごとなき読者

アラン・ベネット 著/市川恵里 訳

ある日、愛犬を追って城の裏庭にやってきた女王陛下は、移動図書館の車と、本を借りにきていた厨房の下働きの少年に出くわす。あくまでも礼儀上、1冊借りたことが、人生を変える、本の世界への入り口となった。以来、すっかり読書の面白さにはまってしまい、カンニングする学生のように公務中に本を読みふけるわ、誰彼かまわず「最近どんな本を読んでいますか」と聞いてはお薦め本を押しつけるわで、側近も閣僚も大慌て。読書によって想像力が豊かになった女王は、他人の気持ちや立場を思いやるようになるものの、周囲には理解されず、逆に読書に対してさまざまな妨害工作をされてしまう……。エリザベス2世を主人公に、ユーモアと風刺、読書についての鋭い洞察と名言に満ちた物語。世界32か国で発売のベストセラー小説。

1日5題文法ドリル
つぶやきのフランス語

田中善英 著

ツイッターから生まれた、愉快なフランス語ドリル。日常生活で使える60課、全1500題。1日5題ずつ練習すると、約1年でフランス語の基本的な文法事項をひと通りカバーできます。それぞれの設問は、使ってみたい、人に教えたいフランス語フレーズばかりですので、毎日飽きずに進めることができます。解答と合わせて、学習者の理解を助けるワンポイント解説も多数掲載。ハシビロコウが何度も登場する、肩の凝らないフランス語練習問題で、初級を突破。

福祉国家
救貧法の時代からポスト工業社会へ

デイヴィッド・ガーランド 著/小田透 訳

本書は、救貧法の時代からポスト工業社会までの歴史を辿り、その多様な形態(社会民主主義的レジーム・保守主義的レジーム・自由主義的レジーム)をまず確認する。その上で給付のあり方(社会保険・社会扶助・ソーシャルワークなど)をおさえるのが特長だ。そこで浮かび上がるのは、福祉国家が貧困層より中間層を優遇するシステムであるということである。この点は、福祉国家が猛攻撃を受けたサッチャーとレーガンの「ニューライトの時代」も変わらなかったという。「ウェルフェア」から「ワークフェア」へ、福祉国家はいかに変容するのか? 入門書の決定版。