昨日のダイアリーで岩波文庫の『厳復 天演論』を取り上げましたが、それで思い出したことがあります。昨日も書きましたように、『天演論』が本邦初訳(全訳)ということに驚いたのですが、抄訳であればどこかにあるのかな、と思った次第です。
それで思い出したのが、こちらのシリーズ、『新編 原典中国近代思想史』(全7巻)です。「原典」とあるように、いろいろな著作の邦訳が収められている、シリーズです。中国近代史を専攻する者であれば、常に参照しなくてはならないシリーズではないでしょうか。
ところで、このシリーズ名、気づかれた方もいらっしゃると思いますが、「新編」とあります。つまりこの新編に対して旧編とでも呼ぶべきシリーズがあるのです。それが二枚目の写真です。
こちらは『原典中国近代思想史』です。同じく岩波書店から刊行されていたシリーズで、あたしが学生時代は「新編」の刊行前でしたので、こちらを使っていました。懐かしいものです。
こういうシリーズ本、かつては「岩波講座○○○」といったタイトルで数多くの種類が販売されていました。巻数はものによって異なりましたが、全巻予約した人しか買えない、興味を持った巻だけを買うことができない、そういう縛りのあるシリーズ、それが「岩波講座」でした。
あたしが大学生の頃からはそんな縛りもなくなっていたように記憶していますが、やはり岩波書店のシリーズで買っていたのが最後の写真の『原典中国現代史』です。こちらは近代ではなく現代です。そして思想系の著作だけでなく、政治経済などの著作も含まれたシリーズとなっています。