木曾路はすべて山の中である

まだクイーンズ伊勢丹国分寺店で開催中の、静岡・長野フェアの話題です。国分寺のマルイへ行く用事があったので、またまたクイーンズ伊勢丹の静岡・長野フェアを見てきました。そして案の定、買ってしまいました。

まずは日本酒。「夜明け前」という日本酒があったので買ってみました。「夜明け前」と言えば島崎藤村ですね。「木曽路はすべて山の中」の書き出しで知られる作品ですが、情けないことに、あたしは読んだことがありません。

長野フェアなので島崎藤村「夜明け前」なのか、と思いつつ、この酒を造っている小野酒造は伊那の会社ですから、微妙に木曽路ではないような気もします。まあ、細かいことは気にしないことにしましょう。ただし、同社のサイトには

島崎藤村の代表作 “夜明け前” は、動乱の幕末から明治維新へと向かっていく物語です。奇しくも小野酒造店(屋号 千歳屋)の創業は明治維新前夜の元治元年(1864年)。…(中略)…島崎藤村を尊敬していた5代目世代が、藤村生誕100年(昭和47年)に際し、藤村に因む銘柄を考案した結果、父 島崎正樹(夜明け前の主人公 青山半蔵のモデル)と小野は深い交流があった事、創業の時代などを考慮し、“夜明け前”に決め、藤村の嫡子であらした藤村記念館初代理事長・島崎楠雄氏より直接“夜明け前”の名を使うことを許していただきました。

とあります。やはり、それなりに縁があるのですね。とてもフルーティーで飲みやすい、おいしい日本酒でした。

そしてフェアのもう一つ、静岡の方ですが、精肉コーナーにあの「掛川牛」が売られていました。上げ底と言っては言葉が悪いですが、こんもりと盛り付けられた掛川牛、400グラム弱が2月23日富士山の日にちなんで、本体2230円で売られていました。

先日の牛めし、すき焼きめしが美味しかったので、掛川牛それだけを味わってみようと思い買ってみました。炒めて焼き肉のタレで食べてみようと思います。400グラム弱もあれば、母と二人一回で食べるには多いので、二つに分けて冷凍保存してあります。

静岡在住の妹に聞くと、スーパーなどで掛川牛を見かけることはあるようですが、東京のスーパーではほとんど見ないですね。こういうフェアでもないと買うこともできないのではないでしょうか。

似ているような、全然違うような……

最近買ったガイブンが二点。『水曜生まれの子』と『ブリス・モンタージュ』です。

『水曜生まれの子』はイーユン・リー、『ブリス・モンタージュ』はリン・マーの作品です。で、お気づきでしょうか、どちらも中国系米国作家の作品なのです。

イーユン・リーは版元サイトに掲載されている情報によりますと

1972年北京生まれ。北京大学卒業後渡米、アイオワ大学に学ぶ。2005年『千年の祈り』でフランク・オコナー国際短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞などを受賞。プリンストン大学で創作を教えている。

とあり、その一方、リン・マーは

1983年、中国福建省三明市に生まれ、幼少期に家族とともに渡米する。シカゴ大学を卒業後、ジャーナリストや編集者の職を経て、コーネル大学の大学院創作科で学ぶ。現在はシカゴ大学英文学科で教職に就いている。

とあります。11歳差ですから一世代違うと言ってよいと思いますが、大学を出てから渡米したイーユン・リーと幼少期に渡米して米国で教育を受けて育ったリン・マーという違いがあります。

中国系米国作家と一括りにしてしまえば似ているように見えますが、この育った環境の違いは二人に大きな影響を及ぼしているのでしょうか。両作品を読んで比べてみるのが一番なのでしょうか。ちなみに、どちらも短篇集という共通点があります。

色はこんなですが、味はいつもどおりでした

昨日の夕飯のお話です。

ご飯はこんな感じです。パッと見には染料を使っていない赤飯のように見えますが、そうではありません。小豆が入っているわけではないのです。

通常の白米に、ちょこっとだけ別のお米を足して炊いたのです。古代米らしいですが、加えたものがこちらです。

「紅こまち」と書いてあります。あきたこまちの一種なのでしょうか。パッケージには「古代米」とか、「黒米」と書いてありますが、正確なところはよくわかりません。

実は、母がいぶりがっこが好きということで、ネットでいぶりがっこを取り寄せたのです。その取り寄せたいぶりがっこのはこの中に試供品といいますか、おまけとして入っていたのがこの「紅こまち」です。どんな味がするのか、炊き上がりはどんな感じなのか、まるでわからないまま炊いてみた結果が最初の写真です。

パッケージの裏側には作り方が書いてありました。基本的にはこれに従って作ったわけです。母と二人なので米は2合も炊きませんが。

そして出来上がったご飯ですが、特に匂いがするわけではありません。食べてみても、目をつぶって食べれば、白米とほとんど変わりません。もちろん白米だけで食べるのとはちょっとは違いますが、気になるような違和感はありません。美味しくいただきました。

古きよき……

最近、本屋で見かけて思わず「うぉー」と思ったのがこちらの一冊、『城南旧事』です。「城南旧事」だと「じょーなんきゅーじ」で読み方は合ってる(?)と不安に思われる方も多いかも知れませんが、小さく書いてある「北京の思い出」を見ると「ああ、あれね!」とピンと来た方もいるのではないでしょうか。

と書いているあたしですが、原書の『城南旧事』は読んだことがありませんし、邦訳も未読です。そもそもあたしが学生時代に邦訳が出ていたのか、それすらも記憶が定かではありません。

あたしがこの作品を知ったのは、多くの人と同じように映画を見たからです。映画館で見たわけではなく、たぶんテレビで放送されたのを見たのだと思いますが、その作品がとてもよかったのです。ただ本作の副題には「北京の思い出」と書いてありますが、映画の邦題は「北京の想い出」で、漢字がちょっと違います。

帯にも書いてありますが、戦争前、1920年代の北京が舞台です。辛亥革命が1911年ですから、まだまだ清朝時代の空気が残っている北京です。革命後とはいえ溥儀は紫禁城(故宮)で暮らしているような時代です。テーマ音楽も相俟って、こういう時代の北京を訪れたいと思わずにはいられない映画でした。

小説はこうして邦訳が新しく刊行されたので手に入りますが、映画の方はいまも見られるのでしょうか。ブルーレイやDVDが発売されているのか、Netflixなどのようにネット配信されているのか、あたしは全く知りませんが、機会があれば是非多くの人に見てもらいたいものです。

なかなかの占有率?

本日の朝日新聞読書欄には、予告どおり、あたしの勤務先の書籍が掲載されていました。ありがたいことです。

そんなわけで楽しみに、ちょっとわくわくで紙面を開いたのですが、ちょっと驚いてしまいました。

ご覧のように、みすず書房、春秋社と並んで、人文会仲間である両社の書籍も載っていたからです。なおかつ、あたしの勤務先の書籍が載っている位置のシンメには吉川弘文館という、これまた人文会仲間の書籍が掲載されています。この掲載率、紙面の占有率、なかなかのものではないでしょうか?

さて、あたしの勤務先の書籍はこちら、『メアリ・シェリー』です。お陰様で、既によく売れている商品ですが、これで更に売り上げが伸びるのではないかと期待しております。

ところで、メアリ・シェリーってご存じですか。朝日新聞の読書欄を読んでいる方であれば知っている人も多いとは思いますが、一般の方ではどのくらいの認知率になるのでしょう。たぶん街でインタビューをしたら、『フランケンシュタイン』はほぼ100パーセントの人が知っていると思います、読んだことがあるかは別として。でも、その作者名を言える人がどのくらいいるか、あたしはかなり低いのではないかと思っています。

実はあたしも、知りませんでした。いえ、女性が原作者だということは知っていたのですが、その時に名前まで覚えるほどには関心を持っていませんでした。情けないことです。たぶん多くの人にとって「フランケンシュタイン」って小説ではなく、映画が思い浮かぶのではないでしょうか。海外ではどうなのでしょうね。

あと、フランケンシュタインというと、あの怪物を思い出す人も多いと思いますが、フランケンシュタインというのはあの怪物を作り出した博士の名前ですよね。そんな思い違いもフランケンシュタインのあるあるだと思います。

長野フェアもやってるよ!

国分寺のクイーンズ伊勢丹で静岡フェアが開催中だと書きましたが、実は長野フェアも同時開催中なのです。たぶん正式には「春の静岡・長野フェア」ということなのでしょう。

というわけで、こんな一本を見かけたので買ってみました。どぶろくです。静岡ではなく長野のお酒です。

「十二六」と書いて「どぶろく」と読ませているようです。長野県佐久市の「武重本家酒造」の商品です。

どぶろくなので、シュワシュワしていますが、とても飲みやすいです。シュワシュワと聞くと、乃木坂46五期生の川﨑桜の「さくたんさん、シュワシュワ」を思い出してしまいますが、さくたんを思い浮かべながら味わいました(汗)。

ところでクイーンズ伊勢丹では静岡・長野フェアですが、国分寺駅の反対側、駅ビルマルイでは「第1回こくまるにゃんフェス」を開催中です。まあ、2月22日がニャンニャンニャンで猫の日ですから、あちこちで猫フェアは開催中ですけどね。こちらは、食べ物だけでなく、猫をモチーフにしたグッズ、雑貨なども売られているようです。

イヌ派のあたしとしては、猫の日だけでなく、もっと犬の日も大々的にやって欲しいと思っています。

静岡フェア!

このダイアリーに何度も書いていますが、あたしの妹家族は静岡県在住です。それまでは、特に静岡県に対する思い入れといったものありませんでしたが、親戚が暮らしているとなると愛着が湧いてくるものです。

もちろん、もともと歴史好きですから、徳川ゆかりの駿府に興味、関心はありましたから、嫌っていたわけではありません。ただ、それほど好きな、気になる都道府県ではありませんでした。

さて、そんな静岡ですが、国分寺駅にあるクイーンズ伊勢丹で静岡フェアが始まりました。そこで売っていたのが写真のお弁当です。寡聞にして、掛川牛というものを知りませんでした。

掛川牛というのは、静岡が誇るブランド牛なのでしょうか。食べてみましたが、美味しかったです。東京のスーパーでは牛肉コーナーを見ても掛川牛なんて見たことがありません。生産量も少ない(飼育頭数が少ない)幻の牛なのでしょうか。だとしたら、食べられたのはラッキーです。

妹に聞いてみれば、静岡のスーパーであればごくごく普通に見られる牛肉なのでしょうか。こんど聞いてみたいと思います。

今日の配本(25/02/20)

ジャーナリズムの100語

フランソワ・デュフール 著/村松恭平 訳

本書は、著者自らの経験をもとに、ジャーナリズムが遵守すべき規則を一〇〇のテーマで語る。ジャーナリストの定義や労働協約、ジャーナリズム学校など職業にかかわるテーマ、客観性や中立、プライバシー、剽窃など職業倫理にかかわるテーマのほか、フランスで毎年実施されているメディアに対する信用度調査、どのメディアよりも早くニュースを発信するために用いられる「~らしい」という表現、切り取りフレーズ、脱落のある引用、宣伝か情報か、事実か意見か、世論調査など、ジャーナリズムにまつわる幅広い問題を具体的に掘り下げる。

次は金沢?

京都、奈良と母を連れて行き、次に行きたい、行ってみたいと母が言っているのは北陸の古都・金沢です。あたしは仕事で何回か行ったことがありますが、母は行ったことがないようなので、一度は行ってみたいと言っています。

そんな金沢は美味しいものがたくさんあります。小京都と呼ばれているだけあって、食だけでなく工芸品でも素敵なものがたくさんある町です。

そんな金沢であたしがお土産にしばしば買うのがこちら、森八の落雁、長生殿です。森八と言えば長生殿だと思っていますが、落雁なので好き嫌いがあるかもしれませんね。やはりお茶の時にいただく和菓子でしょう。

あたしは、抹茶を飲まずとも長生殿をいただきます。なかなか自宅でお茶を点てることはありませんので、日本茶でいただくのです。

あと、長生殿と聞くとどうしても白楽天を思い出してしまいます。やはりあたしは中国古典を学んでいたからなのでしょう。そんなところも、このお菓子に親近感を持つ理由かも知れません。

その森八ですが、金沢へ落雁を買いに行ったわけではありません。実はあたしの勤務先の近所に東京の店舗があるのです。数年前にオープンしたそうです。今回、営業回りに出る前に初めて寄ってみました。

そうしたら、季節のお菓子として桜もちが売っていました。この季節の和菓子と言ったら桜もちだと思いますので、これも思わず買ってしまいました。

桜もちってどこのお店のものを食べても、基本的には同じような感じですが、かたち、食感、味わい、実はお店によってずいぶんと異なるものです。森八の桜もちは写真のような感じの見た目です。

とても上品で、甘さもちょうどよく、いただきました。桜もちって葉っぱが苦手という人もいますが、この桜もちはとても食べやすかったです。

また別の菓子匠へ行く機会がありましたら、そこの桜もちを買って食べてみたいと思います。そして、母を連れて金沢へ行くのはいつのことになるのやら。