またまた真っ昼間に月見!

タイトルに書いた月見の話題へ行く前に、ちくま新書です。出口治明さんのライフワークと言ってもよいような作品、『人類5000年史』がこのたび完結しました。全部で6巻ですね。

出口さんや筑摩書房としては、当初は全何巻の予定だったのでしょう。実は全8巻くらいを予定していたとか、そんなことはないですよね。とはいえ、これだけのものが無事に完結したことは嬉しい限りです。わが家の隙間が空いていた書架がようやくきれいに埋まりました。

では本題。

この時季だから売っている月見を冠した食べ物。マクドナルドの月見バーがを先日食べたばかりですが、こんどはケンタッキーの「とろ~り月見チーズフィレバーガー」です。マクドナルドは近所にあるのですが、ケンタッキーは駅まで行かないとないので、帰宅の途中、バスに乗り込む前に寄って買ったのです。

包んであった袋から取り出すとこんな感じです。月見ですから必須のアイテム目玉焼き、そしてチーズ、それにケンタッキーの主力であるチキン。美味しいです。

マックと甲乙つけるのは無粋というものです。ハンバーグが好きなのか、フライドチキンが好きなのか、そういう好みの問題だと思います。とはいえ、たまに食べるケンタッキーのフライドチキンはやはり美味しいです。この味は他では味わえません。

なおケンタッキーのこの時季は「とろ~り月見和風チキンカツバーガー具沢山タルタル」という商品もあるようです。その名の通り、チキンフィレではなく、チキンカツを使ったバーガーですね。こちらも食べてみたくてうずうずしているところです。

忘れてはいけない……

日本では3月11日の東日本大震災によって上書きされてしまった感がありますが、11日というと、それまでは9月11日のニューヨーク同時多発テロを思い出すことが多かったはずです。

そんな同時多発テロを扱ったピュリツァー賞受賞の翻訳書『倒壊する巨塔』を刊行したのが、ついこの前のことのように感じられます。

ついこの前というのは実は正しくて、一枚目の写真は最初に出版した『倒壊する巨塔』ですが、それはしばらく品切れになっていって、つい最近新装版として刊行されたのが二枚目の『倒壊する巨塔』です。2001年ですから、今の若い人は記憶がないかも知れませんが、あたしたちはテレビ報道にかじりついて、「これは映画のワンシーンか」という映像に衝撃を受けたのを覚えています。これがその後の世界情勢の不安定化の始まりでしたね。

そして、ニューヨークのテロから20数年たってどんどん崩れ去っているのは街の書店です。いや、ヨーカドーとか地方の百貨店など、書店以外もどんどん無くなっています。じゃあ、何が残っているのかと問われると、限界集落なのでしょうか。

そして最近もまた一軒。東京の渋谷と自由が丘の間、東横線の祐天寺駅前にある王様書房が閉店してしまいました。既に中は空っぽで、少し前まで本屋だったなんて「BOOKS」という文字を見なければわからないのではないでしょうか。

入り口のガラスの引き戸に店主口上が貼ってありました。8月末で閉店だったそうです。

王様書房は、昔からある駅前の本屋さんという雰囲気で、あたしの勤務先の本も並べてくれていましたし、客注の電話がしばしばかかってくるような書店でした。とても残念です。

確かに、本を買うのであれば渋谷や横浜に出てもよいですし、沿線にはいくつも書店があります。祐天寺から電車で通勤通学している人であれば、さほど不便を感じないのかも知れません。しかし、滅多にお出かけしない、地元密着の方にとっては、ここがなくなってしまうと本を買うにはどこへ行けばよいのでしょう。

地方だけでなく、東京でもこうして本屋がどんどん消えているのです。むしろ周辺人口比で考えると地方よりも東京の方が「ゼロ本屋問題」は深刻なのかもしれないですね。

今日の配本(24/09/11)

フランス語統辞法[新装版]

川本茂雄 著

言語学・フランス語学・英語学から記号学・詩学まで、幅広い分野で活躍した著書が編んだ本書は、モーパッサン、プルースト、コレット、サルトルなどの名文から豊富な例を引きながら、「統辞法syntaxe」―つまり語と語の関係や文の構造を精緻に分析していく。第I部「文の主要構成要素」は主語・動詞・目的語・補語などの要素を、第II部「主辞と限定辞」は名詞・代名詞・形容詞・副詞の補語を、さらに第III部「文の種類」では肯定文・否定文・疑問文・命令文などを扱う。待望の名著復刊。