周辺人物もとても興味深いです

今年の大河ドラマは紫式部の物語なので、藤原氏や源氏物語、さらにはもう少し視野を広げて平安時代に関する本が非常に多く出版されています。まあ、これは毎年のことなので驚くほどのことではありません。むしろ風物詩と言えるかもしれません

そして、その大河ドラマもあと三か月ほど、いよいよ佳境に入ってきましたので、そろそろ来年の大河ドラマ、蔦屋重三郎に関する書籍の出版が目に付くようになってきました。そんな中で手に取ってみたのがPHP新書の『蔦屋重三郎と田沼時代の謎』です。

蔦屋重三郎に焦点を当てつつも、彼が生きた江戸時代の状況にも言及した一冊です。蔦屋重三郎と言えば、山東京伝や東洲斎写楽など当時の芸術家たちの作品を多数世に送り出したことで有名です。そういう人たちも本書には数多く登場します。もちろん田沼意次や松平定信など時の政治家も扱われています。

重三郎以外でも皆非常に興味深い人物が多いのですが、中でも気になったのが大田南畝です。蔦屋重三郎とは関係なく、以前からなんとなく関心を持っていたのですが、本書を読んでより興味が増したわけです。と思っていたところ、角川ソフィア文庫から『大田南畝』という一冊がタイミングよく刊行されたので早速買ってみました。

もう積ん読ことになりました

皆さまは、自宅で本をどのように整理しているのでしょうか。なんでもかんでも書棚に適当に並べている、という方は少ないと思います。文庫は文庫、新書は新書、単行本は単行本、雑誌は雑誌という具合に形状を揃えて書棚に並べるのが普通だと思います。

更に、ジャンルや著者などによって分類し、同じものは一緒に並べるようにしているのではないかと思います。なので、あるジャンルが増えてきて、書棚が一杯になってくると、他のジャンルの本をどかして、スペースを空けなければなりません。そういう本のまとまった移動を過去に何度も繰り返しています。

ただ、まとまって移動させるには移動先を確保しなければなりません。移動先があるからこそ本を移動させることができるわけです。ところが既にわが家の書棚はどこもかしこも本で一杯です。もう全く収納スペースがありません。

だったら新しい書棚を買えばよいのでしょうが、わが家の場合、もう書棚を置く場所がないのです。最後の手段としては、庭にイナバの物置でも設置して、まるごと書庫にするくらいですが、そんな余裕はありませんし、物置を設置するほど広い庭でもありません。

そうなると、多くの家でそうなるように、本を書棚に収納するのではなく、床に積み上げることになります。いわゆる「積ん読」です。わが家もとうとうそういう状況になってしまいました。文庫と新書、そして単行本が多いので、わが家の書架では一番肩身の狭い「選書」が積ん読になりました。

しかし、こんな解決策(?)も一時しのぎであって、じきに積ん読スペースがなくなりそうです。そうなったらどうしたらよいでしょう? そうなったらそうなったでまた考えることにしましょう。

別にホラーではありません

月末に配本予定の『すてきなモンスター』はこんな装丁です。著者自身のイラストをあしらっています。

「モンスター」というタイトルですが、決してホラー作品ではありません。古今東西の小説の登場人物に関するエッセイです。知らない登場人物もいると思いますが、「えっ、こんな人まで取り上げているの?」という登場人物も出てくると思います。

カバーを外すと表紙にはご覧のように、これまた著者によるイラストがあしらわれています。本書で取り上げた登場人物たちを描いたものです。

このイラストは本をひっくり返した裏表紙にまで続いています。担当編集者曰く、二人ずつ向かい合うように配置しています、とのこと。どうぞこんなところもお楽しみください。

ここでちょっと目次をご紹介しますと、

ムッシュー・ボヴァリー/赤ずきんちゃん/ドラキュラ/アリス/ファウスト博士/ガートルード/スーパーマン/ドン・ファン/リリス/さまよえるユダヤ人/眠れる森の美女/フィービー/性真/逃亡奴隷ジム/キマイラ/ロビンソン・クルーソー/クィークェグ/独裁者バンデラス/シデ・ハメーテ・ベネンヘーリ/ヨブ/カジモド/カソーボン/サタン/ヒッポグリフ/ネモ船長/フランケンシュタインの怪物/沙悟浄/ヨナ/人形のエミリア/ウェンディゴ/ハイジのおじいさん/かしこいエルゼ/のっぽのジョン・シルヴァー/カラギョズとハジワット/エミール/シンドバッド/ウェイクフィールド

こんな感じです。「ああ、これはあの作品ね」とすぐわかるものもあれば、「こんなの聞いたことないよ」というものまで、あたしの知識では半分もわからないです。

表紙と裏表紙のイラストは、各登場人物の最初の部分に乗っていますので、どれが誰なのか、読みながら答え合わせをしてみてください。

この本で取り上げられた人物に興味を持って、そこから作品へ向かうなんていう方も多く現われることを密かに期待しています。あたしもちょっと気になる人物が数名おります。

日向坂46よりもブルース・ウィリスを思い出してしまうのは年のせいでしょうね

日向坂46のニューシングル「絶対的第六感」の発売日です。とはいえ、いつものようにフライングゲット、昨日のうちに手に入れております。

それがこちらです。今回もType-AからType-D、それに通常盤の全5種類を各一枚ずつ購入しました。卒業を発表しているメンバーもいるので、ここから4名がいなくなるのですよね。やはりちょっと寂しいです。

「絶対的第六感」というタイトルなので、歌詞の中に「シックス・センス」というセリフが何度も出て来ます。若い方だと知らない人も多いと思いますが、「シックス・センス」と聞けば、あたしくらいの世代、もう少し若い世代の方にとっても、たぶんブルース・ウィリスの映画「シックス・センス」を思い出すのではないでしょうか。

今日の配本(24/09/18)

北の星たち
新渡戸稲造、内村鑑三、有島武郎

芦原伸 著

本書は、教育者、宗教思想家、作家という一見異なる道を歩んだ三人三様の人生を、一方でクラークという人物を縦糸に、もう一方で札幌と軽井沢という地域を横糸に、それぞれの関連各地を取材しながら、ドキュメンタリーとして彼らの精神を浮かび上がらせた、異色の論評である。

解説がくわしいドイツ語入門[音声DL版]

岡本順治 著
丁寧な文法解説とわかりやすい表、さらに練習問題や5課ごとの「まとめ」をもとに文法を定着させ、ドイツ語の仕組みを理解するための入門書です。豊富な例文とその音声を通して、ドイツ語を実際に発音して体感し、表現を繰り返し読み書きして習慣化しましょう。コラムや質問集では、実際の使われ方や言語学的な事項も扱い、改めて文法をおさらいしたい人や、中級を目指す人にも向けた1冊です。巻末には学習者を悩ます否定語や心態詞の使い方、単位の読み方などを付録として収録。【2色刷】

沖縄語の入門[音声DL版]
たのしいウチナーグチ

西岡敏、仲原穣 著/伊狩典子、中島由美 協力

沖縄の言葉をやさしく、楽しく学ぶ、ロングセラー入門書が、音声ダウンロードになってより使いやすくなりました。本書では、琉球列島全体でも比較的通じやすく、琉球王国の文芸や芸能の中心的な言語でもあった首里の方言をベースにしています。各課は会話文、解説、単語、練習問題で構成。沖縄の文化を知るコラムも充実しています。 音声は各課の会話文のほか、琉歌や民謡、歌劇ほかも収録。沖縄のことばと文化を音からも楽しめます。

インデックス式 ラテン文法表[新版]

有田潤 著

待望の復刊。ラテン語文法の基本項目をコンパクトにまとめました。調べたいことがすぐ引けるインデックス形式です。ハンディサイズでかさばらないので、持ち運びにも便利。一目でわかる表や厳選した例文で、ラテン語学習に欠かせない心強い味方になること間違いなしの一冊です。暗記に使うもよし、参考書として持ち歩くもよし、読書のお供にするもよし。1章ごとに見開きで完結するシンプルな構成でありながら、おさえておきたい内容が網羅されているので、使い方の幅が広がります。

半年でお釈迦になりました(涙)

ここ数年、仕事で使っているカバンはリュック型です。時にノートPCを持ち歩くことも踏まえると、肩掛けのカバンは体力的にもキツいなあと感じたのがその理由です。

ただ、使いやすいカバンというのは、なかなか見つかりません。お店で見ても、帯に短し襷に長しというものが多く、なかなかこれというカバンが見つかりません。

騙し騙しいろいろなカバンを試しましたが、リュックは肩掛けタイプよりも選択肢が少ないと感じます、特にビジネスユースでは。やはり書店営業という、重たい注文書を持ち、お店に着くごとに出し入れをするという用途ですと、使いやすいものは肩掛けにしろ、リュックにしろ見つからないものです。

で、これも満足というわけではありませんが、そこそこ気に入って使っていたリュックが壊れました。写真をよーく見ていただくとお気づきになるかと思いますが、ファスナーの片一方が外れてしまったのです。こうなってしまうと素人には直しようがありません。購入したお店で修理してもらえるのでしょうか。

買ってから、つまり使い始めてからまだ半年なのですが、こうも呆気なく壊れてしまうとはちょっと困りものです。明日からは以前使っていて今は使わなくなったカバンを部屋の奥から引っ張り出してきて、臨時的に使おうと考えています。早いうちに新しいリュックを見つけなければ!

今日の配本(24/09/17)

制裁
国家による外交戦略の謎

ブルース・W・ジェントルスン 著/本多美樹 訳

国際関係においては、他国に対する対抗処置としてしばしば「○○国への制裁」という言葉を耳にする。武力行使が国際法上禁止されている現在、制裁は相手に負荷をかけることによって譲歩を引き出し、国家の目的を達成するための外交手段として用いられてきた。制裁措置のなかでももっとも頻繁に用いられてきたのが経済制裁であり、国家にとっては国益の保持・増大のため、国際機構にとっては国際秩序の回復・維持のための主要な手段になっている。近年では、自由や人権、民主主義といった普遍的な価値を蔑ろにする国家や企業、個人を対象にした制裁もおこなわれるようになってきた。なぜこうも頻繁に制裁は用いられるのか? 制裁とは、誰が、どんな目的を達成するために、どのような措置を使って、いかなる戦略のもとに科すのか、そして、そもそも効果はあるのか?

海外文学はブームなのか?

あたしの勤務先の海外文学シリーズ《エクス・リブリス》は今年刊行15年を迎えました。目標であり、モデルでもある新潮社の《新潮クレスト・ブックス》は1998年スタートなので、既に四半世紀を超える歴史があります。両シリーズの切磋琢磨で、書店の海外文学の棚の活性化にそれなりの貢献ができているのではないかと手前味噌ではありますが、そう自負しております。

ただ、ここ数年、新しい海外文学のシリーズが各社から続々と登場しております。台湾文学では、書誌侃侃房から《現代台湾文学選》、作品社から《台湾文学ブックカフェ》が刊行されました。

人気の韓国文学では、晶文社《韓国文学のオクリモノ》、亜紀書房《となりの国のものがたり》、クオン《新しい韓国の文学》があります。

そしてつい最近刊行がスタートしたのが、まずは春秋社の《アジア文芸ライブラリー》で、現在のところ3冊刊行されています。そして晶文社からは《I am I am I am》がスタートしたところで、現在二冊刊行されていて、11月に三冊目が刊行されるそうです。

実際のところ、海外文学には根強いファンがいますが、市場として大きいかと言われると微妙です。もちろん『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)のように社会現象を巻き起こす大ヒット作品も生まれていますが、そういう作品は稀です。しかし、こうして多くの出版社が参入してくることで、いろいろな国の、まだ知られていない作家が紹介され、それによって海外文学ファンの裾野が広がることが期待できます。それは回り回って、既刊の海外文学によい影響を及ぼすでしょうし、書店や出版界が元気になる一助になるだろうと期待しています。