465夜

松岡正剛さんが亡くなりました。あたしの勤務先では、特に著者などは刊行していませんので、縁はやや薄いでしょう。ただ、松岡さんの「千夜千冊」の第465夜で『ライ麦畑でつかまえて』を紹介いただいたのが、個人的には非常に印象に残っています。

その第465屋の冒頭で松岡さんは次のように書かれています。

一九六〇年代のアメリカで若者たちのお手軽なバイブルになりかかっていた文芸作品が三つある。精神科病院を舞台に患者たちの擬装と反抗を描いたケン・キージーの『カッコーの巣の上で』(冨山房)、戦争状態という管理と倫理の悪夢を描いたジョーゼフ・ヘラーの『キャッチ=22』(早川書房)、そして、J・D・サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』である。

あたしは、その当時のアメリカの状況を知らないので、この松岡さんの指摘がどれくらい打倒するのかわかりません。でもそういうものなのだろうと、この記事を読んだ当時は思っていました。そして、そのバイブル三作品、あたしも一丁前に架蔵しております。