以前からタイトルだけは知っていて、チャンスがあれば見て見たいなあと思っていた映画がWOWOWで放送されたので見ました。「プー あくまのくまさん」と「マッド・ハイジ」です。
まずは「プー」から。そもそも原作である「くまのプーさん」を読んだことがないですし、ディズニー映画だって見たことがないので、ストーリーを知りません。蜂蜜の入った壷を持ったくまのプーさんのイラストくらいしか思い浮かばない状態なので、映画がどこまで原作をオマージュしているのかわかりません。
プーさんって、森の中に住んでいたミュータントだったのですか? 主人公のクリストファーが去ってしまったために食べるものに困って仲間を殺して食べ、更には森へやって来た人を襲うようになったというストーリーですが、そもそもクリストファーと出会わなかったら、彼らはどうやって生きていけたのでしょう。野生で生きていくための術を身につける前に、クリストファーに餌付けされてしまったのがいけなかったのでしょうか。となると、人に飼われた動物を野生には戻せないということと同じ理屈ですね。
それはともかく、そんな残虐な殺人鬼プーさんが住む森に女の子たちがやって来て次々に襲われます。もちろんクリストファーも久しぶりに懐かしの森へ戻ってきます。しかしプーはそんな感傷に浸ることもなく、彼らを一人一人血祭りに上げていきます。思いのほか残虐です。グロいシーンもたくさん出て来ます。一番の驚きは、女の子たちが誰一人助からなかったことです。ヒロインっぽい女の子が最後には助かるのかな、クリストファーが自分の命と引き換えに彼女を助けるのかなと思ったら、女の子はあっさりやられてしまい、クリストファーは逃げてしまうというエンディング。最後まで情けないクリストファーでした。
そしてプーさんは不死身のような肉体で、最後もやられずに終わりましたから、パート2、パート3へと繋がっていくのでしょう、現時点で既にパート2は出来ているようですし。
続いては「ハイジ」の方です。プーさんが身も蓋もないストーリーだったのに対し、こちらは極悪非道な独裁者に立ち向かう正義のヒロインとしてのハイジを描いているので、荒唐無稽な作品ではありますが、一応は勧善懲悪になっています。
羊飼いのペーターが黒人で、さっさとコロされてしまうし、ハイジの両親も実は若きころに独裁者に殺されていた、そして優しいはずのおじいさんはそんな独裁者に立ち向かうレジスタンス運動の闘士だったなんて、平和でのどかなアルプスを舞台にした作品とは思えません。
そしてそんな両親と恋人の復讐に立ち上がるハイジは、カンフー映画のような修行の末に戦闘能力を開花させ、おじいさんたちレジスタンスと共に独裁者を倒すという内容です。クララの出番が少なめなのと扱い方に、往年のアニメ版ファンは不満を抱くかも知れませんが、ラストシーンではハイジと共に闘う少女としなっています。たぶん、こちらも二人が主人公として活躍するパート2が作られることでしょう。