新書が売れないと言われていますが……

新書や文庫が売れない、売れないという声があちらこちらから聞こえてきます。これまで安い本、手軽な本の代表格であった文庫や新書が、このところの資材高騰の煽りをうけ、じわじわと値上がっているのです。

3000円や5000円を超えるような本が数百円値上がったとしても、そういう本を買う人にとってはまずは内容が第一でしょうから、そこまで購買意欲に響くことは無いと思います。もちろん全く無いわけでは無いですが。

それに比べ、1000円を超えるようなのものは稀で、薄いものだと500円以下というのもざらにあった文庫本、そして1000をちょっとだけ超えるかなという新書、これらが軒並み1000円超えは当たり前、中には2000円に近い(消費税を加えると2000円突破)ものもたくさん刊行されるようになってきたので、如実に売上に影響しているようなのです。

と、言われているにもかかわらず、あたしは相変わらず新書を買いまくっています。時には文庫も買いますが、新書の方が多いですね。やはり通勤や営業回りの途次にカバンにしのばせるには単行本では大きいですから、どうしても新書や文庫になってしまうのです。

そして、ちょっと興味のある分野について専門書を買って読むまでの関心はないけれど、まるっきり知らないでいるのもいやなので、手軽に知識を得たいと考えた時に、やはり新書は重宝するのです。

というわけで、先日はちくま新書を買っていると書きましたが、今月は中公新書が、個人的には豊作でした。岩波新書の『独ソ戦』と並べて売りたくなるような『日ソ戦争』、少し前にちくま新書で『現代フランス哲学』が出たと思ったら、中公からは『戦後フランス思想』、そしてかつて講談社現代新書から同じタイトルが出ていましたが、『神聖ローマ帝国』も登場です。

神聖ローマ帝国は、やはり少し前にオットー大帝の本も出ていましたから、ちょっとしたブームなのでしょうか?