夕刊に二つ出ていましたよ

営業回りを済ませ帰宅。自宅で夕刊を開いたら、見覚えのある書影が目に留まりました。

右側の真ん中あたり、目にも鮮やかな黄色い本、これはガイブン好きの話題をさらった、ロシア文学の邦訳『穴持たず』です。これは、まさに怪作と呼ぶに相応しい一冊でしょう。

そしてもう一点、左側の記事。カフカの恋人ミレナがカフカに送った手紙を想像で小説に仕立てた新潮クレスト・ブックスの紹介です。その記事の中に、ミレナへ送ったカフカの手紙である『ミレナへの手紙』が紹介されていました。こちらは、あたしの勤務先の刊行物です。

この二冊はペアで販売すべき書籍ではないかと、少し前にこのダイアリーで書きました。この記事が出たことで、改めて『ミレナへの手紙』の注文が伸びてくれたら嬉しいです。

これは果たして本当に復興支援なのか?

昨日のダイアリーで、神保町界隈の乃木坂46要素をご紹介しましたが、よくよく考えてみますと、少し前に公開された遠藤さくらの乃木坂配信中「さくさんぽ」でも、さくちゃんは神田明神から神保町を散歩していましたね。なんと、あたしの勤務先のすぐ近所を歩いていました。

そしてつい先日放送されたテレビ番組「ウォーキングのひむ太郎」でも遠藤さくらがゲスト出演し、二人でこれまた神田明神を出発して神保町界隈を歩いていました。

この二回とも、さくちゃんは神保町の有名カレー屋「エチオピア」でカレーライスを頬張っていました。二回の神保町散歩は遠藤さくらファンにとって聖地巡礼の旅になることでしょう。

それはさておき、久しぶりに国分寺駅のクイーンズ伊勢丹で日本酒を購入しました。2本買ったのですが、どちらも石川県の酒です。能登半島地震復興支援と書いてあったので、迷わず買ってしまいました。

なんといっても、萬歳樂があったのがうれしかったです。この日本酒、なかなか見かけないんですよね。それが国分寺で買えるとは!

神保町で乃木坂46三昧?

岩波文庫の『孝経』が新しくなったので買ってしまいました。いや、『孝経』ではありませんね。正確には『孝経・曾子』と言わなければなりません。

ところで、この『孝経・曾子』は以前にも出ていました。ただし訳者が異なります。ですから、今回の刊行されたのは、いわゆる新訳ということになるわけです。ただ、新訳になったというだけではなく、旧訳に収載されていた「曾子集語」は割愛になっています。

さて、書店回りに出かける途次、神保町駅でこんな看板を見かけました。曽於市の宣伝のようです。

皆さん、曽於市ってどこにあるかご存じですか? はい、鹿児島県です。宮崎県との県境と言ってもよいような場所で、鹿児島市へ行くよりも宮崎市の方が近いのではないかという気もします。

看板にひらがなで書いてあるからおわかりだと思いますが、曽於市は「そお市」と読みます。お肉が美味しいところのようですが、乃木坂46ファンであれば、三期生の不動のセンター、大園桃子の故郷としても知られている場所です。あたしもそれで知ったわけです。

それにしても、神保町駅から程近い小学館には山下美月のどでかいポスターが貼ってあるそうですし、確か遠藤さくらのポスターもあったはず。なんか神保町界隈が乃木坂46祭りになっていますね。ちなみに、『孝経・曾子』の岩波書店も神保町にあります。

なんとか捻出しましたが……

世間には絶景本棚という言い方があるようです。わが家はそこまでの絶景ではありませんが、そもそも本棚を置くスペースがもうわが家にはありません。ちょっとした空きスペースを見つけては、そこに棚を作って収納するのがここ最近のやり方です。

ところで、3月にこのダイアリーに、海外文学シリーズ《エクス・リブリス》の収蔵場所がない、ということを書きました。その時には

いま考えているのは、一番上の「クレスト・ブックス」を他の棚に移動して、《エクス・リブリス》を一段ずつ上にずらそうか、ということです。

と書きました。ここ最近刊行された《エクス・リブリス》を収納するために、3月に書いた《クレスト・ブックス》の移動を実行しました。その結果。一枚目の写真のように《エクス・リブリス》の収納スペースを作り出すことに成功しました。厚みにもよりますが、これであと20点くらいは入りそうです。

そして《エクス・リブリス》に追い出された《クレスト・ブックス》は、奥行のある本棚の上のスペースを有効活用して並べることにしました。それが二枚目の写真です。

実はこの写真に写っている《クレスト・ブックス》の奥には別の書籍が並んでいます。下の本棚に奥行があるので、単行本をこうして二列で並べることができました。しかし、このスペースも《クレスト・ブックス》があと3冊か4冊も増えたらいっぱいになってしまいそうです。

ちなみに《クレスト・ブックス》の上には岩波文庫(中公文庫も数冊)が並んでいます。岩波文庫の中でも主に中国古典を並べていますが、これも他の書棚に並べきれないほど増えてしまったので、このような二段に並べられる棚を自分で作ったのです。こちらは、もうしばらくは並べる余裕がありそうです。

大河ドラマでは描かれるのでしょうか?

評判がよいのか悪いのか、視聴率だけで判断するのは避けたいと思いますが、今年の大河ドラマはどうなのでしょうか。とはいえ、あたしは数十年ぶりに大河ドラマを見ています。大河ドラマがこの時代を取り上げるのは、なかなか冒険だと思います。

ところで、こんな本を買いました。大河ドラマの時代とも重なりそうな『平安王朝と源平武士』、そして『戦国武将と男色』です。「男色」とは、筑摩書房も攻めてますね。

とはいえ、学校の授業ではほとんど触れられることはありませんが、日本史において男色は珍しいことではなく、むしろ日常茶飯事のような気がします。決して僧侶だけの話ではなく、戦国武将も、そして平安貴族も、男色はかなりお盛んだったようなのです。

となると、大河ドラマでもそのあたりの世界が描かれるのか、非常に興味深いです。若き日の道長と紫式部の逢瀬を描いたことが話題になっている今年の大河ですから、男色の世界にも果敢に挑んでほしいものです。

選択のパラドックス

少し前に光文社新書の『恋愛結婚の終焉』を読んでいました。曰く、恋愛と結婚は分けて考えるべき、恋愛・結婚・出産という三位一体の呪縛から解放されるべき、とのこと。

あたしのように生まれてこの方、既に半世紀以上、恋愛にすら行き着いていない人間には、三位一体の一つすら手に入れていないわけですから、恋愛と結婚を分ける、分けないなんて議論することすらできません。同書の議論からすると「アウト・オブ・眼中」な存在なのでしょう。

そんな同書を読んでいて、ふと目に留まったのが「選択のパラドックス」です。もちろん同書の論点は恋人や結婚相手を見つけるという文脈の中で語られているわけです、

現代社会では、選択肢が多くなると「自分はこんなことも決められない人間なんだ」と無力感を感じて選ぶのが難しくなり、選んだあとも「ほかにもっとよい選択肢があったのでは」と後悔が残りやすい、(P.195)

そして例に挙がっている実験が「ジャムの法則」として知られるものです。24種類のジャムと6種類のジャムを被験者に試食させ、どれくらい購買に繋がるかと調べたものです。結果は6種類のジャムを試食した方が高い購入率を示したそうです。

そして著者は次のように書いています。

世の中の商品やサービスの選択肢の幅は、むしろ一定程度に抑えられたほうが、消費者の心理的負担は少なく、かつ幸福度が高いことになります。(P.196)

この部分を読んだ時に、あたしは1000坪クラスの大型書店と最近ブームのセレクト型書店を思い出しました。あたしのような業界人、そして普段から本に親しんでいる人にとっては、大型書店の蔵書量は魅力的で、何時間いても飽きない宝の山に感じられるわけですが、そういう人間はごくごく少数なのでしょう。大多数の人にとっては、あまりの物量に圧倒されてしまい、自分の読みたいものが捜し出せない状態に陥っているのではないかと思うのです。

人は認知エラーを起こすので、選択肢が多いとますますエラーが頻繁に起きてしまうようです。となると選択肢を最初から絞っておくのが手っ取り早い解決方法です。ただ選択肢を絞ると言っても、自分ではどう絞ってよいのかわからない人も多いことでしょう。そこで書店員があらかじめ絞っておいてくれるセレクト型書店が昨今は盛り上がっているのではないか、と思います。

今日の配本(24/04/19)

沈黙の山嶺(上)
第一次世界大戦とマロリーのエヴェレスト

ウェイド・デイヴィス 著/秋元由紀 訳

第一次大戦の余燼をまとい、エヴェレスト初登頂に賭けた若者たちの姿を描いた歴史大作。マロリー没後100年を記念して復刊。

沈黙の山嶺(下)
第一次世界大戦とマロリーのエヴェレスト

ウェイド・デイヴィス 著/秋元由紀 訳

第一次大戦の余燼をまとい、エヴェレスト初登頂に賭けた若者たちの姿を描いた歴史大作。マロリー没後100年を記念して復刊。

レーニンの墓(上)
ソ連帝国最期の日々

デイヴィッド・レムニック 著/三浦元博 訳

ソ連崩壊20年後、ゴルバチョフら当時の政治指導者、反体制派の人物多数に取材を重ね、帝国落日に至るまでの知られざる真実に迫る。

レーニンの墓(下)
ソ連帝国最期の日々

デイヴィッド・レムニック 著/三浦元博 訳

ソ連崩壊20年後、ゴルバチョフら当時の政治指導者、反体制派の人物多数に取材を重ね、帝国落日に至るまでの知られざる真実に迫る。

これがヒルズか!

午後から、麻布台ヒルズへ行って来ました。

東京には○○ヒルズがいくつかありますが、ここが一番新しいヒルズですよね? そもそも、この麻布台ヒルズはまだすべての建物が完成していない見たいですし、すべてのテナントがオープンしているわけでもないようです。

完成した暁には、住んでいる人、働いている人、全部でどれくらいになるのでしょうか? 万単位の人が生活する場になるのでしょうかね。働く人もそうですが、住む人となると、あたしなどが逆立ちしたって叶わないような資産家なのでしょう。株とか、そういうもので稼いでいるのでしょう。少なくとも汗水垂らして働いている人とは思えないのですが、それって偏見でしょうか。

さて、そんな麻布台ヒルズに行った記念といっては何ですが、自宅へお土産を買ってみました。

鈴懸(すずかけ)という、福岡の和菓子匠です。

この時季なので柏餅、それと涼やかな見た目の麩乃餅、そしてとても可愛らしい鈴乃最中です。それとたまには勤務先にも何か差し入れようと思って、〇すず籠を買ってみました。