読みたい本と読んでもらいたい本

久しぶりに(?)本の紹介を少々。まずは読みたいなあと思って購入した本から。

森見登美彦著『シャーロック・ホームズの凱旋』です。どこの書店へ行っても売れているみたいですね。特に関西では地元作家ということもあって非常に盛り上がっていました。同時期に万城目学さんの新刊もありましたので、書店の分芸勝利場がとても元気でした。

ところで、シャーロック・ホームズ関係の本がこのところ目につくような気がします。特にアニバーサリーイヤーということではないと思いますが、定期的にブームがやって来るのか、いつでもそれなりの根強い人気作品だから、ということなのでしょうか。

そう言えば香港発のホームズ、『辮髪のシャーロック・ホームズ』も面白く読みましたが、実はあたし、ホームズ自体は全く読んだことがないんですよね(汗)。

続いては読んでもらいたい本です。

それは、このたびUブックスとなって再登場、台湾の作品『房思琪の初恋の楽園』です。房思琪は「ファン・スーチー」と読みます。主人公の女の子の名前です。

この作品、子供の性被害を扱った作品で、単行本刊行時に読んだときは、とても苦しくて痛いと感じました。こんな作品を読んで欲しいというのは、つらさを押し付けるようで気が引けるのですが、それでもこの作品は読まれるべき一冊のはずです。

#MeToo運動やジャニー喜多川、松本人志問題が世間を賑わしている昨今の日本。小川たまかさんの解説にありますが、小説だから描ける世界がここには確かにあると思います。

今日の配本(24/02/27)

グローバリスト
帝国の終焉とネオリベラリズムの誕生

クィン・スロボディアン 著/原田太津男、尹春志 訳

本書は、1920年代から現在に至るまで百年にわたる国際政治経済史を背景に据えながら、この40年、散々語り尽くされてきたように思われるネオリベラリズムの起源と発展に関して、理論的にも歴史的にも新たな光を当てる試みである。

新版 〈賄賂〉のある暮らし
市場経済化後のカザフスタン

岡奈津子 著

ソ連崩壊後、独立して計画経済から市場経済に移行したカザフスタン。国のありかたや人びとの生活はどのような変化を遂げたのだろうか。