辛亥革命なんて聞いても、中国史に興味を持っている人以外にはピンと来ないのかも知れません。でも、清朝末期には明治維新の日本に倣えということで、多くの人材が日本を訪れています。当然のことながら、日本の政治家や実業家との交流も増えてきます。
そして清朝が、二千年の皇帝制度が崩壊し、中華民国が誕生するわけですが、中華民国一年は日本の大正元年に相当します。中華民国と大正は年代が同じなので、なんとなく親近感が湧いてきませんか。そんな時代を扱った『清朝滅亡』がまもなく配本になります。
著者である杉山祐之さんは、これまで『覇王と革命』『張作霖』と、この時代を扱った作品を出してきて、本書が三作目になります。いずれも読み応えたっぷりです。上述したように、中国史の本ではありますが、日本がちょこちょこ顔を出す時代でもありますので、日本の近代史に興味がある方にも十分楽しんでいただける一冊、否、三冊となっております。