九龍壁

今年は辰年ということで、日本の情報番組ではタツノオトシゴを飼育している水族館を紹介していることが多いです。しかし、辰と聞いてもタツノオトシゴはいまひとつピンと来ません。確かにタツノオトシゴという命名からして、龍との親和性は高いのでしょうが、「あれが龍なの?」というのが正直な感想です。

あたしが辰と聞いて思い出すのは、中国で見た九龍壁です。中国には著名な九龍壁は三つあります。一つは大同で、残りの二つは北京(故宮と北海)にあります。あたしはこの三つの九龍壁を学生時代の短期語学研修で北京に行ったときに見ています。大同も研修中の週末を使った旅行で訪問したので見ることができました。

本来、龍とは皇帝の象徴であるので、黄色の瓦と同じように皇帝以外は使用禁止、つまり九龍壁も作ってはいけなかったそうです。ですから北京にある二つは皇帝のお膝元として問題ないとして、大同は皇帝でもない領主(皇帝の弟だったはず)が作ったということで北京で問題になったそうです。大同側では申し開きとして、皇帝を象徴する龍は五本の指と爪を持っていますが、ここにあるのは4本の指と爪ですので(皇帝の象徴としての)龍ではありません、と詭弁に近い言い訳で、なんとか取り繕ったという話です。

大同の九龍壁、確かに指と爪は四本でした。ただ、あたしの印象では、この大同の九龍壁が一番迫力があって見応えがあったと思います。

身の程知らずとはこのことか?

年末年始のテレビでは、過去に放送された連続ドラマが一気放送(再放送)されていまして、あたしもちょこちょこ見ていました。

そんな中、フジテレビ系のドラマ「イチケイのカラス」も気に入って見ていた番組の一つです。本放送の時は見ていなかったのですが、映画を見てからハマってしまいました。

そして主人公の竹野内豊が素敵な髭を蓄えていたので、あたしもちょっと憧れて、この年末年始の休暇中、口ひげとあごひげを剃らずに伸ばしてみました。ところが、やはり年齢のせいですね、自分のひげ面を見てみたら、白髪があまりにも多いのに愕然としてしまいました。

嗚呼、あたしは竹野内豊のように黒々とした、ダンディでセクシーなひげ面になることはできないんだなあと改めて自覚した次第です。いや、その前に容姿がまるで違うだろう、というツッコミが入りますね。

というわけで、年末年始休暇はまだ一日ありますが、昨晩風呂に入ったときに髭はきれいさっぱり剃ってしまいました。

ただ、こういう長期休暇の時に髭を伸ばしっぱなしにするのは今回に限りません。たぶん毎回伸ばしています。剃るのが面倒というのもありますし、休み中に出かけることもないですし、誰かに会うこともないので「剃らなくてもいいや」と思ってしまうのです。

この手の話題に反応しがちです

年が明けてから非常に大きなニュースが飛び込んできていますが、昨日の朝日新聞にこんな投書が載っていたのが目に留まりました。

英会話と手話を勉強したい、というわけではありません。そんな気はさらさらございません(笑)。そうではなくて、この投書の最初の部分が、あたしの関心を惹いたのです。投稿主は49歳、その母親が85歳。ちょっと差はありますが、母一人子一人で暮らしているところは、あたしとそっくりです。

そして、あたしが一番反応してしまうのは

母がもし亡くなった場合、未婚の私は1人になる。国際結婚して海外で暮らす姉家族はいるが、距離の壁はどうにも埋めようがない。

という部分です。あたしの場合、妹家族は静岡に住んでいるので、この投稿主よりははるかに近いですが、ここに書かれている投稿主の漠たる不安はあたしにも理解できます。

未来の自分を独りぼっちにしないために、英語と手話を勉強中である。……(中略)……私にとって資格や技能の取得は、お金を稼ぐことよりも社会とのつながりを少しでも得ることが目的なのである。

この心意気、偉いなあと感心してしまいます。あたしなど近所づきあいもほぼなく、これといった趣味もないので、一人になったら本を読んでいるか、テレビを見ているかして、家から出ずに日がな一日を送りそうです。時々は妹が電話をかけてくることもあるでしょうが、孤独死、孤立死といった言葉が切実に感じられます。

年老いた母の介護に疲れ、未婚の息子(世間的にはもういい歳の)が暴力を振るう、あるいは殺してしまうといったニュースを見聞きすると、本当に他人事とは思えません。とはいえ、人との接するのが得意でもなければ、もともと好きでもないあたしとしては、いまさら友達を作ろうという気も起こりませんし、孤独死を受け入れる心構えが必要なのかも知れません。

向こう一週間は……

正月は穏やかに明けたと思っていたら夕方になって能登の方で大きな地震。相変わらず余震が続いていて、向こう一週間は同じくらいの余震が起きる可能性があるとのこと。

とはいえ、能登地方って、この数年ずっと揺れていませんか。向こう一週間なんて言う短期的なものではなく、もっと長いスパンで観測をしなければいけないのでしょうね。ただ、そうなると住民はあまりにも疲れてしまうでしょうし、常に緊張状態というのは身も心も持たないと思うので、ひとまず一週間で区切るのはアリなのでしょう。

そして2日。相変わらず地震の続報が続く中、テレビはようやく正月らしい番組が普通に放送されるようになりました。ホッとしたのも束の間、暗くなったころに羽田空港で大きな飛行機事故がありました。着陸から出荷までのあの映像、映画を見ているように感じました。

海保機では犠牲者が出てしまいましたが、日航機の方は乗客乗員全員が無事に避難できたということで、それが不幸中の幸いですね。身の回りのものもお土産も全部燃えてしまいましたが、命あっての物種ですから致し方ないところでしょう。

羽田の事故を横目に見ながら、北陸の地震の続報。なんとなく気の休まらない正月明けになってしまいました。北陸地方は今日から天気が悪くなるそうです。避難所生活を送っている人が少しでも安心できるようになればと思います。食料や暖房、停電や断水など課題山積ですが、まずは道路の分断を解消するのが一番ではないでしょうか。道路が復旧しないと食料なども運べません。断水や停電を修理する人も現地へ入れません。自衛隊が大型ヘリで輸送を行なっていますが、とても足りないですよね。

日航機事故のニュースを尻目に、スペシャルドラマ「義母と娘のブルース」では娘がパリへ旅立とうとしていました。もちろん飛行機で羽田から飛び立つのでしょう。そして乃木坂46四期生・柴田柚菜のラジオではオープニングトークのテーマがやはり航空機に関することでした。こういう話題が出たときに事故を思い出さなくても済むような日常であって欲しいと思います。

2023年12月のご案内

2023年12月に送信した注文書をご案内いたします。

   

まずは重版した『インド外交の流儀』があっという間に完売となり、再重版となりました。そして毎月恒例の「今月のおすすめ本」です。そして新刊『マチルド・ローランの調香術』が配本になったので、既刊の『香水』と一緒にご案内しました。さらに年明けの映画「ゴールデンカムイ」実写版の公開を前に関連書である『ニューエクスプレスプラス アイヌ語』『第七師団と戦争の時代』のご案内です。

  

こちらも新刊『中世の写本の隠れた作り手たち』が配本になりましたので、好評既刊『中世の写本ができるまで』『写本の文化誌』を併せてご案内しました。そして月の後半恒例、「今月のおすすめ本[語学書]」をご案内し、年内最後は年明けに没後100年を迎えるレーニンの評伝『レーニン 権力と愛』をご案内しました。

正月らしいこと?

お正月もいつもどおりに過ごしていると書きましたが、年末も同様です。

大晦日も7時過ぎには寝床に入ってしまいましたから、もちろん紅白は見ていません。年越しの瞬間には夢の中。除夜の鐘を聞くことも、初詣に出かけることも、ましてや夜中の零時にジャンプすることだってありません。

いつものように早く寝てしまうので、年越しそばも食べません。そもそもあたしはうどん党なので、そばを食べようという気にならないので、食べなくても何も痛痒を感じません。

そして考えてみますと、生まれてこの方あたしは初詣って一回しか行ったことがないと思います。記憶に残っているのが一回こっきりなのです。

そして、年賀状も数年前から書くのをやめました。仕事の年賀状もほぼ書かないので、わが家に届く年賀状も年々減ってきています。年賀状も書かない、初詣にも行かないくらいですから、年始の挨拶回りだってありません。ずーっと自宅に住んでいるので、帰省すべき実家はありません。結婚もしたことがないので、奥さんの実家へ帰省するという習慣もありません。

それでも今年は、お節をお取り寄せしてみました。コロナを経て近所のスーパーの年始休暇が長くなりました。以前であれば、年末年始も休みなし、というお店もありましたが、ここ数年は1日と2日はお休みというところが増えてきています。

となると食事の支度も大変だろう、母にも少しはゆっくりさせてあげようということで、今年は妹家族のところだけでなく、わが家にもお節をお取り寄せしてみました。これだけの品数を、母とあたしの二人分だけ作るとなると無駄が多くなりますから、多少の出費ではありますが、お取り寄せの方が安くつきますね。

取り寄せたのは、京料理道楽のお節です。2人前のものです。本日、美味しくいただきました。

例年どおり

年が明けました。

いつも書いているように、あたしは年末年始だからと言って生活パターンを変えることをしないので、大晦日の昨晩も7時過ぎには寝床に入ってしまいました。そして8時少し前まで本を読み、そのまま寝入ってしまいました。

そして今朝、元旦もやはりいつもどおり、3時過ぎには起きて、これまたいつもどおりの朝食です。トーストと牛乳(レンジでチンしてココアを投入)です。こんなのを朝の4時過ぎに食べておりました。

あまりというか、ほとんど正月らしいことのない元日の朝ですが、衣装は干支をあしらってみました。ドラゴン(龍)のトレーナーです。

もう十数年前、否、数十年前に中国へ行ったときに買ったものです。たぶんこういう、いかにもお土産的な商品なので故宮博物院あるいは万里の長城の売店とか、王府井にあった(現在もあるのかしら?)工芸美術服務部(というお土産専門のデパート)で買ったものだと、おぼろげに記憶しています。

つまり十数年ならぬ数十年着ているトレーナーなので、かなりくたびれていますし、よく見れば毛玉だらけです。たぶん買ったころに比べて色味もずいぶんと変化していると思います。それでも着やすいのでよく着る休日衣装の定番の一つです。

さて、元日は録画されている紅白やCDTVを早送りしながら、見たいアーチストのところだけ視聴しようと思います。