少女期

わが家の書架にこんな本があります。

ワニブックスの一冊、『少女期』です。著者は沢田聖子、中学高校時代のあたしが夢中になっていた歌手です。

この《青春ベストセラーズ》というシリーズで、ヤングアイドルの本(奥付裏広告より)がたくさん出ていました。奥付裏広告には田原俊彦、松田聖子ら当時の人気アイドルの本がたくさん並んでいます。本当に本人が書いたのかどうか、それは定かではありませんが、とにかくたくさん並んでいます。

そんな中の沢田聖子『少女期』です。これはたぶん沢田聖子本人が書いたのではないかと、あたしは信じています。奥付では1982年11月5日初版発行とあり、架蔵しているのは1983年7月1日の8版です。もうはるか以前に絶版になっていることでしょう。

8版とありますが、あたしの勤務先的に言えば第8刷のことでしょう。とはいえ、そんなに売れたのでしょうか?

ところで、この「少女期」というのは、当時沢田聖子が発売したベストアルバムのタイトルです。このアルバムももちろん所持しております。サブタイトルには「同じ季節を走って下さい」とありますが、「走って下さい」も彼女の曲のタイトルです。

今日の配本(21/09/13)

絵で学ぶ韓国語文法[新版]
初級のおさらい、中級へのステップアップ

金京子、河村光雅 著

2014年に刊行して以来ロングセラーの『絵で学ぶ韓国語文法』の「新版」登場です。巻末に実践問題を追加し、練習問題には「ポイント」として解説を加えました。初級を終えた人がおさらいをし、中級に上っていく準備に最適の学習書です。77の文法項目を取り上げ、見開き左ページには絵を使った文法解説、そして右ページには練習問題を配しています。表現の微妙なニュアンスの違いは「お悩み解決コーナー」でスッキリと整理。練習問題の音声は無料のダウンロードで聞くことができます。

坂道の少女たち

昨日は9月11日で、テレビのニュースや新聞でもアメリカ同時多発テロについて報じていました。

この日が訪れるとこの曲が聴きたくなります。沢田聖子の「息子からの伝言」です。同時多発テロに遭って亡くなった人を歌った一曲で、壮大なメロディーが印象的です。

沢田聖子は、あたしが中学生のころから歌っていて、中学・高校時代はよく聴いていましたが、当時のアルバムはすべてLP盤ですべて持っています。それくらい好きでした。

彼女も文章で書いていましたが、当時は人気絶頂の松田聖子とよく勘違いされたようです。松田聖子はアイドル歌手で、沢田聖子はイルカのお弟子さんで、当時の用語を使うならニューミュージックというジャンルの歌手でした。そしてなにより、松田聖子は「せいこ」ですが、沢田聖子は「しょうこ」と読み、芸名ではなく本名なのです。

この沢田聖子のファーストアルバムのタイトルが「坂道の少女」と言いまして、このアルバムの中にも同名の曲が入っています。

坂道だからではないですが、この曲、あらためて乃木坂46か、日向坂46か櫻坂46で歌ってくれないかなあ、と思うのです。坂道グループが「坂道の少女」をあ歌うなんて、ちょっとできすぎではありますし、ダジャレっぽくもありますが、よい曲なので是非歌ってもらいたいと思うのです。

そろそろ秋元康の歌詞から卒業してもよいのでは、とも思いますし。

20年目だけではなく48年目も……

今日は9月11日です。

朝日新聞読書欄でも取り上げられていましたが『倒壊する巨塔(上)』『倒壊する巨塔(下)』が、まずは思い出されるわけですが、今日はそれだけではありませんね。1973年の9月11日も世界史のなかでは忘れられない一日ではないでしょうか。そうです、南米チリのクーデターです。

 

チリ出身の作家は、多かれ少なかれクーデターの影響を受けているはずです。あたしの勤務先で言えば、まずはボラーニョではないでしょうか。多くの作品にクーデターが影を落としています。

そんな中、作品自体はクーデターを扱っているわけではありませんが、ルイス・セプルベダの『カモメに飛ぶことを教えた猫』などは如何でしょう。クーデターにより投獄され刑務所暮らしを体験しています。そしてルイス・セプルベダは2020年に新型コロナウイルスで亡くなっているのですよね。

恐らく、今日は日本のニュースでもアメリカの同時多発テロを取り上げているところが多いと思いますが、チリのクーデータについて取り上げるニュースや情報番組はどのくらいあるのでしょうか。

毎晩寝るまえのルーティン

近刊のご案内です。

左がもうすぐ刊行になる『寝るまえ5分のパスカル「パンセ」入門』です。

パスカルの『パンセ』は文庫などで各社から出ていますので、非常に馴染みのある書物だと思いますが、読んだことある人はどれくらいいるのでしょう?

本書は、そんな『パンセ』をわかりやすく紹介したフランスのラジオ番組を書籍化したものです。まずはこの一冊から始めてみるのは如何でしょう?

もちろん既刊『寝るまえ5分のモンテーニュ 「エセー」入門』を読まれた方ならば、「こんどはパスカルにチャレンジだ!」と意気込んでいらっしゃるかも知れません。店頭に並ぶまで、しばしお待ちください。

そして書店の方、是非この二冊は併売をお願いします。著者のアントワーヌ・コンパニョンはこの二冊以外にも他社から翻訳が出ていて、日本でもそれなりに知られた学者です。

ちなみに、寝るまえに読むのであれば、あたしの勤務先からはもう一冊『寝るまえ5分の外国語 語学書書評集』なんていうのも出しております。

命日だらけ?

今日は毛沢東の命日です。1976年のことです。

この年、正月早々に周恩来が亡くなり、天安門事件が起こり、恐らくそんな事件が起こったのも、その時点で毛沢東の健康もかなり悪く、明日をも知れない状態だったからではないでしょうか?

そして半年以上が過ぎ、ようやく巨星、毛沢東も旅立ったというわけです。これで十年の動乱、プロレタリア文化大革命がようやく収束したのです。

当時の中国のことは、日本ではほとんど情報が入ってこなかったと言われていますが、その当時小学生だったあたしはまだ世間のこともよくわかっておらず、ましてや中国に興味など持っていなかったので、さっぱりわかりません。ただ、その後しばらくは世界地理の授業で中国の人民公社について学びましたけど、既に人民公社はほぼ解体されていましたよね。もちろん、文革についても学校の授業では何も習っておりません。そういう世代です。

ところで、今日は毛沢東の命日だけでなく、ジャック・ラカンの命日でもあります。こちらは毛沢東の死に後れること5年、1981年のことです。

そしてそして、毎年書いている気もしますが、今日はわが父の命日です。二十数年前の出来事です。そしてこれも書いたことがあると思いますが、父方の祖母の命日でもあります。つまりあたしの父親は自分の母親と同じ日に亡くなったのです。

あの世から母親に呼ばれたのでしょうかね?

今日の配本(21/09/08)

私はイスラム教徒でフェミニスト

ナディア・エル・ブガ、ヴィクトリア・ゲラン 著/中村富美子 訳

フェミニストでありながら、イスラムのスカーフを被ること─。これは、スカーフを女性差別の象徴としてみなす西洋のフェミニストたちに理解されにくく、議論の的となってきました。でも、それが、ナディア・エル・ブガの流儀です。宗教に敬虔であることとフェミニストであることは、矛盾しません。イスラムというと女性蔑視の因習的な宗教という先入観や、テロと短絡的に結びつける傾向もあるでしょう。そんな誤解や偏見は、イスラム法を学んで、モスクで講和を行なう専門知識をそなえたナディアが、丁寧にときほぐします。

ネット書店の近刊情報

とある書籍をネット書店で見つけました。

まだ刊行されていない書籍です。もう少しで刊行されるようなので、予約を募っているところです。

そこで、あたしはその出版社のウェブサイトで、その本についてもう少し詳しいことを知ろうと思いました。ところが、その出版社のサイトでは、その本は見つかるのですが、判型、頁数、価格くらいしか情報がありません。どんな内容の本なのかわかりませんでした。

そこで、改めてネット書店でその本を見てみますと、そこにはちゃんとその本の内容紹介が載っています。

それで疑問に思ったのですが、その本に関する情報が出版社のサイトには載っていないのに、ネット書店では載っているというのはどういうことなんでしょう? おかしくないでしょうか?

でも、これは今回の本に限らず、しばしばあることです。とてもおかしな業界だと思います。

本って実はとっても安上がりな娯楽なんだと思う

朝日新聞の「声」欄にこんな投書が載っていました。

本が高価だと見出しにあるので読んでみると、新聞で紹介されていたり広告に載っていたりする書籍の価格が軒並み2000円以上であるという訴えです。

うーん、最近では文庫や新書も高くなり、単行本であれば、2000円以下のものを探す方が大変だというのが半ば常識化しているあたしのような業界人には目から鱗であると共に、世間一般の方の感覚を知るよい機会でもありました。

しかし、この数十年、日本は物価が上がらず、そして給与も上がらず、そのために世界の潮流から隔たってしまっているわけです。モノにはそれにふさわしい正当な対価を払うべきだという感覚がもっと広く行き渡ればよいとも思います。

それにしても、この投書にもあるように、本って他の人と楽しめるだけでなく、他の娯楽に比べて楽しめる時間も長いです。2000円以上する小説を読むのに5時間かかったとすれば、一時間400円です。せいぜい二時間程度しか楽しめない映画に比べるとはるかに安上がり、割安なレジャーではないでしょうか?