8月のご案内

お陰様で、8月も新聞などでのご紹介がいろいろありました。ただ、今月はそれ以上に、社会の状況を掬ってタイムリーに案内したものの反響が大きかったです。

  

まずは毎月恒例「今月のおすすめ本」です。そして来月20年を迎えるニューヨークの同時多発テロを扱った『倒壊する巨塔(上)』『倒壊する巨塔(下)』も改めて手に取っていただきたい一冊(二冊?)です。そして、もちろん店頭でも売れているのですが、刊行直後から多くの書店員さんの間で話題となっている『ブックセラーズ・ダイアリー』です。

  

さて『倒壊する巨塔』をご案内したと思ったら、アフガニスタン情勢が急を告げました。そこで『シークレット・ウォーズ(上)』『シークレット・ウォーズ(下)』など、これまで刊行したアフガニスタン関連書籍です。そしてフランスの哲学者ナンシーの訃報が飛び込んできましたので、『ジャン=リュック・ナンシー』をご案内しました。そして、来月に女子プロサッカーリーグが開幕するので、『女の答えはピッチにある』のご案内です。

そして最後に、映画「ドライブ・マイ・カー」の劇中劇で使われている『ゴドーを待ちながら』です。店頭の品揃えの参考にしていただければ幸いです。

ツァーリの時代?

ロマノフ朝史 1613-1918(下)』が刊行になり、先月刊行の『ロマノフ朝史 1613-1918(上)』と、まずは併売をお願いしたいのですが、振り返ってみますと、あたしの勤務先、意外とロシア帝国に関する書籍を刊行しているのですよね。ちょっと並べてみました。

ロシア帝国の人物の中でも最も有名な一人である『エカチェリーナ大帝(上)』『エカチェリーナ大帝(下)』、そしてロシア帝国時代の戦役である『クリミア戦争(上)』『クリミア戦争(下)』を覚えている方も多いのではないでしょうか。

そして、これらロシア帝国の舞台の一つ、『クレムリン 赤い城塞の歴史(上)』『クレムリン 赤い城塞の歴史(下)』も記憶に新しいところではないでしょうか?

しかし、どれも上下本というボリューム、たった4点なのですが、これだけで十二分に壮観です。余力があるのであれば、『ロマノフ朝史』と同時期に刊行した、これまた上下本の『ナターシャの踊り(上)』『ナターシャの踊り(下)』も一緒に如何でしょうか?

今日の配本(21/08/30)

眠りの航路

呉明益 著/倉本知明 訳

睡眠に異常を来した「ぼく」の意識は、太平洋戦争末期に少年工として神奈川県の海軍工廠に従事した父・三郎の記憶へ漕ぎ出す――。

アメリカ副大統領
権力への階段

ケイト・アンダーセン・ブラウワー 著/笠井亮平 訳

権力闘争、相互協力、反目、そして友情。正副大統領の力関係と人間模様を軸に、ナンバー2の視点からアメリカ政治の中枢を描く。

ロマノフ朝史 1613-1918(下)

サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ 著/染谷徹 訳

愛憎相半ばする一族、戦争と革命、陰謀と謀反、弾圧と殺害、性愛と嗜虐……王朝の絢爛たる歴史絵巻と血にまみれた秘史を語りつくす。

2021年9月の広告予定

●琉球新報(9/9)、沖縄タイムズ(9/10)
沖縄語をさかのぼる

●毎日新聞(9初)
ブックセラーズ・ダイアリー/やんごとなき読者

●北海道新聞(9初)
第七師団と戦争の時代

●中日新聞・神戸新聞・信濃毎日新聞(9初)
ブックセラーズ・ダイアリー/やんごとなき読者

●西日本新聞(9初)
沖縄語をさかのぼる

●河北新報(9中)
ブックセラーズ・ダイアリー/眠りの航路

●京都新聞(9中)
ブックセラーズ・ダイアリー/眠りの航路/ナターシャの踊り

※都合により掲載日、掲載書目が変更になる場合がございますので、ご了承ください。

やさしさとは

さて、乃木坂46の三期生、大園桃子の卒業セレモニーも終わり、冠番組で姿を見ることはもう一回くらいはあるでしょうが、彼女がメディアの前に登場することはないのだなあと思うと、やはりちょっと寂しい気がします。

それはそうと、桃子の卒業セレモニーで歌われた楽曲の中に「やさしさとは」があります。もうずいぶんと前に発表された楽曲で、オリジナルの歌唱メンバーで現役なのは生田絵梨花ただ一人になってしまっています。

そんな曲ですが、桃子はこの曲が大好きみたいですね。今回も歌われましたし、以前のライブでも齋藤飛鳥と二人で披露したこともありました。桃子が最後に出演したラジオ番組「乃木坂46の「の」」でもこの曲が流れました。

もちろん、この曲が発表されたのは桃子が加入される前ですし、この曲のセンターを務めた橋本奈々未とはほとんどからむことなかったところに、逆に因縁を感じます。齋藤飛鳥と披露したということも、橋本奈々未と齋藤飛鳥との関係性を考えると非常に感慨深いものがあります。

ちなみに、この曲は乃木坂46の200を超える全楽曲の中でも人気が高く、隠れた名曲とも言われるほどの一曲です。オリジナル歌唱メンバーの一人、松村沙友理の卒業コンサートでも、生田絵梨花と二人で披露されたほどの曲です。

ただ、この曲にはMVがないので、YouTubeには違法ですが、いろいろな映像がアップされています。正規盤は「バレッタ 通常盤」をご購入ください。

こういうことをされるとAIは困ってしまうのでしょうね

あたしが日常的に使うネットショップは、ヨドバシカメラ楽天市場です。できるだけ使うサイトを固めた方がポイントも貯まりますので、なにかとお得です。

ちなみに、アマゾンでは買い物はほぼしません。検索などで利用はしますけど、買い物は上記のサイトを使うことがほとんどです。

さて、右の画像はヨドバシドットコムの画面の一部を切り出したものです。中国の作家・宝樹の『時間の王』という短篇集のページです。来月中旬に早川書房から刊行予定の中国SFです。

そのページの中に「……を見たお客様はこれも見ています」と紹介されているのがこの画像です。ページで「見ている」と言われているのは、乃木坂46の4期生を特集した雑誌『Platinum FLASH』です。

中国SFと乃木坂46、ちなみに、『時間の王』のページで「見ています」と紹介されているのは『Platinum FLASH』以外にはありません。いったい誰がこの二つを見ているのかと問われれば、あたししかいないでしょう。

ちなみに『Platinum FLASH』のページで「……を見たお客様はこれも見ています」で挙がっているのは、同じようなアイドル系グラビア誌ばかりです。

どうみても不自然な誘導、訪問者の検索履歴だけに頼っていると、こういうことが起きてしまうわけですね。

かつて、まだヨドバシドットコムでは書籍がほとんど扱われていなかったころ、アマゾンで仕方なく中国史の学術書を買ったことがありました。その時一緒に、皆藤愛子のファースト写真集『あいこ日和』を購入しました。すると、その学術書のページの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」には長い間皆藤愛子の写真集だけが載っている状態が続きました。

ある意味、アマゾンをはじめとするAIに対する嫌がらせですね。

今日の配本(21/08/27)

やんごとなき読者

アラン・ベネット 著/市川恵里 訳

ある日、愛犬を追って城の裏庭にやってきた女王陛下は、移動図書館の車と、本を借りにきていた厨房の下働きの少年に出くわす。あくまでも礼儀上、1冊借りたことが、人生を変える、本の世界への入り口となった。以来、すっかり読書の面白さにはまってしまい、カンニングする学生のように公務中に本を読みふけるわ、誰彼かまわず「最近どんな本を読んでいますか」と聞いてはお薦め本を押しつけるわで、側近も閣僚も大慌て。読書によって想像力が豊かになった女王は、他人の気持ちや立場を思いやるようになるものの、周囲には理解されず、逆に読書に対してさまざまな妨害工作をされてしまう……。エリザベス2世を主人公に、ユーモアと風刺、読書についての鋭い洞察と名言に満ちた物語。世界32か国で発売のベストセラー小説。

1日5題文法ドリル
つぶやきのフランス語

田中善英 著

ツイッターから生まれた、愉快なフランス語ドリル。日常生活で使える60課、全1500題。1日5題ずつ練習すると、約1年でフランス語の基本的な文法事項をひと通りカバーできます。それぞれの設問は、使ってみたい、人に教えたいフランス語フレーズばかりですので、毎日飽きずに進めることができます。解答と合わせて、学習者の理解を助けるワンポイント解説も多数掲載。ハシビロコウが何度も登場する、肩の凝らないフランス語練習問題で、初級を突破。

福祉国家
救貧法の時代からポスト工業社会へ

デイヴィッド・ガーランド 著/小田透 訳

本書は、救貧法の時代からポスト工業社会までの歴史を辿り、その多様な形態(社会民主主義的レジーム・保守主義的レジーム・自由主義的レジーム)をまず確認する。その上で給付のあり方(社会保険・社会扶助・ソーシャルワークなど)をおさえるのが特長だ。そこで浮かび上がるのは、福祉国家が貧困層より中間層を優遇するシステムであるということである。この点は、福祉国家が猛攻撃を受けたサッチャーとレーガンの「ニューライトの時代」も変わらなかったという。「ウェルフェア」から「ワークフェア」へ、福祉国家はいかに変容するのか? 入門書の決定版。

寺田蘭世の写真集発売に思う

乃木坂46の二期生、寺田蘭世の『ファースト写真集』発売が決まりました。あたしとしては好きなメンバーなので、今回のニュースはとても嬉しかったです。

ただ、ファンの間ではメンバーの写真集はどれだけきわどいものが提供されるかが興味の的のようです。でも蘭世はファッションセンスが独特で、むしろ写真集よりもフォトブックの方がよいのではないか、と思うメンバーの一人です。そして、意外と尖った格好をする反面、見てくれはとてもカワイイ(とあたしは思う)ので、可愛らしいファッションに身を包んだ写真集が希望です。

ところで、このタイミングで写真集の発売と聞くと、それを手土産に卒業なんてことになるのではないかと不安です。それはちょっと悲しいです。第二のひめたんのように感じられます。

「ブランコ」や「滑走路」なんかを見ても、蘭世は格好いい感じの楽曲でセンターをやらせたらハマると思うんですけどね。ただ、ひめたんと同じように決して器用なタイプではないですね。愚直という言葉がよく似合います。

 

劇中劇とはどのような感じなのかしら?

カンヌで賞を取り、満を持して公開された映画「ドライブ・マイ・カー」ですが、盛んに宣伝しているとおり戯作は村上春樹の『女のいない男たち』に収録されている作品です。

原作がどうなっているのか知りませんが、今回の映画では劇中劇として「ワーニャ伯父さん」「ゴドーを待ちながら」があるそうです。

ゴドーと言えば、あたしの勤務先のベスト&ロングセラー『ゴドーを待ちながら』です。新書判で手頃な価格ですので、文春文庫の映画原作と是非ご一緒に!