第2回 なぜ中国学を選んだか

私が中国古典に興味を持ったのは「第1回」に述べたことが理由ですが、もう一つ、高校時代に徳間書店の「中国 の思想」シリーズを読んだのも理由になっています。第1回で述べたように中国古典に興味を持った私は、とにかくそれを読んでみたいと思い、本屋でその手の 本を探しました。そうしたところ、このシリーズを見つけたのです。日本語訳も付いていて手頃でした。また父が仕事の関係で出版社とつきあいがあったので、 それをいくらか安く入手できるとう条件も大きなものでした。

この徳間書店のシリーズは第1巻が「韓非子」でした。その時点でせいぜい「論語」「孟子」「孫子」「呉子」くらいしか、それも名前くらいしか知らなかっ た高校生にとって「韓非子」は強烈でした。全くその通りだと思いながら読み進みました。この影響はこの後いろいろと影響していきますが、それは後述しま す。

今思うと、日本語訳とはいえこのシリーズで代表的な古典のエッセンスは読んだような気がします。このシリーズでは引き続いて「史記」「十八史略」「三国志」を読みました。

また上に述べた父の仕事の関係で横山光輝氏の「水滸伝」と「三国志」が我が家にはありました。それまではなんか暗い劇画タッチの絵に親しみを持てず、ま さしく「積んどく」状態だったのですが、このような経緯で一気に読んでしまいました。ただ「三国志」は、この頃はまだ赤壁の戦いの手前までしか漫画が進ん でいなかったので、やはり自宅にあった吉川英治氏の「三国志」でその後を読み、漫画はそこで打ち切りました。

もうここまで進んでくれば、中国学を選ぶのにそれほどの迷いはありませんでした。

(第2回 完)

2014年9月28日