似て非なるもの

書店店頭でこんな本を見かけました。

珈琲と煙草』という本です。文芸書売り場で見かけたので、海外小説なんですかね。この本を眺めていたら、「あれっ、前にも似たようなタイトルの本があったよなあ」と思いました。

それがこれ、『幼女と煙草』です。

思い出してみると、「と煙草」が共通するだけなんですね。これだけですと、似てるとも言えますし、似てないとも言えます。あたしが、煙草が大嫌いなので、煙草という文字を目にすると必要以上に心にインプットされてしまうせいかもしれません。

そうそう、似ていると言えば、こんな本も気になりました。

偽情報戦争』という本です。こちらは似たタイトルの本を思い出したわけではありません。思い出したのはこちらです。

あたしの勤務先から刊行された『ウエルベック発言集』です。

どうでしょう、似ていませんか、装丁が。

どちらも、装丁は本を横に向けないと読めないような文字の並びです。また白地に黒の文字一色というシンプル(?)なところもよく似ています。

ただし、この両書はジャンルが異なるので、並んで置かれることはないので迷うこともなければ、間違えることもないと思います。

しかし、改めて並べてみると、そんなに似てなくもないか、という気がしてきました。

新書でフランス語!

《フラ語》シリーズが爆発的な売行きの清岡智比古さんの新刊『フランス語をはじめたい!』が刊行されました。SB新書ですので、語学書売り場に置いていない書店も多いのではないでしょうか。

このように新書の形態を取った語学書というのは、フランス語以外にも数多く出版されていまして、フランス語だけを取り上げてみても講談社現代新書の『フランス語のすすめ』が1964年、同じく現代新書の『はじめてのフランス語』が1992年、そしてちくま新書の『フランス語はじめの一歩』が2002年と、定期的に刊行され続けているようです。

最近ですと、2018年に幻冬舎新書から『世界一簡単なフランス語の本』が出ていますので、今回は5年ぶりでしょうか。こういう新書の語学書は、書店の語学書担当の方に、どれくらい情報が行き渡っているのでしょう。どの著者も語学書で実績のある方々ばかりなので、語学書売り場にも置いてさらなる増売を図ってくれると、語学書にもよい影響が出てくれるのではないかと期待しているのですが……

併売&併読推奨?

新潮選書の『貴族とは何か』を購入しました。タイトルだけですと、どこの国(?)、どの時代(?)、という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、著者名とサブタイトル「ノブレス・オブリージュの光と影」を見れば、英国を中心とした西洋世界の話だということが予想できるのではないでしょうか? 内容紹介には「古代ギリシャから現代イギリスまで、古今東西の貴族の歴史」とありますので、必ずしもイギリスに限らないようです。

ところで「ノブレス・オブリージュ」と聞けば思い出すのがこの一冊、『ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級』です。こちらは、あたしの勤務先の刊行物です。非常に好評で版を重ねた一冊です。

そしてこの二冊、なんとなく正題と副題を入れ替えた、双子の本みたいな感じがしませんか。ドラマ「ダウントン・アビー」や「エマ」などのヒットもあって、英国はじめとした貴族社会に関する関心がここ数年高まっていることから、こういう書籍の刊行が続いているのでしょう。

考えてみますと、庶民出身の女の子とお金持ちの貴公子との身分を超えた恋愛模様というのは、手を替え品を替えて小説やマンガ、ドラマで描かれてきたので、潜在的に貴族や高貴な身分に対する憧れというのがあるのでしょうね。だから、本が出るわけで、そしてそれなりに売れるのでしょう。

というわけで、この二冊、片方を持っている人、読んだことがある人であれば、もう一方にも興味を持つのは間違いないでしょう。刊行の順番からして、既に『ノブレス・オブリージュ』を購入した人が、こんど刊行された『貴族とは何か』に手を伸ばすことになるのではないでしょうか。

新潮選書ですと、そのレーベルでまとめた置かれているかも知れませんが、是非この二冊は一緒に並べていただきたいところです。

ちょっとだけ代わりました

昨年末から少しずつ始めていたのですが、年末年始は何かとバタバタしていますので少し遅れ気味でしたが、ようやくほぼ終わったかな、という感じがします。

何が? と聞きたくなる方もいらっしゃるかと思いますが、あたしの勤務先の営業販促地域の変更です。

あたしも少しだけ担当地域が代わりました。もうかれこれ十年以上担当している、新宿地区の担当を外れることになりました。最初はジュンク堂書店新宿店を担当していて、その後、紀伊國屋書店新宿本店とブックファースト新宿店をはじめとした新宿地区の書店を担当するようになりました。

当初はルミネにもブックファーストが二店舗ありましたし、ルミネエストには有隣堂が入っていた時期もあったと記憶しています。そんな長いこと担当していた新宿地区を外れることになったのは、やはり少し寂しいものがありますね。

ただ、その代わりと言ってはなんですが、京王線を再び担当することになりました。以前担当していたのですが、ここ数年は担当を外れていました。あたしが担当していた頃とは書店地図も様変わりしているでしょうね。

さて、もう一度!

先週の火曜日から金曜日まで京阪神ツアーでしたが、今週また京阪神ツアーへ出ます。こんどは水木金の三日間です。

この時季は、あたしの勤務先では春向けの語学書の販促が重要になりますので、大学生協などいつもより多くの書店を回ることになります。

ふだんなら、京阪神は月曜から金曜の五日間で回れるのですが、この時季だけはそれでは日数が足りず、かといって土日は生協などは休業のことが多く、一度帰京して、再び出直すことにしたわけです。

今回、折角二週に分けて七日間のツアーですから、なかなか顔を出せない書店も訪ねてみたいと思っています。

仕事納め?

あたしの勤務先は明日で仕事納めです。例年どおり、午後3時で終業となります。

ただ、明日は在宅勤務にしましたので、実質的には今日で仕事納めのような気分です。もちろん、明日は自宅で仕事するつもりですので、休みではありません。

ふだんの在宅勤務ですと、朝のうちに仕事をこなし、昼間は書店回りに出かけるのですが、さすがに明日はもう営業回りという感じではありませんので、パスします。

では、よいお年を、ですね。

フライングゲット

一年に一冊くらいのペースで刊行してきた、イーヴリン・ウォーの『誉れの剣』全三巻の第三巻『無条件降伏』が年明けに刊行になります。

第一巻の『つわものども』の刊行が2020年7月、第二巻『士官たちと紳士たち』の刊行が2021年10月ですから、ほぼ予定どおりと言えるでしょう。

その第三巻の見本が、少し早いですが、出来上がってきました。シリーズですので、装丁がこれまでとはガラッと変わることはないので、ほぼ予想の範囲内のカバーデザインになっているのではないでしょうか?

ようやく完結です。お待たせいたしました。それなりに厚みのある本ですので、年に一冊というペースがちょうどよかったのかも知れません。

あたしは、メッシと誕生日が一緒です!

サッカーのワールドカップがようやく終わりましたね。サッカーにはさほど興味がないので、わざわざ起きて見るなんてことはなく、ニュース番組のスポーツコーナーで映像を見ただけでした。

とはいえ、やはり世間の流れには乗っておいた方がよいだろうと考えまして、優勝したアルゼンチンに便乗して、勤務先でアルゼンチン作家の作品を探してみました。それがこの二点です。

《エクス・リブリス》の『ブエノスアイレス食堂』と『ケンジントン公園』です。残念ながら、『ブエノスアイレス食堂』の方は現在品切れです。なかなか衝撃的な冒頭なので、機会があれば是非読んでいただきたい一冊なのですが……

小説ではありませんが、『読書礼讃』『奇想の美術館』『図書館 愛書家の楽園』ノアルベルト・マンゲルもアルゼンチン出身ですね。

見本が出来ましたので……

勤務先のウェブサイトにもまだ画像が上がっていないようなので……

近刊二点、どちらも海外文学ですが、装丁はこんな感じになっております。

白水Uブックスの『話の終わり』と《エクス・リブリス》の『グリーン・ロード』です。見本が出来上がってきたので、ご紹介します。さて、如何でしょう。

 

あまりにも大きさが違いすぎますね

角川ソフィア文庫から『シャルル・ドゥ・ゴール 自覚ある独裁』が刊行されました。その名のとおり、文庫ですからまさに掌編です。とりあえずドゴールについて簡単に知りたいという人には重宝する一冊ではないでしょうか?

たぶん、もともとは2019年に角川選書で刊行されていた『ドゥ・ゴール』を文庫化したものだと思われます。文庫化にあたって、どの程度の訂正や追加が行なわれたのかはわかりませんが、ベースは同じものなのだと思われます。

角川選書、角川ソフィア文庫の「ドゴール」は佐藤賢一さんの書き下ろしですが、昨年、作品社から刊行された『シャルル・ドゴール』は翻訳ものです。こちらは翻訳とはいえ、214頁という比較的薄めの作品で、価格も本体で2200円とお手頃なところです。

これらに比べますと、あたしの勤務先から刊行した『シャルル・ドゴール伝(上)』『シャルル・ドゴール伝(下)』はあまりにも大部すぎますね。なにせ、サイズが単行本の通常サイズである四六判ではなく、それよりもひとまわり大きなA5判です。

ページ数に至っては、上巻が520ページ、下巻が530ページもあります。建築資材のブロックやレンガのようなものです。文庫では飽き足らず、もっと詳しく、もっと深く知りたいという方が手に取る一冊、否、二冊なのでしょう。

この手の分厚い本、あたしの勤務先はこれまでにもたくさん刊行してきているんですよね。そして、それなりに売れているのです。やはりこれだけの価格と分量ですと、しっかりした内容の本だと思ってもらえるのでしょう。もちろん看板に偽りなしですが。