次は何年後になるのでしょう?

今日は8月9日、長崎の原爆の日です。8月6日の広島と共に、平和を祈念する日です。

ただ今年は、その8月9日が水曜日です。ということは、ハクスイの日になります。単なるダジャレですが、これが社内では意外と盛り上がりまして、Twitter(いまはXと呼ぶべきでしょうか?)で《ガイブン祭り》が行なわれました。否、現在も行なわれています。

そして、この企画が読者の支持を得まして、一部ではかなりの盛り上がりになっているようです。さすがに「バズる」と呼ぶのはおこがましいですが、弱小出版社のSNS企画としてはまずまずなのではないでしょうか?

そして、勤務先の正面には写真のような、オシャレなのかダサいのか、よくわからない掲示が出現しました。なんか文化祭とかで高校の教室の窓ガラスに貼ってあるものを懐かしく思いだしてしまいました。

ちなみに、ネットで調べてみますと、次のハクスイの日は2028年になるようです。

7月4日に生まれて

その昔、「7月4日に生まれて」という映画があったなあ、と見てもいないのに思い出しながら、今日はアメリカ合衆国の独立記念日ですね。

直接的に独立記念日を扱った本は、あたしの勤務先からは出ていないので、あえて本日紹介するとするなら『トマス・ジェファソン(上)』『トマス・ジェファソン(下)』でしょうか。

それって誰? と思った方も少なくないのではないでしょうか? 初代大統領のワシントンに比べると日本における知名度は格段に劣りますから。でも、トマス・ジェファソンは独立宣言を起草し、第3代大統領を務めた偉大な人物なのです。同書の内容紹介には

哲学者でありながら政治家、あまりにも「アメリカ的」な共和主義者──ジェファソンは、歴代大統領のなかで最も知性があるとされ、傑出した政治思想をはじめ、多くの分野に才能を発揮した。1801年に大統領選に勝利して就任を果たすと、共和制を発展させ、独立自営農民を理想化し、03年の仏領ルイジアナ購入、07年の(対英)輸入禁止法などを実行する。共和主義者として自由を守る、奴隷制反対論者だった(多数の奴隷の所有もしていた)。建築や考古学などに対して造詣も深く博識で、政界引退後の19年にはヴァージニア大学を創設。26年の独立記念日に83歳で他界する。「アメリカの崇高なる根本原理」を産んだ政治家として今こそ学ぶべき人物であり、偉大な生涯であった。

とあります。これだけでも興味深い人物だということがわかるのではないでしょうか?

そしてもう一冊、『トマス・ペイン』です。同じトマスですが、こちらは別に何代目かのアメリカ大統領というわけではありません。英国の人です。では、なんでアメリカ独立記念日に関係するのかと言いますと、こちらも内容紹介をご覧ください。

トマス・ペイン(一七三七~一八〇九)は、大ベストセラー冊子『コモン・センス』『人間の権利』の著作で有名で、二大民主革命(アメリカ独立革命とフランス革命)に大いに寄与した、英国出身の革命思想家だ。ペインの思想は明確で、独立派に勇気を与え、庶民にも受け入れられた。フランス革命期には渡仏して議員として活動、恐怖政治下で投獄もされた。ペインが訴えた社会改革は、君主制や奴隷制の廃止、格差の是正、義務教育、妊婦の保護など、現代に通じるものだった。

そうです。彼の思想がアメリカ独立に大いに関係しているのです。以上、アメリカ独立記念日を直接扱ったものではありませんが、なんとなく関わりのある書籍を二点、ご紹介しました。

暑かったですよ!

暑くなってきましたが、本日も昼前から外回りです。

東京の梅雨明けはまだですが、気温と湿度は真夏と言ってもよいくらいです。

ですので、外回りは、こんなことを言ってはいけないのですが、出来るだけ駅の近く、可能であれば駅ビル内の書店を中心に回りたいところです。梅雨の時季ですから、駅から距離のある書店はどうしても行くのが億劫になってしまいがちです。

で、本日なのですが、今回は駅からちょっとある書店へ出向きました。そこまでは駅からバスが出ているのでバスを利用しました。そして、そこまで来たのだからもう一軒、少し歩いたところにある書店にも向かってみました。

「歩いて」と書いたように、その二つの書店を結ぶようなバス便はありません。炎天下の住宅街っぽいところを15分くらい歩きました。そのくらいが限界ですね、この気温と湿度では。目的の書店についても、しばらくは汗が引くまで店内をぶらぶらしておりました。さすがに汗だく、顔から汗が滴り落ちるなんてところまではいきませんが、もう10分も外を歩いていたら熱中症になってもおかしくない天気でした。

とはいえ、昼間は雷雨の恐れなんて、朝の天気予報では言っていましたから、雨に降られなくてよかったと思っています。こんどはもう少し涼しくなったころに再訪したいものです。

少しずつよいところ、よくないところがわかってきました

ビジネスマンにとってカバンは大事なアイテムです。どんなカバンを使うかは、仕事の効率にも影響します。特に、あたしのような営業職では、書類の取り出しやすさ、カバンを持っていくつもの書店を渡り歩くという特性上、たぶん一般的なビジネスマンとはカバンに求めるものが異なると思います。

そんなカバン選び、これまでいくつものカバンを試してきましたが、これというものに出会うことはほとんどありませんでした。そして、この春に購入したのが右の画像のカバンです。「マルチビジネスリュック3.0」です。

リュックタイプです。それ以前は肩掛けやトートタイプを使っていました。ただ、勤務先でリモートワークが進み、ノートPCを持ち歩く可能性が出て来たので、肩掛けでは肩や腰にかかる負担が大きくなりそうなのでリュックタイプを探すようになったのです。

で、辿り着いたのがこのカバンなのですが、数ヶ月使ってみて、いろいろと物足りないところが見えてきました。全体的には満足度は高いのですが、やはり「もっとこうしてほしい」という個人的な不満があるので、それをつらつら書いてみたいと思います。

まず、背負ったときの外側、上の画像で言うと「31cm」と表記されている側ですが、ここに上下二つのポケットがあります。これはこれで便利なのですが、マチがなく、あまりモノが入りません。文庫本や新書を常に持ち歩いているのですが、収納したり取り出したりするのにちょっと不便です。今の時代、カバンに本を持ち歩いている人は少ないからなのかも知れませんが、もう少し本を入れるという使い方にも配慮が欲しいです。

このポケットについてのさらなる不満は、二つのポケットの上部にもう一つ、ポケットが欲しいと思います。リュックタイプですと上部に(メガネやスマホなどを収納するような)ミニポケットが備わっているものがあります。このリュックにはそれがないので、だったら外側のポケットの上部にもう一つポケットを作ってくれてもよいのになあ、と思います。

次にベルトにタイする不満です。リュックタイプのカバンのベルトには、モノを引っかけることができるようなフックみたいなものが付いているものがあります。小さめのポーチをぶる下げたりすることができるので便利なのですが、このリュックにはそれがありません。付いていたら便利なのに、と思います。

そして最後に、朝から雨の場合、折り傘ではなく長傘を持っていくことがあります。電車の中なので、それを引っかける、あるいは留めておけるような工夫がリュックのサイトにあると電車の中でも手が塞がらないので便利だと思うので、そんなひと工夫が欲しいですね。

またしても独裁者の伝記?

先年、あたしの勤務先から『スターリン』という本を刊行しました。税込で5000円を超える分厚い本だったのですが、お陰様で好評をもって迎えられ、何度か版を重ねることができました。

そして、その副題が「独裁者の新たなる伝記」です。これだけの本ではありますが、非常にあっさりとした、わかりやすいといえばわかりやすい副題です。

そんな記憶もまだ鮮明な記憶として残っていますが、最近、書店の店頭でこんな本を見かけました。『アードルフ・ヒトラー』と言います。法政大学出版局の新刊です。

ヒトラーの伝記はたくさん出ています。それこそ数え上げたらきりがないというのはこのことでしょう。そこへまた一冊、追加されるわけですから、何か新味がないと埋もれてしまうでしょう。

そして、この本の副題が「ある独裁者の伝記」なのです。なんとなく見覚えがないでしょうか。上掲『スターリン』と副題が一緒ではないですが、何か通じるものを感じます。スターリンもそうですが、これだけたくさん類書が出ていると、むしろ副題は奇を衒うよりもシンプルな方がよいのかもしれませんね。

短編集か、短篇集か

昨日のダイアリーで、あたしは完全に間違ったことを書いてしまいました。改めて引用します。

Uブックスの『悲しき酒場の唄』がまるまる復活したわけではないのです、表題作『悲しき酒場の唄』は復活なのですが、それ以外の収録作品は、ちくま文庫の短編集には収録されないのです。

この部分が間違っていました。今回のちくま文庫は、かつてのUブックスの内容がまるまる収録され、それにプラスして新に邦訳された短編も収録されているのです。ですから、「騎手」、「家庭の事情」、「木、石、雲」の三篇は、もちろんちくま文庫版にも収録されております。たいへん失礼いたしました。

ところで、あたしも表記がバラバラだったりするのですが、今回のちくま文庫は『マッカラーズ短篇集』なんであって、『マッカラーズ短編集』ではないんですよね。「短編」と「短篇」って何が違うのと問われると、正確には答えられないのですが、あたしは「短篇小説」「長篇小説」という表記の方が好きですし、特に固有名詞でなければ、こちらの表記を使います。

若干の訂正

昨日のダイアリーで、Uブックスの『悲しき酒場の唄』がちくま文庫から復活すると書きましたが、この書き方ですと正確ではないので、改めてここで訂正したいと思います。ここではちくま文庫『マッカラーズ短篇集』の編訳者解説を引用いたします。

本書はカーソン・マッカラーズ『悲しき酒場の唄』(西田実訳、白水Uブックス)を元にした短編集である。西田訳には表題作と「騎手」、「家庭の事情」、「木、石、雲」の三つの短編が収録されていたが、文庫化に際して、底本の作品集に掲載された残り三つの短編「天才少女」、「マダム・ジレンスキーとフィンランド国王」、「渡り者」と、底本には未収録の初期の短編「そういうことなら」を、編訳者であるハーンが訳出した。

とありますように、Uブックスの『悲しき酒場の唄』がまるまる復活したわけではないのです、表題作『悲しき酒場の唄』は復活なのですが、それ以外の収録作品は、ちくま文庫の短編集には収録されないのです。

やはり、期待されていた方をがっかりさせてはいけませんので、あえて補足、訂正、修正いたしました。逆にUブックス版を架蔵されていた方にとっては、底本から未訳出の作品も読めるようになったので、これはこれで嬉しいことではないでしょうか。

 

重版や復刊ではないですが、生き返りました!

かつてUブックスに『悲しき酒場の唄』という一冊がありました。著者はカーソン・マッカラーズです。現在は品切れで、在庫が切れてずいぶん長い時間がたっていますので、店頭でも見かけることはまずない一冊です。

ただ探している方は意外と多いようで、時々「在庫は残っていませんか?」という問い合わせの電話を受けることがありました。さすがに、ここ数年はもう版元在庫も残っていないと理解されたのか、そういう問い合わせもめっきり少なくなり、いや、ほとんどなくなりましたけど。

そんなマッカラーズの『悲しき酒場の唄』を含む短篇集が筑摩書房から刊行されました。『マッカラーズ短篇集』です。ちくま文庫なので、手に取りやすいのではないでしょうか。こういう復活は嬉しいですね。

この『マッカラーズ短篇集』に収録されている『悲しき酒場馬の唄』は、Uブックス版に多少の修正を加えて再録したものです。Uブックスの同書を探していらした方は、このちくま文庫を買い求めていただいければと思います。

重なりがち?

あたしの勤務先の『インド外交の流儀』がお陰様で好調です。ウクライナ侵攻をめぐるロシアと西側の角逐において、インドの立ち位置が注目されていることもその一因だと思います。

そして同書の訳者、笠井亮平さんの著書『第三の大国 インドの思考』が文春新書から発売されました。新書なので、手軽に手に取ってもらえそうですね。副題は「激突する「一帯一路」と「インド太平洋」」なので、昨今の国際情勢におけるインドの立場がメインの書籍のようですね。

そんな思いを抱きながら新書のコーナーを眺めていたら、こんな本が目に留まりました。中公新書ラクレの『インドの正体』です。こちらのサブタイトルは「「未来の大国」の虚と実」です。まだまだインドってどんな国なのかつかみづらい、と思っている方への一冊なのでしょうか。

いずれにせよ、新書の新刊でインドに関する本が二冊も出ているなんて、インドに対する注目度の高まりが感じられます。ただ、新書というのは時勢とは無関係の学術的なものも数多く出ていますが、どちらかと言えば、いま世間で関心を持たれているものがスピーディーに刊行されるイメージです。

ということなのでしょうか、『ポストイクメンの男性育児』と『「イクメン」を疑え!』という二冊が並んでいるのも目に留まりました。キーワードは「イクメン」ですね。

「イクメン」という言葉は、既に定着していると思いますので、単にイクメンの本であるならば「いまさら」感が出てしまったと思います。ただ、この両書はそこから一歩進めて、「疑え」とか「ポストイクメン」といった、次のステップへ進んでいるような著作のようです。あたしのように、結婚すら無理そうな人間には育児など夢のまた夢ではありますが、ちょっと気になります。

鉄のカーテン

営業回りの途次、こんな本を見かけました。

鉄のカーテンをこじあけろ NATO拡大に奔走した米・ポーランドのスパイたち』です。

なんとなく見覚え、聞き覚えのあるタイトルだなあと思ったのですが、それはこちらです。

あたしの勤務先から刊行されている『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』でした。同じ「鉄のカーテン」でも、内容はかなり異なるようです。

『鉄のカーテンをこじあけろ』は、内容紹介によりますと

1988年、ポーランドのスパイは米国との連携を模索し始め、期せずして同じころCIAもポーランド諜報部のドアをたたいた。機密解除文書、政治家、スパイへのインタビューを元にありえない同盟締結、NATO拡大の過程を詳細に描き出す。

といったもの。東側が総崩れとなり、ベルリンの壁も崩壊するころを扱ったもののようです。それに対して『鉄のカーテン(上・下)』は

第二次世界大戦の終結から、スターリンの死、ハンガリー革命に至るまでの時代に、ソ連がいかに東欧諸国(主に東独、ポーランド、ハンガリー)を勢力下に収め、支配していったのか、そして各国がいかに受容し、忌避し、抵抗していったのか、その実態をテーマ毎に論じた力作だ。

となっていますので、鉄のカーテンが作られたころの話になっています。読み比べるというよりは米独してみるのがよい作品なのではないでしょうか?