ベストセラー第三位!

昨日に続いて朝日新聞に、あたしの勤務先の刊行物が載っていました。昨日同様、書評欄・読書欄ではなく、本日はGLOBEです。

このGLOBEには、ほぼ毎回、世界の国々のベストセラーが紹介されていますが、本日はフランスのベストセラーが掲載されていました。その第三位が『クレムリンの魔術師』でした。

本書は昨年の12月に刊行されたものですが、そのちょっと前に他社から『クレムリンの殺人者』という本が刊行されていて、ジャンルは異なりますが、似たようなタイトルなので「二番煎じ」と思われないか心配になりながら書店を回っていたのを覚えています。

『殺人者』の方はノンフィクションのようですが、『魔術師』はあくまで小説ですので、どうぞお間違えのないようにお願いします。とはいえ、こういった本が日本で刊行されるのも、ロシアによるウクライナ侵攻があったからなのでしょうね。哀しい現実です。

クレムリンつながりで言いますと、あたしの勤務先からは『クレムリン(上)』『クレムリン(下)』という本も出しています。こちらは「紅い城塞の歴史」という副題が示すとおり、ロシア帝国からプーチンまで、ロシア政治の中心であったクレムリンを描いた歴史書になります。

「エリカ」を推せば間違いなし?

本日、1月7日は亡き祖父の命日です。父方の祖父になります。1月に祖父が亡くなり、6月にあたしが生まれたので、あたしは記憶はおろか面識すらない人です。

さて、本日の朝日新聞ですが、読書欄にはあたしの勤務先の刊行物は紹介されていませんが、オピニオン欄で『権威主義』が紹介されていました。世界情勢がしからしめるのか、この本もいろいろなところで紹介されてきましたね。ロングセラーになっています。

著者はエリカ・フランツ。同じくエリカではありますが、エリカ・チェノウェス著、新刊の『市民的抵抗』が絶好調です。

こちらは配本が年末ギリギリであったので、年内に店頭に並ばなかった書店も多かったようですが、ネットでは昨年から話題になっていて、年末に入荷していた都内の書店からは追加注文の電話やファクスが殺到しています。

ヒットする書籍の著者がいずれもエリカというのは偶然なのでしょうか。あるいはエリカという人の本を出せば間違いなく売れるのでしょうか? だったら非常に嬉しいですね。

とはいえ、エリカと言えば、乃木坂46のえりか様、生田絵梨花、あっ、卒業したので元乃木坂46ですね、その生田絵梨花の写真集は大ヒットしましたよね。一番売れたのは『インターミッション』でしたっけ? とにかく「えりか」であれば売れるのであれば、エリカの著作を探してみますかね?

歴史修正主義

少し前に中公新書の『歴史修正主義』を読みました。その著者、武井彩佳さんが今朝の朝日新聞に登場していました。

武井さんと言えば、あたしの勤務先の著者でもあります。これまでにも『ユダヤ人財産は誰のものか』『戦後ドイツのユダヤ人』といった著作や『ホロコースト・スタディーズ』といった訳書を刊行しています。

あたしには難しいことはわかりませんが、以前だったら誰も信じないようなこと、そんな声が大きく広がるようなことはなかっであろうに、ネット社会の現在だといとも簡単に嘘やデマが、さも真実であるかのように広まってしまうのは怖いことですね。

著者に会いたい

このところ朝日新聞の読書欄で、あたしの勤務先の書籍が取り上げられることがなくて、少し寂しい思いをしていましたが、今朝の紙面ではこんな記事が載っていました。

『日本新劇全史』第三巻が刊行されたばかりの大笹吉雄のインタビューです。記事の端っこに書かれている価格を見て驚かれた方もいらっしゃると思いますが、誤植ではありません。本体価格で言いますと、第一巻と第二巻がどちらも30000円、そしてこの第三巻が38000円なのです。

函入りの立派な本です。ですから書店店頭で見かける機会は少ないかもしれませんが、見かけたときには是非じっくりご覧いただければと思います。

そして、朝日新聞の読書欄と言えば、実はこのところ人文会会員社の書籍の紹介もやや少なくなっているような気がします。こちらも非常に残念、否、由々しきことだと思っています。

本日も、いわゆる書評欄には人文会会員社の書籍は取り上げられていませんでしたが、ページをめくったところに、ご覧のように創元社と晶文社の書籍が取り上げられていました。ちょっとホッとしております。

そんな土曜日ですが、このダイアリーでも何回か、そして何年もご紹介している近所の銀杏の木。四本あるうちの二本が先に黄葉し、あとの二本が遅れて黄葉するのは例年どおりですが、今朝はこんな様子です。

もう緑と言うよりは、すっかり黄色、まさに黄葉です。落葉もしていますので、黄金色の絨毯が敷き詰められているようで、とてもきれいです。空も雲一つなく澄み渡っています。これくらい日差しがあると、昼間は寒くなく、心地よく過ごせますね。

ところで黄葉で思い出したのですが、わが家の近所、欅が多くて、いまは落葉の真っ盛りなのですが、欅は茶色くなるだけで、紅葉としてはあまりきれいではありません。そして近所にはもみじや楓が見当たらず、きれいな紅葉を見ることができないのです。

ナナカマドの真っ赤も憧れますね。近場で見られるところはないものでしょうか? 小金井公園へ行けばよいのでしょうか?

本日も朝日新聞の片隅に

今朝の朝日新聞です。終戦記念日ということで、それっぽい記事が載っています。

今年は特に、ロシアのウクライナ侵攻が現在進行形ですので、より戦争というものを切実に考える記事が新聞だけ出なくテレビ番組でも目立つような気がします。

右の写真もそんな記事の一つですが、この記事の中に文庫クセジュの一冊、『ケアの倫理』が引かれていました。この本自体は、エミリー・ブロンテを特に取り上げた本ではなかったはずですが、筆者の小川公代さんがうまく関連付けて書いてくれました。

ところで、この『ケアの倫理』だけでなく、文庫クセジュでは、ケアとか心を扱ったものが、この数年数多く刊行されていまして、それらが思いのほかよく売れているのです。時代に合っているということでしょうか?

そんな動きを取り入れ、この秋の企画として右のようなフェアを準備しています。「ととのえる」というのも最近の流行後の一つですよね。いろいろと流行に乗ってみました(笑)。

今回の朝日新聞の記事は戦争とケアということがメインのようですが、これらの文庫クセジュがよく売れている背景には東日本大震災があります。10年が過ぎ、ようやく立ち直りかけていたところへ、ウクライナ侵攻という悲劇がまた起こったわけで、まだまだこういった書籍への需要は衰えないのではないでしょうか。

紙面で紹介?

本日の朝日新聞紙面です。

浅井晶子さんが本を紹介しているのですが、その浅井さんの紹介欄に、あたしの勤務先の刊行物が載っていました。

それが『行く、行った、行ってしまった』です。同書は、ドイツに大量に押し寄せた移民、難民とかかわることで少しずつ気持ちが変化していくドイツの大学教員の物語です。

日本でもコロナ前には移民に関する議論が盛り上がっていましたが、ヨーロッパではもっと切実な、身近な問題として移民問題が存在することがわかります。そして、移民や難民を大量に受けているドイツという国は非常に寛大な国だと思いがちですが、やはりドイツ国民の間にも感情の濃淡があることがわかります。

移民を受け入れよう、難民に手を差し伸べようというのも決して綺麗事では済まされないのだと言うことがよくわかる作品でした。

若干の関連がある記事です

今朝の朝日新聞読書欄で『カタルーニャ語小さなことば僕の人生』の田澤耕さんが紹介されていました。

カタルーニャ語ってどこで話されている言葉かわかりますか? 一昔前だと「わからない」という答えも多かったと思いますが、ここ数年、田澤さんが精力的にカタルーニャ語の本を刊行されているので、日本人にもかなり浸透しているのではないでしょうか?

ところで、この田澤さんは、あたしの勤務先からもカタルーニャ語の本を出していただいております。『ニューエクスプレスプラス カタルーニャ語』『詳しく学ぶカタルーニャ語文法』です。

語学が柱の出版社なので、カタルーニャの文化とか歴史、暮らしなどに関する本ではなく、純粋に語学の本ばかりですが、異国を知るにはまずは言葉だと思います。わが社はこれでよいのだと思いますし、こういった本の刊行も大事なことだと思っています。

さて、同じ朝日新聞で、今年秋に行なわれるサッカーW杯に関する記事がありました。10番という背番号にスポットが当たっています。

これで思い出すのが『背番号10 サッカーに魔法をかけた名選手たち』です。

王様か神様か? 悪童か怪物か? 伝説の名手から21世紀の新星まで、「背番号10」を背負ってピッチを支配する55人の偉大な選手たちの素顔と、彼らが魅せる「魔術」の秘密に迫る!

内容紹介は上記のとおりです。往年の名選手から現役の選手まで、55名もの選手が登場する一冊です。あたしはサッカーに疎いのですが、サッカー好きであれば、よーく知っている選手もいれば、あまりよく知らない選手も出て来ると思いますので、十二分に楽しめるのではないでしょうか。

ただ、その一方で、10番を付けていない(いなかった)名選手というのもいますよね? サッカーにおいて10番というのがそれほど重い番号であるならば、「背番号10を背負わなかった名選手たち」といった本があってもよいのではないでしょうか?

朝日の読書欄から三点ほど……

一日遅れになりますが、昨日の朝日新聞読書欄で、最近あたしが読んだ本が二点も紹介されていましたので……

まずは中公新書の『新疆ウイグル自治区』です。ウイグルを巡る記事、ウクライナの影に隠れて最近は少ないようですが、華なりひどい状況のようです。ジェノサイドという言葉でまとめてしまってよいのか、という著者の指摘は重要でしょう。

本書はタイトルどおり、中国の新疆ウイグル自治区を扱ったものではありますが、中国国内ではモンゴル族やチベット族に対する弾圧も厳しいものがあります。さらには同じ漢民族でも共産党に逆らえば弾圧されるということは香港の現状を見ていれば簡単に理解できることでしょう。習近平政権はいったいどこへ向かうのでしょうか?

ただ、中国問題は、それでも日本でも海外でも報道されやすい、比較的多く捧持されていると思いますが、ミャンマー情勢はこのところ全く報道されませんね。国内の弾圧は国際情勢に大きな影響を及ぼさない限り、それほど省みられないのは悲しいことです。

話は変わってもう一点はちくま新書の『ルネサンス 情報革命の時代』です。新しい視点でルネサンス時代を捉えた、とても読みやすい一冊でした。

ちなみに著者の桑木野幸司さんは、あたしの勤務先から『ルネサンス庭園の精神史』という一冊を刊行されています。これはサントリー学芸賞を受賞した作品です。

そして最後に、これは未読なのですが、あたしの勤務先の新刊が一冊、紹介されていました。『レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智』です。

レーモン・クノーと言えば、『地下鉄のザジ』など、日本でも数多くの作品が翻訳されているフランスの人気作家です。クノーの作品を「与太者」という視点から取られた評論です。クノー作品のファンであれば必読ですし、まだクノーを読んだことがない方にも、クノー作品の魅力を教えてくれる格好の一冊になっています。

受賞が続きますね

今朝の朝日新聞です。岡田利規さんのインタビュー記事が載っていました。

文中にある『三月の5日間』『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』はあたしの勤務先から刊行されています。ご興味のある方は是非どうぞ。

今回、三島由紀夫賞を受賞した『ブロッコリー・レボリューション』は単行本未刊なのですね。

今朝の朝日新聞より

予告どおり、朝日新聞読書欄で『一九三九年 誰も望まなかった戦争』が紹介されました。

揚げ足を取るつもりはありませんが、望んで始める戦争ってあるのですかね? 為政者にとっては自分の野望を実現するために戦争を起こす、ということはあるのでしょうけど、庶民から見たら、そんな人はいないのではないでしょうか?

でも、政府のプロパガンダに乗せられて「生意気なあの国を懲らしめろ」と国民が激昂するのは、日本でも数十年前にありましたから、やはり望んで始める戦争ってあるのかもしれません。

ロシアのウクライナ侵略に関して言えば、被害者を強調していますが、やはりプーチンが望んだ戦争なんでしょうね。そう感じます。

さて、今朝の朝日新聞にはもう一つご紹介したい、ご紹介しなければならないところがありまして、それが左の写真です。

斎藤幸平さんが登場していますね。そして、この記事の中にセルジュ・ラトゥーシュの名前が出て来ます。

ラトゥーシュと言えば、文庫クセジュの『脱成長』です。お陰様で、ベストセラーかつロングセラーになっている一冊です。斎藤幸平さんも刊行直後にご自身のTwitterで触れてくれました。

「脱成長」も昨年来、現代社会を分析する際のキーワードですね。本書の後にも脱成長をテーマとした書籍がたくさん刊行されていますから。こうして記事になっているところを見ると、一過性ではなく、いまも必須の話題、テーマなんですね。