このダイアリーでも、最近は歳をとったこととか、定年後はどうするのか、老後はどんな風な生活を送るのか、そんなことを書くことが多くなりました。やはりどうしても老い先を見つめざるを得ない歳になっているのでしょう。
そんな話題は、このダイアリーだけでなく、母ともよくそんな話をしています。普通に考えれば、母があたしよりも先に亡くなることは当たり前ですが、こういう話題になると、意外にも母はあたしより長生きするつもりなのか、「お前の本をどうするんだ」と言います。必ずというほどその話題になります。
母に言わせれば、外に仕事に出ているあたしが事故に遭って死亡する確率がかなり高く感じられているようです。まあ、自分が事故を起こすよりも、事故をもらってしまう可能性もありますから、何とも言えませんが。
そうなると、本の処分が母にとっては一大事になるみたいです。そうだね、そうしようかね、などとよく話していて、つい数日前にもそんな話をしたばかりなのです。そんな親子の会話をどこかで聞かれたのか、こんなハガキが届きました。
書籍の処分が必要ならご一報ください、というわけですね。神保町にある湘南堂という古書肆からのハガキです。どういうジャンルが得意な古書肆か知りませんが、ご丁寧にも「東洋史・中国史関係全般」と書いてあります。更には「中文・日文古くても傷んでいても、かまいません」とあって、中国発行の書籍も買い入れてくれるみたいです。
うーん、まるっきりわが家の状態を見透かしたようなハガキです。個人的には、近所に中国史や中国古典を勉強しようと思っている高校生はいないかなあ、と願っていて、そういう若者がいたら、是非この蔵書を差し上げたいと思っているのです。いや入りたての大学生でも構いませんけど。
それにしても、このハガキの届いたタイミングが絶妙すぎて、ちょっと怖くなってきます。