ゴダール、ジャン=リュック
四方田犬彦 著
「わたしはいつも、独りで書いてきた。独りでゴダールを観てきたのだ」。半世紀近くにわたるゴダールとの歩みをまとめた「喪の作業」。
2024年10月に送信した注文書をご案内いたします。
今月も最初は「今月のおすすめ本」です。続いては、クレア・キーガンの新刊が早川書房から刊行されるので『青い野を歩く』のご案内です。そして、朝日新聞で紹介されて以来、注文が伸びている『台湾鉄道』はこれからの時季、クリスマスプレゼントにもピッタリです。そして毎年この時季の大イベント、ノーベル文学賞は韓国のハン・ガンさんが受賞しましたので『別れを告げない』と『回復する人間』をご案内しました。
10月も後半に入って、まずは「今月のおすすめ本[語学書篇]」です。そして、刊行前から予約が殺到していた『まいにちふれるタイ語手帳』が重版になりました。また、ノーベル平和賞に関連して『核兵器禁止条約』のご案内、そして、これもこの時季の定番、『クリスマスの文化史』のご案内です。
エドゥアール・ジュールダン 著/伊多波宗周 訳
「所有とは何か。それは盗みである!」「神、それは悪である」。ピエール=ジョゼフ・プルードンといえば、これらの挑発的な警句がよく知られている。彼の分析は、ときに難解で論理が見えにくくなることもあったが、労働者運動をはじめ、さまざまな社会運動・社会構想に多大な影響を与えてきた。マルクスから最初の「科学的」社会主義者と称され、また自らを「アナーキスト」と称する、革新的な思想家であったプルードン。本書は、彼の主著のみならず、多作だったそのテクストをふんだんに盛り込み、しかも、社会思想家としての側面だけでなく、哲学者としての側面にも踏み込んで、思想の全体像を明らかにする。今世紀を代表するプルードン研究者であり、フランスにおけるアナーキズムの代表的理論家である著者エドゥアール・ジュールダンによる、待望の一冊。
ロバート・C・アレン 著/長谷川貴彦 訳
本書は、狭義の経済史的アプローチだけではなく、グローバル・ヒストリー、環境史、科学史、社会史・文化史など多様なアプローチを通じて、産業革命の歴史を概観している。
総じて、本書では、「産業革命はなかった」とされてきた修正主義的な見解に対して、新たな観点からの産業革命の意義を擁護している。
韓国の作家ハン・ガンがノーベル文学賞を受賞して以降、ハン・ガン以外の作家、そして韓国文学にも注目が集まっているようです。まあ、書店に行っても肝心のハン・ガン作品が売り切れで並んでいないので、それ以外の韓国文学を並べるしかないという事情もあるかもしれません。
ハン・ガン作品は、月末までには書店に並び始めると思いますが、あたしの勤務先の事情で言えば、注文があまりにも多くて、すべての注文には応えられず、一冊も入ってこないという書店も多数出て来ると思います。申し訳ありません。
さて、そんな韓国文学ですが、『フィフティ・ピープル』が新しくなって再登場しました。もともとは2018年に刊行された作品で、あたしも読みましたがとても面白くて読みやすい作品でした。それがこのたび「新版」として再び発売されたのです。
手に取るまでよくわかっていなかったのですが、これは訳者が旧訳に手を入れて新しく出し直したのではないのですね。原書が新しくなって韓国で発売されたので、それを底本にして新たに日本語訳も出したものだそうです。訳者のあとがきによれば、原書では八割以上のページに何かしらの手が入っているそうで、表現にもかなりの変更が加えられているそうです。
そうなると、読後感は変わってくるのでしょうか。たぶんあたしなら、いますぐに新版を読んだとしても、旧版の読後感を鮮明に覚えているわけではないので、違いに気付かないと思いますが(汗)。
本日は店頭で展開するときに、一緒に並べてほしい商品をいくつかご紹介いたします。まずはこちら。
中公新書から『女たちの平安後期』という新刊が刊行されました。少し前には同じ中公新書から『謎の平安前期』が刊行されていましたので、やや焦点は異なるようですが、平安時代の前期と後期が揃ったことになりますね。これは同じ中公新書ですから、書店でもそれほど遠くない場所に並ぶことでしょう。
併売と言えば、法政大学出版局から『ロベスピエール 創られた怪物』が8月に刊行されました。この隣には、あたしの勤務先から2017年に刊行された『ロベスピエール』を是非とも並べてほしいものです。
そしてもう一つ、明石書店から6月に『黒人法典』、9月に『アメリカ奴隷主国家の興亡』という本が相継いで刊行されました。この二冊は同じ明石書店の刊行物ですから近いところに並んでいると思いますが、その近くには新書サイズの小さい本ですが、文庫クセジュの『奴隷制廃止の世紀1793-1888』を並べていただけると嬉しいです。
最後に、これは海外文学です。
『青い野を歩く』のクレア・キーガンの新刊『ほんのささやかなこと』が早川書房から刊行されました。『青い野を歩く』は《エクス・リブリス》の棚に並んでいるかも知れませんが、そこからちょっと持って来て、早川の新刊と並べてみてくださいませ。