疾走中国
変わりゆく都市と農村
ピーター・ヘスラー 著/栗原泉 訳
21世紀初頭、北京郊外の農村と南部の工業都市を舞台に、変化の荒波に翻弄されつつたくましく生きる人びとの日常を描いた傑作ルポ。
ピーター・ベイカー、スーザン・グラッサー 著/伊藤真 訳
本書は、歴代大統領を取材し続けてきたホワイトハウス主任記者が、300に及ぶ独占インタビューのほかプライベートな日記やメモ、メールなどの一次資料に基づいて、混乱に満ちた始まりから暴力的な結末に至るまでのトランプ政権のすべてを網羅し、その内情を詳細に描き出した決定版である。
このところめっきり寒くなってきました。昼間はまだしも、朝はずいぶんと冷え込んでいます。いや、このところ昼間も寒い日が多くなってきましたね。
そんなわけで、わが家でも朝はストーブを使うようになりました。まだ早いかと思いつつも、やはり寒さには勝てません。それにあたしは早起きなので3時半くらいには起きているのですが、気温はそこから下がっていくのですよね。あたしが家を出る6時ごろがたぶん最低気温を記録する時間帯だと思います。
それはさておき、新潮選書から『ロベスピエール』という本が発売されました。著者は高山裕二さん、あたしの勤務先でも著訳書を何冊も出されている方です。
そして、あたしの勤務先からも同名の『ロベスピエール』という本を出しています。新潮選書の方は
フランス革命で政敵を次々と粛清、最後は自らも断頭台で葬られたロベスピエール。「私は人民の一員である」と言い続けた元祖〈ポピュリスト〉は、なぜ冷酷な暴君に堕したのか。誰よりも民主主義を信じ、それを実現しようとした政治家の矛盾に満ちた姿から、現代の代議制民主主義が抱える問題の核心を鋭く問う画期的評伝。
恐怖政治によって革命を破滅に追い込んだ独裁者でもなく、共和政の美徳を謳いあげた「清廉の士」でもなく。等身大のロベスピエールへ。
という内容です。どちらも「彼は巷間語られているような、狡猾な独裁者ではないぞ」というスタンスの本のようです。現在のロベスピエール研究ではそういう評価なのでしょう。興味深いものです。
書店では、新潮選書は新書・選書コーナーに置かれていると思いますので、あたしの勤務先の『ロベスピエール』と併売するのは難しいかも知れませんが、世界史のフランス史の棚で併売していただけたらとても嬉しいです。
そしてもう一点、地平社から4月に『世界史の中の戦後思想』という本が出ていたことを知りました。
自由民主主義と資本主義のシステムが揺らぐなか、私たちはどのような思想に依拠できるのか。世界システムの歴史的展開をたどり、その文脈から日本の「戦後思想」を再考する。
という内容の本なのですが、似たようなタイトルの本が、あたしの勤務先から出ていました。それが『「戦後」の思想』です。こちらは
ヨーロッパを揺るがしたナポレオン戦争、普仏戦争、第一次・第二次世界大戦、そして現在、カントからハーバーマス、デリダにいたる思想家は戦後、いかに戦争について思考していったのか。
という内容です。
マリーズ・コンデ 著/くぼたのぞみ 訳
ニュー・アカデミー文学賞を受賞した、世界に誇るフランコフォン作家マリーズ・コンデの少女時代のメモワール。今年4月に他界した作家への追悼出版。
新刊『ぶち壊し屋』の見本が届きました。アメリカのトランプが大統領だった時期を描いたノンフィクションです。22に配本予定ですが、これは下巻になります。
一か月ほど前に上巻を出した時点では大接戦とはいえ、ハリスの方がやや優勢で、多くの人が「もしトラ」は起こらないだろうと思っていたことでしょう、あたしもそうです。なので上巻も、アメリカ大統領選関連書籍のコーナーを作っている書店店頭で並べていただいていましたが、そこまでの注目ではなかったと思います。
ところが、この下巻の刊行を前に大どんでん返しでトランプが次期大統領に決まりました。本書も俄然注目が集まり始めました。いろいろな媒体での紹介も増えてきそうです。まさに絶好のタイミングでの刊行となりました。
ところで、新刊の見本が続くので、置く場所を節約したいと思い、高々と積み上げてみました。社内では「トランプタワー」と呼ばれています。まあ取次に見本出ししたり、関係各所に贈呈したりしますので、このタワーも二階建て程度の家屋に成り果てるのも時間の問題でしょう。