間違えたら大変?

あくまで架空のタイトルですが、「初級フランス語」と「入門フランス語」といった、うろ覚えだと勘違いしやすい本の名前、あるいは「フランス語会話」と「フランス会話」のような引っかけ問題(?)と言えそうな書名、こういう注文は出版社の側でも迷います。

電話ですと復唱して確認することもできますが、書店からファクスで注文が来ている場合、著者名とかISBNコードとか、タイトル以外に手掛かりとなるものがないと、「果たしてこのタイトルは?」となってしまいます。

語学書の場合、それほどの金額差もないことが多いので、注文主も「確か2000円ちょっとくらいだったはず……」といった曖昧な記憶しかなく、手掛かりがまるで得られないことも多々あります。まして読者の方々はISBNコードなんて知らない人の方が多いですし。

と思っていたら、吉川弘文館の人文叢書で『鶴屋南北』という新刊が刊行になりました。

「人物叢書」ですから鶴屋南北の評伝でしょう。そして著者は古井戸秀夫さん。

そうなると思い出されるのは『評伝 鶴屋南北』です。著者も同じで、タイトルどおり鶴屋南北の評伝です。いくつかの賞を受賞し、「鶴屋南北の評伝」といったらこれを思い出す書店の方も多いでしょうし、検索すればまずはこちらがヒットするのではないかと思います。

しかし、この両者、価格がまるで異なります。『鶴屋南北』は本体価格2,200円、280ページのハンディーなものです。一方の『評伝鶴屋南北』は函入りの2冊本で分売不可、本体価格は25,000円です。まさに「丸の数が一つ違う」です。

お客さんが書店に来て、「鶴屋南北の評伝を探しているのだけど……」と言われた店員さんが、端末を検索して、価格の丸の数をよく確認せず(こういうのは見落としがちです)に『評伝鶴屋南北』の方を発注してしまったらどうなるのでしょう? お客さんが欲しかったのがそれだったらよいのですが、もし「人物叢書」版だったら、一週間くらいたって本が入荷してきた時に面食らってしまうのではないでしょうか?

もちろん受注した出版社側ではそんな事情はわかりませんから、書名に間違いや疑わしいところがなければそのまま出荷してしまいます。悩ましいところです。

新型肺炎でまた一人

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#10万円チャレンジ

新型コロナウイルスで冷え込む景気、崩壊する庶民生活をなんとかしようと、政府が国民一人当たり10万円を配布するという方針。

いったいいつになったら手に入るのか、どういうかたちで受け取るのか、まるっきり決まっていませんが、既に算盤を弾いている方も多いでしょう。10万円を何に使うか、考えるだけでもワクワクします。宝くじを買うときと同じ気分と言ったら語弊があるでしょうか?

さて、その10万円、全部を書籍につぎ込む人はいないと思いますが、どうせ暇つぶしのネタなのだから、10万円でどれだけの本が買えるのか試してみるのも面白いと思います。逆に出版社としては、「10万円でおすすめするのはこの商品です」というノリがあってもよいのではないでしょうか? というわけで……

     

    

     

    

過去の克服 ヒトラー後のドイツ
ベルリン陥落1945
ベルリン終戦日記 ある女性の記録
ベルリン・オリンピック1936 ナチの競技
モスクワ攻防1941 戦時下の都市と住民
ナチが愛した二重スパイ
ヒトラーの最期 ソ連軍女性通訳の回想
ナチ戦争犯罪人を追え
戦時下のベルリン 空襲と窮乏の生活1939-45
軍服を着た救済者たち ドイツ国防軍とユダヤ人救出工作
ヒトラーの元帥 マンシュタイン(上)
ヒトラーの元帥 マンシュタイン(下)
独裁者は30日で生まれた ヒトラー政権誕生の真相
ヒトラー(上)1889-1936 傲慢
ヒトラー(下)1936-1945 天罰
ヒトラーの絞首人ハイドリヒ
総統は開戦理由を必要としている タンネンベルク作戦の謀略
ヒトラーの裁判官フライスラー
ナチ強制収容所における拘禁制度
ナチズムに囚われた子どもたち(上)人種主義が踏みにじった欧州と家族
ナチズムに囚われた子どもたち(下)人種主義が踏みにじった欧州と家族
ヒトラーとドラッグ 第三帝国における薬物依存
「戦場のピアニスト」を救ったドイツ国防軍将校 ヴィルム・ホーゼンフェルトの生涯

以上、23冊、本体価格でちょうど10万円です。「ヒトラーと第三帝国」というテーマで選書してみました。

自分だったら、うちの出版社だったら、自分の店だったらこんな10万円セット、というのを考えてみるだけでも楽しめるものです。

いや別に10万円でなくてもよいですね。10万円のうち1万でも2万でも書籍に回してくれたら嬉しいです。

やはり中止ですね

勤務先から自宅に帰るとポストにこんなものが入っていました。

京都で行なわれる古書市の冊子です。わざわざ京都から時々送られてくるのです。どうしてなのでしょう?

しかし、この状況下で古書市ですか? 非常事態宣言で、書店は営業可でしたが、古書店は自粛要請対象だったはずです。ましてや日時は5月の1日から5日までと、まともに非常事態宣言の期間中です。

うーん、建物内ではなく屋外の会場のみで開催するのかしら? だったら三密も多少は緩和されるから大丈夫なのでしょうか? いや、そんなことはないでしょう。古書市となったら芋の子を洗うような人出になりますし、古書を並べた棚の前は押すな押すなの混雑になるはずです。

と思いながら冊子のページをめくったら、このような紙が挟まっていました。

あっ、やはり中止なんですね。そりゃそうでしょ。強行開催してクラスターが発生したら、どれだけ非難されることになるかわかりゃしません。

それでも冊子を送ってきたというのは、通信販売は行ないますので是非そちらをご利用ください、ということなのでしょう。それにもう冊子も出来上がってきているわけですから、廃棄するのももったいないですし。

それにしても古書業もネット販売がずいぶんと発達しましたね。いながらにして欲しい本、探している本がどこの古書店にあるかがわかるわけですから。

図書館も?

昨日の朝日新聞の声欄で図書館の休館に関する投稿がまとめて載っていました。

研究者が専門図書を閲覧したり借り出したりするのと、近所の人たちが新聞や雑誌を読みに行ったり親子で絵本を借りに行くのとは分けて考えるべきだと思います。

その上で、書架は閉め、カウンターで貸し出し・返却業務のみを扱う、なおかつ入館人数も制限するのが感染拡大を防ぐには最善とは言わないまでも次善の策、利用者の利便にも最低限配慮した方法ではないかと個人的には思います。

新聞や雑誌くらい買って自宅で読めと思う人もいるかも知れません。しかし、生活が苦しく、そういうところすら節約しないとならない人も多い現実もあります。落とし所が難しいですね。

どのくらいの時間がかかるでしょうか?

自宅にいる時間が増えた子供たちのために有名人が童話などの読み聞かせ動画をネットで公開しているというニュースを見ました。

いったいどれくらいの子供たちが見て聞いているのでしょうか。しかし、少しでも世の中の役に立てればと思って行なわれた行為は素晴らしいものです。

しかし、こういう読み聞かせって童話とか昔話だからよいのですよね。ちゃんとした小説だったらどうなのでしょう。

そう言えば、前に俳優が文学作品を朗読するカセットやCDが思いのほかヒットしているというニュースを聞いたこともあります。意外とニーズがあるのかも知れません。

となると、権利の関係もあるので難しいかも知れませんが、あたしも何か読んでみようかな、なんて考えてしまいました。

たとえば『2666』なんて、全部を朗読(読み聞かせ?)したらどのくらいの時間がかかるのでしょう? 無謀ではありますが、ちょっとやってみたいかもと思ってしまいますね。

ジャパニーズ・ホラー

在宅勤務というのは休暇ではありません。ちゃんと家にいて仕事をしないとならないわけです。

とはいえ、家でできることというのは限られていますし、会社にいれば、かかってくる電話の対応など自分の仕事だけをやっていればよいというわけにはいきませんが、自宅ではそういう雑務からは解放されます。何より往復の通勤時間が節約できるわけですので、自由になる時間が増えるのも事実です。

と、こんなに風に書いてしまうと、あたしがまるでサボっているように聞こえてしまうので、そこは訂正しておきます。録画しておいたホラーを見たのはこの土日のことです。

まず試聴したのは池田エライザ主演の映画貞子」です。「リング」以来このシリーズは見続けてきましたが、だんだんとホラー要素が薄まって、ギャグ映画とまでは言いませんが、本来のおどろおどろしさが戻って欲しいなあと感じます。

貞子という人物を知れば知るほど、その境遇が憐れで同情してしまうのですが、今作では子供に対する虐待やネグレクトといったイマ風なテーマが味付けされています。これでいいのかなあ、というのが正直な感想です。もっと怨念を前面に押し出した方がよかったのではないかとも思います。

続きましては、日向坂46の小坂菜緒主演の映画「恐怖人形」です。

こちらはいわゆるアイドルホラーというジャンルになるのでしょうね。怖さは二の次です。見てくれの怖さもなければ、迫り来る恐怖も感じません。巨大な人形の着ぐるみで殺人犯が追ってくるシーンは、本当に殺す気があるのか疑わしくなります。だって、動きにくいじゃないですか。

もっと呪いの方へ寄せてくるかと思いきや、比較的早い段階から生きた人間が犯行に及んでいることがわかるストーリーで、ちょっと興醒めです。それに、流れから考えて共犯者がいると思ったのですが、どうも萩原聖人の単独犯行のようです。だとするとおかしなところが出て来ないでしょうか?

それに、あのレズシーンは必要でしょうかね?