クーポン券と会員証とクーポン券

はこそばで食事をしたらこんなクーポン券をもらいました。

「はこそば」て何かって? 箱根そばの略称です。小田急電鉄がやっている駅の立ち食いそば屋さんです。

立ち食いと言っても、ほとんどの店舗は椅子もあり、座ってゆっくり食べられます。小田急沿線の書店営業を担当していますので、食事もせずに会社を早めに出て来たときなどは、しばしばお世話になっています。

先日食べたときに、こんなクーポン券をもらったのです。数年来食べていますが、初めてのことでした。これは嬉しい。また食べに行こうと思いますが、まずはどのクーポン券から使いましょうかね?

ちなみに、東急線ですと「しぶそば」という立ち食いチェーンがあり、こちらもしばしば食べに寄りますし、神奈川ですと東海道線もよく使いますが、JRには「いろり庵きらく」という立ち食いそば屋があります。

どの店も定番はかき揚げそばなのでしょうが、あたしはうどん党なので常にうどんを注文します。また季節ごとにその季節限定のメニューもあったりして、なかなか楽しめるものです。

そんなクーポン券をパスケースに仕舞ったときに、こんどはこんなものが出て来ました。

子供服の店・マザウェイズの会員証とクーポン券です。

マザウェイズは先頃、突然店じまい(倒産?)してしまいましたね。あたしの姪っ子や甥っ子の洋服はかなりの割合でここの商品があったのですが、もう買えませんし、クーポン券も使えなくなってしました。残念です。

今月は語学書も

今月は久々に「今月のおすすめ本[語学書篇]」を作りました。

夏の間に重版ができたものと一緒に最近のベストテンを案内します。

こうしてみると、スペイン語がよく売れていますね。

お城? 好きですよ。

小学六年の姪っ子が、ちょっと日本史に興味を持ち始めたようです。

確か、小学六年生って日本の歴史を習う学年じゃなかったでしたっけ? たぶん、そんなことも相俟って興味を持ち始めたのだと思われます。

つい昨日もメールで、徳川幕府の将軍、全部言える? と聞いてきました。

あたしには愚問です。こんなのは言えて当たり前です。

そしたら次に、好きなお城は? と聞いてきました。

ここはややミーハーですが、小学生の姪っ子相手ですから、姫路城と松本城と彦根城を挙げておきました。何か調べものでもするのでしょうかね? いわゆるアクティブラーニングですか?

ちなみに、歴史好きですか、お城も好きです。城郭も好きなんですが、庭園も好きなので、本丸よりも西の丸とか二の丸の方に興味があったりしますし、なによりも大奥が大好きです。

当時、吉屋信子の名作『徳川の夫人たち』には手を出さなかったのですが、徳間文庫で出ていた岩崎栄『徳川女系図』を家康から家慶くらいまで枚感化って愛読していたくらいです。

いや、姪っ子をそちらの道へ導こうとは思いませんけど……

『人文書のすすめ』公開中

本日午前、『人文書のすすめ』のPDF版を公開しました。

『人文書のすすめ』って何かって?

では説明しますと、人文会という出版社の集まりがあります。読んで字のごとく、人文書を中心とした専門書を刊行している出版社で作っている団体で、人文書の普及を目的として活動している団体です。

その人文会が昨年で創立50周年を迎え、その記念フェアを全国いくつかの書店で開催しました。そのフェアで読者向けに「ご自由にお持ちください」として製作したのが『人文書のすすめ』です。新書サイズの小冊子になります。

この『人文書のすすめ』、小冊子とはいえ、内容はなかなか濃くて(手前味噌でスミマセン)、執筆陣も豪華です。内田樹、宇野重規、大塚ひかり、川添愛、木村草太、佐藤優、出口治明、ブレイディみかこ、松岡正剛、若松英輔の10名の方々に、ご自身の自分書にまつわる思い出と記憶に残った書籍を紹介してもらいました。

これがフェアの会場でも大人気、近所ではフェアを開催していない読者の方から「何とか手に入りませんか?」という問い合わせも多数いただきました。しかし、フェア会場で配布するという目的で作ったもので、特に刷り増しをする予定もなく、残部がなくなって以降は涙ながらにお断わりしていました。

しかしこのご時世、データはデジタル状態で保管しております。PDFで公開することは可能です。というわけで、本日、PDF版の公開となった次第です。この手の人文書好きな方はやはり紙媒体で手に入れたいと思うのでしょうが、申し訳ありません。このPDFで我慢ください。

PDF版の入手先はこちらになります。

今月のおすすめ本[2019年10月]

毎月恒例、今月のおすすめ本のご案内です。

今月の特集は、岩波新書の『独ソ戦』と一緒に並べるとよさげな書籍を集めてみました。新書と単行本ですと、なかなか併売しづらいと思いますが、是非お試しください。

インバウンドは大阪に学べ?

こんな章題のついた本を読んでいました。

このフレーズを見て、日中共に最近の若い人はピンと来ないのかも知れませんが、一定年齢以上の人、あるいは中国の現代史に関心をお持ちの方であれば「農業は大寨に学べ」という共産主義華やかなりしころのスローガンを思い出すのではないでしょうか? 恐らく著者もそれを意識して章のタイトルとして採用したと思うのですが、果たしてどれだけ通じているのか……

で、インバウンド、つまり日本にやってくる中国人をもっと取り込みたいと考えるのであれば、そのヒントは大阪にあるということです。しかし、大阪の人がどれくらいこの本を読んでいるのでしょうか?

で、何の本かと言いますと、『中国「草食セレブ」はなぜ日本が好きか』です。

上に揚げた第5章だけを読むと大阪にどれだけ商機が転がっているかというヒントにあふれていますが、それ以外の章は、80年代以降生まれの中国人が、それ以前の中国人とどれほど異なるかということが書かれています。特に、95年以降に生まれた人は、特に違うようで、むしろ日本人などに近い考え方を持っているようです。

となると、付き合い方とか商売の仕方なども変えていかないとならないですよね。しかし、広い中国、いくらインターネットの発達で地域差が少なくなったとはいえ、やはり本書に描かれているのは都会とか、それなりの都市に住む若者のことなんだろうと思います。

2019年10月1日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

2から3へ

ご覧のように『仏検対策5級問題集』が「改訂版」から「三訂版」になります。

来週には各地の書店店頭に並び始めることでしょう。

音源がCDだけでなくアプリでも聴けるようになります。内容のブラッシュアップ以上に、昨今の学習者にはそっちの方が重要な変更点だったりするかも知れません。

おいおい、4級以上も切り替わる予定ですが、それはしばしお待ちを。

ラグビーとベケット

昨日の朝日新聞の天声人語です。

いま盛り上がっているラグビーの話題に絡めて、サミュエル・ベケットが登場していました。不勉強なことに、あたし、ベケットがラグビー好きだなんて、まるで知りませんでした。

そしてベケットと言えば挨拶代わりの『ゴドーを待ちながら』が挙がっていましたが、この天声人語の記事をネタに『ラグビーの世界史』と並べてみたらどうでしょう? などと考えてしまいました(汗)。

ちなみに、ベケットについてもっと知りたい方には『サミュエル・ベケット』という格好のベケット入門書もございます。

二十世紀も遠くなりにけり?

岩波新書の古典的名作が電子書籍になるようです。名付けて「岩波新書eクラシックス100」、ラインナップを見ていましたら、こんなタイトルが目につきました。

二十世紀の音楽』です。著者は吉田秀和。本書は、あたしの勤務先の『吉田秀和全集』にも収録されているものだと思いますが、あるいは違うものなのでしょうか?

いずれにせよ、全集は品切れ、岩波新書版も在庫僅少のようですので、こういった電子化は手に入れたかった人には嬉しいニュースではないでしょうか? ただし、この手の本の復刊を待っている人って、電子ではなく紙での復刊を望んでいる人が多いのでしょうかね? あと十年か二十年もすれば、「置く場所もないから電子の方がありがたい」という意見が大勢になるかも知れませんが……

さて、本書に目が留まったのは著者が吉田秀和ということだけではなく、来月上旬に文庫クセジュの新刊で『二十世紀の文学と音楽』というタイトルの本を出すからでもあります。

「古典音楽からロマン派,印象主義という歴史を経て,十二音音楽,新古典派といった新たな潮流を生み,シェーンベルク,ストラヴィンスキーらが活躍した激動の二十世紀.変化の時を迎えた音楽史を,名文家として知られる稀代の評論家が「演奏家」「作曲家」「聴衆と社会」という視点から同時代の眼で捉えた.」とある岩波新書の『二十世紀の音楽』に対し、

いつの時代も文学と音楽は互いに影響を与え合ってきた。本書は、いずれの領域においても数々の実験的試みがなされ、創造的な可能性が飛躍的に高まった20世紀に焦点を当てる。印象主義、表現主義、未来主義、ダダイスムといったさまざまな運動は、作家と作曲家の出会いの場となり、相互に影響がみられた。本書の第一部では、こうしたジャンルを越えた関係を歴史を追って検討する。第二部では、まず音楽にまつわるテクストを、つぎに100年のあいだに書かれた音楽小説をとりあげる。さらには詩と音楽、演劇とオペラといったテーマやジャンルごとに相互の関係を論じる。音楽に捧げられたテクストの数々へアプローチすることで、それぞれの領域が抱える複雑な関係を明らかにする。20世紀の音楽小説案内。

というクセジュの『二十世紀の文学と音楽』は着眼点などが異なりますが、併読すると面白いのではないかと思います。同じ新書サイズなので是非!

それにしても、こうして二十世紀を振り返る、総括するような書籍が出るようになるということは、それだけ二十世紀が歴史になってきたということなんですね。あっ、でも岩波新書ってかなり昔の、それこそ二十世紀半ばに出ている本でしたよね?