あたしの勤務先、ノーベル文学賞受賞作品の邦訳を刊行していたということで、先週末から盛り上がっています。
売れない、売れないと言われる海外文学が年に一度盛り上がるチャンスなので、これくらいのお祭り騒ぎは許してください。
あっ、ここ数年はノーベル文学賞だけでなく、日本翻訳大賞という賞も生まれ、こちらも受賞すると書店店頭での動きが俄然よくなりますので、年に二回の僥倖ですね。
ちなみに、ノーベル賞は人物に対して贈られますが、翻訳大賞は作品に対して贈られます。さらに、ノーベル賞は故人には贈られないので、絶対に取れるはずと言われながら取れずになくなった作家も数知れず……
さて、今回盛り上がっているのはオルガ・トカルチュクですが、もう一人、今年の受賞者であるペーター・ハントケは、邦訳が品切れになっていたりして、書店でも手に入れるのは難しいと聞きました。その状況に変わりはないのでしょうか?
そんなハントケですが、ある書店員さんからの問い合わせで、あたしの勤務先からも一冊出ているのを知りました。
『ドイツ幻想小説傑作集』です。新書判の白水Uブックスの一冊ですが、もう品切れで、ここ何年も目にしていません。もちろん、勤務先には原本として本は存在していますが……
で、写真がそれです。確かに書店店頭ではほとんど目に入ることはないですよね。表4に収録作品のリストが載っているのですが、ご覧ください、確かにハントケの名前があります。いまさら重版ということはありませんが、ちょっと惜しい気もします。