日本経済新聞で『房思琪の初恋の楽園』が紹介されました

昨日の日経の読書欄です。

房思琪の初恋の楽園』が紹介されました。

少し前の、李琴峰さんの評もそうですが、本書は紹介するのが難しい小説だと思います。「おもしろい」と言ってしまうと、この切なく苦しい、そしてあまりにも忌まわしい作品世界を茶化しているように聞こえてしまいますし、こういう作品を「おもしろい」と表現するのもどうかと思います。

ただ、そういう意味の「おもしろい」ではなく、「極めて興味深い」「読み始めたら止まらない」という意味で「おもしろい」を使うのであれば、まさしくそのとおりだと言えます。

裏切りと地獄とか、そんな評が多いのに「初恋の楽園」とは皮肉なタイトルを著者はつけたものです。果たしてファン・スー・チーに二度目の恋は訪れるのでしょうか?

ドラマの影響?

今朝、昨日の朝日新聞のサンヤツをご紹介しましたが、本日のサンヤツにも見逃せないものがありました。

木村拓哉主演のTBS系ドラマ「グランメゾン東京」の影響なのでしょうか? あるいはこれらの書籍がドラマの参考文献となっているのでしょうか?

ドラマのヒットに合わせて書店店頭でちょっとフェアをやるのであれば、あたしの勤務先からもこんな本が出ていますので、ぜひ一緒に置いていただきたいものです。

まずは『レストラン・サービスの哲学 メートル・ドテルという仕事』です。同書の内容紹介には

「メートル・ドテル」とはレストランにおけるサービスの責任者。経験豊かな著者が、この職種の歴史や精神、仕事としての醍醐味をわかりやすく紹介。食に関わる人たち必読の一冊。

とあります。続きましては『シェフの哲学 食の探求から三つ星レストランの運営まで』です。こちらは

本書は、パリのレストラン「グラン・ヴェフール」の料理長、ギィ・マルタンが、自らの職業、食材・料理・レストランの運営について具体的に記述した、いわば料理の思想書。

といった内容の一冊です。いかがでしょう? どちらもドラマの参考文献としてふさわしいのではないでしょうか?

美しい村って

昨日の朝日新聞の第一面下、いわゆる「サンヤツ」にこんな広告が載っていました。

東海教育研究所の『フランスの一度は訪れたい村』と『増補版 フランスの美しい村を歩く』の二点です。

あたし、不勉強で東海教育研究所という版元、初めて知りました。社名からすると、主に学習参考書などを刊行しているように思えますが、ウェブサイトを見るとそういうわけでもなさそうです。東海大学ともつながりがあるのでしょうか?

まあ、そういう詮索は置くとして、「フランスの美しい村」、どこかで聞いたセリフではありませんか? そうです、今年度の雑誌「ふらんす」の表紙テーマがそれなのです。

ちなみに、雑誌「ふらんす」の表紙連載担当は粟野真理子さん。集英社から『パリから一泊!フランスの美しい村』を刊行されています。

それにしても、フランスの美しい村ってフランス政府公認のものなのですね。日本でも百名山など、山や滝などを全国から選んでいるのはありますが、村自体を選ぶというのはありましたでしょうか? 風景ならあったと思うのですが、それと似たようなものと考えればよいのでしょうかね?

こういった「三大某々」とか「某々百選」というのは、江戸時代にはガイドブックが刊行されていたように古くからありましたが、世界中どこにでもあるものなのですね。