ファイアサラマンダー

ハン・ガンの邦訳最新刊『回復する人間』は短篇集ですが、その中に「火とかげ」という作品があります。「人影」ではありません、「火とかげ」です。

本短篇集の最初のタイトルは、この「火とかげ」を表わしているものだったそうですが、後に同じくこの中の一編、「回復する人間」を短篇集全体のタイトルにしたそうです。

と言われると、「回復する人間」も気になりますが、「火とかげ」もどんな作品なのか気になりますし、そもそも「火とかげ」って何、という疑問もあります。

で、調べてみましたら、思ったとおりトカゲの一種でした。動物の名前であるなら、日本の書籍であれば「火とかげ」と表記するよりも、たぶん「ヒトカゲ」と表記することの方が多いかもしれませんね。あるいは英語名の「ファイアサラマンダー」でしょうか。

ウィキペディアで検索してみると、こんな写真が載っていました。なかなかグロテスクです。毒を出すみたいですから、見かけてもおいそれと触らない方がよさそうです。しっぽまで含めて30cmくらいということは、日本で見かけるトカゲなどよりは少し大きいみたいですね。

ところで、「ひとかげ」でググってみると、こんな生々しい生き物ではなく、もう少し愛らしい生き物(?)もヒットしました。

それがこちらです。

世界中で人気の「ポケットモンスター」のキャラクターと呼んでよいのでしょうか、つまりはモンスターの一つですが、それがこれ、「ヒトカゲ」なんです。

あたしは「ポケットモンスター」はマンガを読んだこともなければ、アニメを見たこともありません。もちろんゲームなども一切やったことがないので、名前を知っているのはピカチュウだけですが、この「ヒトカゲ」などは何となく見覚えのあるポケモンの一つです。そこそこ有名な、主要なモンスターなのでしょうか?

もし『回復する人間』ではなく『火とかげ』というタイトルで刊行していたら、ポケモン関連の書籍だと勘違いされていたかもしれませんね。それはそれで面白いコラボができたかもしれませんが……

ところで最近の若手作家は?

閻連科について書いたので思い出したのですが、最近の中国の若手作家の状況というのはどうなっているのでしょうか?

このところ中国作家の邦訳も刊行はされていますが、閻連科にせよ、残雪にせよ、もう中堅以上の存在です。少し前に出た李昂だってそれなりのお歳ですし、張愛玲に至っては戦前生まれの作家です。

若手の作家にはどういう人がいるのでしょうね? と考えると、郝景芳(ハオ・ジンファン)などは80年代生まれ、いわゆる八〇后の作家ですが、こういうSF作家が伸びてきているのでしょうか?

韓寒や郭敬明なども八〇后の作家だったと思いますが、最近も書きつづけているのでしょうか? 少なくとも日本では翻訳がまるで刊行されませんよね。大陸ではヒットを飛ばしているのでしょうか?

この手の作家が出て来た頃、ネット上などでも日本の作家の真似、亜流だと言われたり、日本のケータイ小説をパクっているなどと酷評されていたりもしましたが、そんなこともあって最近は下火になってしまったのでしょうか?

ちょっとそんなところの事情、知りたくなりました。

2019年6月9日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー