顔、です!

先週ご紹介した新刊『マルコムX』です。

ご覧のように上下本、上下の表1を並べるとマルコムXの顔になります。

こういう装丁の本、これが初めてではなく、むしろあたしの勤務先は非常に多いと言えるかもしれません。どれくらいあるのだろう、と思って、調べてみたのが次の写真です。8組の上下本、つまり16冊です。

上段が左から『カエサル』『毛沢東』『ヤン・カルスキ』『トロツキー』、下段が左から『エカチェリーナ』『マルクス』『マンシュタイン』『ビスマルク』です。

もちろん、こういった評伝の作品、すべてがこういう装丁というわけではありません。そうでない評伝もたくさんあります。

とはいえ、《並べる装丁》が印象深いのも事実だと思いますし、そんな風に書店の方にも認識されているのかも知れません。

アイドルハンターという言葉を初めて知りました

NGT48の問題。ネットではどんどん過激なっているのかいないのか。こういう時によく言われる「ネット」というのは具体的に何を指しているのでしょうね?

それはともかく、あたし自身は犯人捜しとか、運営の無能さとか、そういう話題はもう食傷気味でどうでもよいです。もちろん、怖いめに遭ったメンバーをはじめ、ほとんどが真面目に活動しているだろうに、今回のような悪い意味で世間の注目を浴びてしまっているNGT48には同情します。

今回のニュースであたしが一番気になっているのは、新潟のような地方都市だと人間関係も狭いから、といった言説です。

いや、そりゃ東京と比べたらはるかに人口は少ないし田舎でしょう。それは間違いないです。でもだからといって、簡単に人間関係が明らかになるほど狭い町だとは思えません。それなりの人口もいますし、日本海側では有数の都会だと思います。

にもかかわらず、報道での新潟の扱いを見ていますと、村中の人全員が顔見知りの過疎の村のような語り方をしているものが散見します。いくらなんでも新潟に失礼ではないかと思うのですが……

ちなみに、うちの母は新潟出身ですが、上越の人間です。新潟市にはいまだかつて行ったことがないと言っています。そういう新潟県民もいるのです。

トレンドは中世?

中公新書『承久の乱』読了。

これで中公新書の日本中世史もの『応仁の乱』『観応の擾乱』の三部作(?)を読了いたしました。ちょうど歴史を遡るような順番で読んできたわけですね。刊行の順番もそうでしたし。

それにしても、日本史では中世がちょっとしたブームなのでしょうか? 摂関政治の終焉、院政の時代から織豊政権の前くらいまでの出版が増えているような気がします。ブームと言うよりも、これまでは戦国や幕末維新の人気が極端で、鎌倉や室町はあまりにも脚光が当たらなすぎただけだったのかもしれません。そんな声も聞きました。

で、『承久の乱』です。

読み終えて思い出したのは、NHK大河ドラマ「草燃える」です。岩下志麻の北条政子に、石坂浩二の源頼朝、幼い頃のあたしが初めて見た大河ドラマでした。

この作品から大河ドラマを見るようになり、「徳川家康」くらいまで見続けていたと思います。その後は見たり見なかったりで、しっかり見ていたのは「独眼竜政宗」くらいでしょうか、その後はほぼ全く見なくなりました(汗)。

閑話休題。

「承久の乱」がエポックメーキングな事件であったことはわかりました。あたしの勝手なイメージですが、平氏政権が信長、源氏三代が秀吉、乱後の北条得宗体制が家康(=江戸幕府)と似ているように感じました。

これまでの認識と異なっていたのは、三代将軍・実朝が後鳥羽院と協調し、皇族を四代将軍に迎えて自身は大殿(隠居後の家康の大御所みたいなもの?)として後見する、そんな政権構想を考えていた点です。公暁が実朝を暗殺しなかったら、どんな鎌倉幕府が続いていたのでしょう?

しかし、あの時点で何故に実朝は公暁への譲位を考えていなかったのでしょう。あの当時、源氏は他にもいたはずですが、頼朝の血を引く者でなければ鎌倉将軍にはふさわしくない、という暗黙の了解があったように感じますが、それでも頼家の子供が二人いたわけですし、どちらかが四代将軍になってもよかったのではないかと思うのですがね。

それにしても、繰り返しになりますが、こういう本が刊行されてから、改めて「草燃える」を見直したら、どんな感想が出てくるでしょう? いま、このタイミングで再放送をしてもよいのではないでしょうかね? あるいは「太平記」「北条時宗」などを再放送しても面白いかも知れません。

新刊がいっぱい!

本日が見本出しなので、来週後半には店頭に並び始めると思われますが、そんな新刊がたくさんあります。

まずは右の写真。3冊並べていますが、新刊は『ドーキー古文書』です。

著者フラン・オブライエンの作品は、同じUブックスで既に2冊刊行されていて『スウィム・トゥー・バーズにて』と『第三の警官』です。この機会に既刊2冊の在庫チェックをお願いします。そして是非、3冊一緒に並べてください。

続きまして、改訂版のご案内。

長らくご愛顧いただいてきました『ハンガリー語の入門』がこのたびリニューアル、[改訂版]として生まれ変わります。付属のCDは昨今の状況に鑑みてアプリのダウンロードに改めました。

写真の右側が新しい改訂版です。言わずもがなでしょうが、念のため(汗)。

次の写真は、またしても上下本。面陳で並べると顔になる、あたしの勤務先の刊行物ではありがちなカバーです。

今回の主役はマルコムXです。アメリカの黒人活動家です。キング牧師ほど有名ではないかも知れませんが、キング牧師の次に有名な活動家ではないかと思います。ずいぶん前に一度ブームになったことがあったような記憶があるのですが、あれはどういうきっかけだったのでしょうか?

最後は自社ではなく、ちくま新書の新刊『ヨーロッパ近代史』です。

タイトルどおり、ヨーロッパの近代、ルネサンスから第一次世界大戦までを扱っている一冊です。時代が少しだけ重なりますが、あたしの勤務先が刊行を始めた「シリーズ近現代ヨーロッパ200年史」の前の時代ですね。1949年以降を扱う最後の一冊が残っていますが、全部で5冊、これでヨーロッパの歴史を一気に駆け抜けることができそうです。如何でしょうか?

うちでは売れないので……

タイトルは、日々営業回りをしていてよく言われるセリフです。

書評が出たり、注文が伸びていたり、理由はさまざまですが、売れ行き好調な書籍を案内し、置いていなければお勧めし、一冊くらいになっていれば面陳・平積みをお願いする、それが営業活動の基本です。

しかし、「うちじゃあ売れないから」と言われることが多いです。

そういう風に言う書店員さんの気持ちを推測するならば、「こっちは忙しいのだから五月蠅い」とけんもほろろな場合もあれば、「売れているのはわかりますし知っていますけど、うちのお店の客層と合っていないんですよね」としっかり分析された上での丁重なお断わりに分類されると思います。

後者の場合であれば、「では、こちらは如何ですか?」と他の商品を勧めるのが営業マンでしょうが、必ずしも他に動きのよい商品があるとは限らないのが弱小出版社の悲しいところです。それでも時に別に商品を案内すると「ああ、これならうちでも売れそうだ」と反応してくださる書店の方も少なくありません。

さて、営業として考えないといけないのは、けんもほろろな場合です。

確かに、大手出版社のベストセラーのように、レジの前に山積みしておいたら、あっという間に売れてしまった、なんていう本をご案内できるわけではありません。むしろシブい本ばかりです。でも、そもそもジャンルが違うので、そういうベストセラー商品と同じような感覚で見られてしまうと、あたしの勤務先の本などはすべて「売れない本」に分類されてしまいます。

ただし、売れているからこそお勧めしているのわけなので、見せ方とか並べ方などを工夫するだけで売れる可能性は大いにあると思うのです。しかし現状、その「工夫」をするだけの時間も余力もないのが書店の現状なのでしょうか? 「ポップとかある?」と聞かれれば、すぐにはなくとも社に戻って作って送ることは可能です。本音を言えば、書店の方が読んで、自分の言葉で書いてくれたポップの方が読者の心に刺さると思うのですが、そんな時間が作れるわけないことは重々承知しています。

「どんな本と一緒に並べたら売れますか?」といったことも聞かれます。これもわかる範囲で、他の書店の事例や担当編集者の意見などを聞いて伝えるようにはしていますし、そういうことを意識するのはこちらも勉強になります。並べ方の工夫の一助になればと思います。

しかし、なんだかんだ言っても、こういう意見も営業に回っていればこそ聞けることであり、全国の多くの書店では「さあ、どうしましょう?」と思われているのでしょうね。こういう書店の方へ少しでも役立つ情報を届けるにはどうしたらよいのでしょう?

継承順についてどう考えていたのだろうか?

承久の乱』読了。

感想は改めて書くとして、前半部分を読んでいてちょっと疑問に感じたことがありました。

公暁を唆して実朝を殺させた黒幕がいたのか否か、それはわかりませんが、当時の実朝や幕府が子供のできない実朝の後継として天皇の子供を考えていたというのが驚きでした。

当時の常識と言うか、彼らの認識はわかりませんが、順当に考えて実朝に子供ができなかったら、兄・頼家の子供である公暁が次の将軍とは思わなかったのでしょうか? 待っていれば次の将軍になれたのにわざわざ叔父を殺してしまった公暁。公暁がいるのに天皇の皇子を将軍に迎えようとしていた実朝や幕閣の首脳。

うーん、当時の感覚がわかりません!

陽だまり

けやき坂46の渡邉美穂ファースト写真集『陽だまり』落手。

現時点では、一般的な知名度があるアイドルではありませんので、どこまで売れるのかは未知数ですが、普通に見て「可愛い」とは思います。もちろん、乃木坂46の白石麻衣のような圧倒的な美人、という感じではないです。でも高校時代などにクラスにいたら持てるだろうし、人気者になるであろうタイプだと思います。

まあ、先物買いってところでしょうか?

で、いまや欅坂46を人気でも追い越そうかという勢いのけやき坂46のメンバー写真集を出すことに反対はしません。ただ、どうせなら個人の写真集ではなく、全体の写真集を出した方が売れるのではないかと思うのです。

乃木坂46の与田祐希ファースト写真集『日向の温度』が出た時も思ったのですが、与田ちゃん個人の写真集もいいんですが、あの時点ではやはり乃木坂46三期生の写真集を出すべきだったのではないかと思うのです。確か、桜井キャプテンもそう語っていたはずなんですよね……

今年初の……

本日午後は人文会の1月例会でした。

それがどうしたと言われそうですが、実は、今年初めて、午後の書店営業回りに出かけなかった日となりました。

なんだかんだと言いまして、仕事始の初日7日から午後は毎日外回りに出ていたのですが、今年になって初めての外回りなし、というのはちょっぴり新鮮でした。

毎日出かけて偉いねえ、なんて声をかけてくれる人もいますが、昨秋から営業担当範囲が広くなったので、とにかく時間ができれば、ではなく、何とか時間をひねり出して回らないと、とても担当書店を回りきれないのです。これでもまだまだ回れていない書店が多数あります。

早いうちに、外回りのペースをつかまないと洒落になりません(汗)。

そんなことを感じる今日この頃です。