新刊がいっぱい!

本日が見本出しなので、来週後半には店頭に並び始めると思われますが、そんな新刊がたくさんあります。

まずは右の写真。3冊並べていますが、新刊は『ドーキー古文書』です。

著者フラン・オブライエンの作品は、同じUブックスで既に2冊刊行されていて『スウィム・トゥー・バーズにて』と『第三の警官』です。この機会に既刊2冊の在庫チェックをお願いします。そして是非、3冊一緒に並べてください。

続きまして、改訂版のご案内。

長らくご愛顧いただいてきました『ハンガリー語の入門』がこのたびリニューアル、[改訂版]として生まれ変わります。付属のCDは昨今の状況に鑑みてアプリのダウンロードに改めました。

写真の右側が新しい改訂版です。言わずもがなでしょうが、念のため(汗)。

次の写真は、またしても上下本。面陳で並べると顔になる、あたしの勤務先の刊行物ではありがちなカバーです。

今回の主役はマルコムXです。アメリカの黒人活動家です。キング牧師ほど有名ではないかも知れませんが、キング牧師の次に有名な活動家ではないかと思います。ずいぶん前に一度ブームになったことがあったような記憶があるのですが、あれはどういうきっかけだったのでしょうか?

最後は自社ではなく、ちくま新書の新刊『ヨーロッパ近代史』です。

タイトルどおり、ヨーロッパの近代、ルネサンスから第一次世界大戦までを扱っている一冊です。時代が少しだけ重なりますが、あたしの勤務先が刊行を始めた「シリーズ近現代ヨーロッパ200年史」の前の時代ですね。1949年以降を扱う最後の一冊が残っていますが、全部で5冊、これでヨーロッパの歴史を一気に駆け抜けることができそうです。如何でしょうか?

うちでは売れないので……

タイトルは、日々営業回りをしていてよく言われるセリフです。

書評が出たり、注文が伸びていたり、理由はさまざまですが、売れ行き好調な書籍を案内し、置いていなければお勧めし、一冊くらいになっていれば面陳・平積みをお願いする、それが営業活動の基本です。

しかし、「うちじゃあ売れないから」と言われることが多いです。

そういう風に言う書店員さんの気持ちを推測するならば、「こっちは忙しいのだから五月蠅い」とけんもほろろな場合もあれば、「売れているのはわかりますし知っていますけど、うちのお店の客層と合っていないんですよね」としっかり分析された上での丁重なお断わりに分類されると思います。

後者の場合であれば、「では、こちらは如何ですか?」と他の商品を勧めるのが営業マンでしょうが、必ずしも他に動きのよい商品があるとは限らないのが弱小出版社の悲しいところです。それでも時に別に商品を案内すると「ああ、これならうちでも売れそうだ」と反応してくださる書店の方も少なくありません。

さて、営業として考えないといけないのは、けんもほろろな場合です。

確かに、大手出版社のベストセラーのように、レジの前に山積みしておいたら、あっという間に売れてしまった、なんていう本をご案内できるわけではありません。むしろシブい本ばかりです。でも、そもそもジャンルが違うので、そういうベストセラー商品と同じような感覚で見られてしまうと、あたしの勤務先の本などはすべて「売れない本」に分類されてしまいます。

ただし、売れているからこそお勧めしているのわけなので、見せ方とか並べ方などを工夫するだけで売れる可能性は大いにあると思うのです。しかし現状、その「工夫」をするだけの時間も余力もないのが書店の現状なのでしょうか? 「ポップとかある?」と聞かれれば、すぐにはなくとも社に戻って作って送ることは可能です。本音を言えば、書店の方が読んで、自分の言葉で書いてくれたポップの方が読者の心に刺さると思うのですが、そんな時間が作れるわけないことは重々承知しています。

「どんな本と一緒に並べたら売れますか?」といったことも聞かれます。これもわかる範囲で、他の書店の事例や担当編集者の意見などを聞いて伝えるようにはしていますし、そういうことを意識するのはこちらも勉強になります。並べ方の工夫の一助になればと思います。

しかし、なんだかんだ言っても、こういう意見も営業に回っていればこそ聞けることであり、全国の多くの書店では「さあ、どうしましょう?」と思われているのでしょうね。こういう書店の方へ少しでも役立つ情報を届けるにはどうしたらよいのでしょう?