もどかしい販促

先日の天野健太郎さんの訃報。

  

あたしの勤務先から出ている、天野さんの翻訳書の注文がポツリポツリと舞い込んできています。そんなお店からの電話口で、書店の方が「ちょっとコーナーを作ろうと思いまして……」と言うのを聞いてとても嬉しくなりました。

とはいえ、だからといってこちらから注文書を作って書店に案内するというのも、なんとなくおかしな気がします。海外の著名な作家が亡くなった時などは「追悼!某々」といったチラシを作ってファクスで案内したりしますが、やはり日本人だと身近すぎて、そんなことをすればやりすぎではないかと言われかねません。

悩ましいところです。

個人的にはもう一つ、近刊の文庫クセジュ『双極性障害』があります。

乃木坂46を卒業した中元日芽香(ひめたん)が体調を崩して活動を休んでいた理由が双極性障害を患っていたからだそうです。そんなことを聞いてしまうと、本書が俄然身近に感じられます。

言いたいのはそういうことではなく、これがハッピーな話題であるならば「乃木坂46の人気メンバーも大注目」といった煽り方もできると思いますが(ひとまず事務所の許可の件はおくとして)、本人が患っていた病気に関することですからね。

もちろん、ひめたんが「この本を読んで一歩前へ進めました」のようなコメントをブログやTwitterでみずから発信してくれるのであれば話は別ですが。

この手の話題は、書店で担当の方と話す時の話柄に留めておくに限るのでしょう。

笑えるシェイクスピア?

朝日新聞の記事です。

「ロミオとジュリエット」が笑える舞台になっているようです。

と聞いて思い出したのが『バンヴァードの阿房宮』です。副題に「世界を変えなかった十三人」とあるように、「大きな夢と才能を持ちながら歴史に名を残せなかった人々に光を当て、数奇な生涯を紹介した」一冊です。

いろいろな人物が載っているのですが、その中に「ロミオとジュリエット」を十八番にしていた俳優のエピソードがあります。本書が刊行された当時、朝日新聞の読書欄で、当時の書評委員・三浦しをんさんがこんな風に書いてくれました(2014年9月28日付)。

私が特に好きだったのは、前述した十九世紀のロミオ役者、ロバート・コーツと、台湾人だと自称して十八世紀のロンドンの騒がせたジョージ・サルマナザールだ。コーツ氏の珍妙な舞台衣装と熱演ぶり(および観客の戸惑いと怒号)の描写は、腹の皮をよじれさせずに読むのが困難だ、見たかったよ、こんなすごすぎる『ロミオとジュリエット』!

如何でしょう? しをんさん同様、見たくなりますよね? でも十九世紀の話なので感激は不可能ですから、どうぞ本書をお読みください。

未完成はいつ完成するのでしょうか?

落手しました。

欅坂46ファースト写真集 21人の未完成』です。

事前にわかっていたとおり、グループの写真集とはいえ、これは「個人写真集を一冊にまとめたもの」です。全員や何名かで写っている写真がないのが残念であると同時に、いかにも欅坂46らしいとも言えます。

これなら、とても個人の写真集を出せそうにないメンバーにもスポットが当たりますので、こういう写真集もありと言えばありでしょう。でもやはりグループとしては寂しさも感じます。

21人と書いてあるように、卒業する(した?)メンバー3人も載っていますので、オリジナルのこの21名が題するキナファンにとっては最初で最後のものになるわけです。このやり方の写真集であるなら、けやき坂46を混ぜなかったのは正解だったと思います。

まもなく二期生を迎える欅坂46。入ってくるのが年内なのか年明けなのか、それに何人加入するのかすら発表されていませんが、間違いなく、この写真集をもって欅坂46の第一章が終わったと言えるのではないでしょうか。

それにしても、重いです、この写真集。

今日の配本(18/11/22)

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