9月 2018のアーカイブ
国家公認の宗教?
儒教国教化とか、ローマ帝国のキリスト教公認とか、歴史上、国家と宗教との関係は難しいものですが、現代においては政経分離、国家は宗教には介入しないというのが常識だと思います。しかし、中国はますますおかしなことになっているようです。
右の記事は本日の朝日新聞です。
少林寺が中国国旗を掲揚したというニュースですが、その中にキリスト教についても書かれていました。このあたりについて興味をお持ちの方には『ルポ 隠された中国』がお薦めです。
本書は中国のさまざまな問題をリポートしたものですが、その中の第三章が「追われるキリスト教徒──党支配下の「信仰の自由」」として、中国政府と宗教団体、庶民の信仰について描いています。
お隣の国も似たような状況でした
「本」という単語があるとどうしても気になってしまうのは商業病でしょうか?
記事はイラクについて書かれていますが、自由に本も読めないような状況なのでしょうか? 焚書坑儒という言葉が思い起こされます。
イラクのこういった状況を聞くと『テヘランでロリータを読む』が思い出されます。
タイトルからもわかるとおり、こちらはイラクのお隣、イランの状況を描いたノンフィクションです。西加奈子さんが『i』で取り上げたことでも話題になった作品です。
内戦にしろ飢餓にしろ、人々の生活を安全かつ文化的なものにするには、最低限の衛生状態と教育が必要なんだと感じます。そのための武器となるのが、やはり本なのではないでしょうか。
哲学館は行ったことがあります!
あたしは『善の研究』くらいしか読んだことはありませんが、それすらも理解できたのかと聞かれたら答えに窮します(爆)。いずれ再読しなければと思っている本の一つです。
で、朝日新聞がこの時期に西田幾多郎を特集した意図はわかりませんが、記事中に出てくる西田幾多郎記念哲学館へは行ったことがあります。数年前の人文会の研修旅行で北陸三県を回った時に短時間ではありましたが立ち寄ったのです。
その縁もあって『人文会ニュース』126号では西田幾多郎記念哲学館についての論考を寄稿いただきました。哲学館がどういう施設なのか知るにはもってこいの文章だと思います。人文会のサイトでPDF版を公開しているので、よろしければご覧ください。
本屋モノ
渡辺麻友主演でテレビドラマ化もされた『書店ガール』が現在発売中の最新刊「第7巻
」で完結となりました。
このシリーズは大好きで、ご覧のようにずっと買って読んでいました。書店員をはじめとした業界の人が書いた「本屋に関する本」というのはこのところたくさん刊行されていますし、雑誌などでも本屋が特集されることは多いです。
ただ、そうしたものは数冊も目を通せば「もうお腹いっぱい」という感じになってしまいます。別に嫌っているわけではないですし、それぞれの本に対する熱い思いが伝わってきて、こちらも改善の余地があるのではと考えさせられます。でも、読み続けるとなると、やはり小説の形を取る本シリーズの方が適しているなあと感じるのです。
ちなみに、上の写真では「第6巻」が欠けていますが、ちょうど常磐線沿線の書店が舞台になっているので、同僚の常磐線エリア担当に貸し出し中なのです(汗)。
読んでいて感じるのは、あたしは出版社の人間なので書店現場というのは毎日のように足を運んでいるくせに、実は本屋ってものを深いところまで理解できていないなあという実感です。本シリーズを読んでいると反省することしきりです。
ところで本シリーズの第一巻だけは単行本で刊行され、当初のタイトルは『ブックストア・ウォーズ』でした。当時は碧野さんが研修されたオリオン書房の営業担当であったので、お店の方に教えていただきすぐに購入して読んだのを覚えています。
続きが読みたいなあと思っていたら、文庫として、タイトルと出版社が変わって刊行されることになり、最初は気づかなかったのですが、ある日店頭で発見して「おーっ、これは買わなければ」と思い、それ以来の愛読です。
さて、こうした本屋を舞台とした小説などの作品は他にも多々あると思いますが、あたしが個人的に気に入っていたのはコミックの『上京花日』です。著者急逝のため、恐らく存命ならまだ連載は続いていたのかも知れませんが、コミックは全7巻が刊行されています。
全7巻とは『書店ガール』といみじくも一緒です。なんとなく縁を感じます。どちらのシリーズも吉祥寺を中心とした東京西部が舞台になっているのも親近感が湧いた一因だと思います。
『書店ガール』では主人公たちの転勤や転職のため、常磐線沿線や沼津なども舞台となっていますが、やはりホームグラウンドは吉祥寺などの中央線沿線です。
中央沿線は、都内でもそれなりに本好きが集まっているエリアだと言われます。実際に作家とか業界関係者でこの沿線に住んでいる人は多いようです。が、そんなエリアでも作品に描かれていたように本を取り巻く上京は厳しいのかと思うと、現実に戻りたくなくなったりするのですが……
体内時計?
本日はお休みです。来週も三連休なのは嬉しいものです。
で、休みの日というと、皆さん、どのくらいまで寝ているのでしょう?
あたしは休みの日でもそこそこ早起きをしてます。目が覚めてしまうと言った方が正確かもしれませんが、とにかく遅くまで寝ているということはしません。
それでも、三連休は目覚まし時計をセットすることはなく、自然に目覚めるのに任せています。土日はどちらも5時半前後に目が覚めました。普段に比べたら1時間以上は遅いです。
そして今朝です。
今日が祝日だというのはわかっています。昨晩も「明日も休みだ」と思って床に就きました。
それなのに、今朝はいつもの月曜日のように3時半過ぎには目覚めてしまいました。
繰り返しますが、目覚ましで起きたわけではなく、自然と目が覚めたのです。
あたしの体の中にはかなり正確な時計がセットされていて、ただその時計は祝日には対応していなくて、月曜から金曜日は平日と認識しているのではないか、そんな気がしてきました。
こういうのを「体内時計」と呼ぶのかわかりませんが、とにかくあたしの体の中の何かしらの機能が働いているのだと思われます。
一つ一つ丁寧に作ることが肝要?
昨日の朝日新聞夕刊に「本が売れない」という記事が大きく出ていることをお伝えしましたが、実は前号の「週刊新潮」にこんな記事が載っていたのです。
ロベルト・ボラーニョの遺作『2666』が版を重ねて10刷となったのです。現在本体価格は7000円です。記事中にもあるように、二段組みの巨冊、判型も通常単行本より大きなA5判です。もちろん重量は1キロを超えています、たぶん。
そんな本が、一回の重版の数こそ多くはないもののコツコツと売り上げを積み重ね、とうとう10刷に到達したのです。
なぜ売れているのか、「売れた」かではなく「売れている」というところが肝心なのですが、それにはさまざまな理由があると思います。個人的には数年前のピケティと同じで、一種のブームになったというのが大きかったと思います。
「ガイブン好きなら読んでおかないと」という空気感が存在していると思います。書店員さんに聞くと、自分で読むために買う人がほとんどですが、中にはプレゼントとして買う人もいるのだとか。人に本を贈るというのは、特に大人になると難しいものですが、この本に関しては「贈って間違いない」と思われているようです。
記事の冒頭にコアな海外文学ファンは3000人とあります。「コア」というのがどのくらいを指すのかは難しいところですが、あたし個人の肌感覚では、「多少高くてもこの作家の、あるいは訳者のものだったらほぼ買ってくれる」読者は1000人から1200人くらいだと感じています。そして2000円台後半の海外文学の主戦場だと手に取ってくれる読者の数というのが3000人弱ではないかと……
いま安易に価格で分けてしまいましたが、『2666』を見てもわかるように、海外文学の場合、時に価格は関係ないことがあります。どんなに価格を安く抑えても売れないものは売れないことはしょっちゅうありますし、高くても驚くほど売れるものが多々あります。
翻訳権料があるので、「ガイブンは高い」という現実がガイブンファンの間では常識化してしまっているので、主に日本の作家の本を読んでいる人からすると本の値段に対する感覚が麻痺しているところはあると思います。ただ、やはり値段だけのことはあると思えるのも事実です。
分厚くて、文字がいっぱいで、だから読み通すのに時間がかかる本も多いですが、見方を変えると「この値段でこれだけの時間楽しめる!」と考えること可能ですし、現にあたしはそう思っています。この楽しさ多くの方に届けられればもっと、更に売れるのでしょうけど。
それにしても、全国的な週刊誌の記事として、たかが一冊の海外文学の重版がこれほど大きく取り上げてもらえるとは、もったいないです。そう言えば、以前、豊崎由美さんがどこかで、日本における海外文学の通史のようなものが書かれるとしたら『2666』の出版は必ず取り上げるべき事件だ、というようなことを書いてくれているのを読んだことがあります。
やはり、事件だったのでしょうか? とはいえ、10刷では日本人の1%はおろか、0.1%にも満たない数です。もっともっとアピールしないと。
「売れ行きが悪い」どころではなく「売れぬ」のです
出版界は長年にわたる不景気で、売れ行きはどんどん落ちています。書店もどんどん減っています。
だから、という悪循環で出版点数は増えているのですが、こんな状況なので売れ行きは芳しいものではありません。
しかし、朝日新聞の夕刊とはいえ、第一面にデカデカと「売れぬ」と書かれてしまうと、なんとも居たたまれなくなるものです。
だから、あの手この手、知恵を絞っているわけですね。
出版社は本を作るだけ、売るのは本屋の仕事、というのは過去の話で、いまや出版社も書店と協力して一冊でも多く売るための努力をしないとならない時代になっているようです。
あたしはそんな努力を十分にしているのかと言われるとお恥ずかしい限りですが……(爆)
朝の占いでラッキーアイテムに「洋菓子」とあったので仕事帰りにケーキを買ってみましたが、後は家に帰って食事して寝るだけのあたしにどういうラッキーが訪れるのでしょう?
帰宅時に最寄りの駅にある洋菓子店「シェリーブラン」でケーキを買いました。
たまにはケーキでも食べたいな、と思ったのも理由の一つですが、タイトルのとおり、占いに影響されたからです(汗)。
しかしまあ、あたしのように夜の早い人間は、仕事帰りにラッキーアイテムを手に入れても、後は家に帰って風呂に入り食事して寝るだけです。そこにラッキーが入り込む要素があるとは思えません。
とはいえ、ケーキは好きなので夕食後にいただきました。イチゴショート(写真右)とイチゴのティラミス(写真左)です。どちらも美味しかったです。久々に洋菓子を堪能しました。
で、一夜明けた今朝ですが、特に思い返しても、何かラッキーなことがあったようには思えません。知らないうちに起こっていたのでしょうか? でも、それって何?
あるいは、知らないラッキーが密かに、どこかにたまっているのでしょうか? そしていつか大きなラッキーとなってあたしの元にやってくるとか? そんなことがあったらよいのですが……
そうそう、今日は雨なので、午前中は久しぶりに「5th YEAR BIRTHDAY LIVE 2017.2.20-22 SAITAMA SUPER ARENA」を見返しました。初日、ななみんの卒業コンサートの模様です。やはり泣けます。