電子書籍の可能性?

新書版』が刊行になった『台湾生まれ 日本語育ち』ですが、ただ単純に単行本を新書にしたのではなく、3篇の増補があるという代物です。

 

となりますと、いまさらあえて『単行本』を買おうという方は少ないかも知れません。在庫も少なくなっていますし……

ただ『単行本』の方は既に電子書籍版が刊行されていまして、そちらをお求めになるのもよいかも知れません。あたし自身はまだまだ電子書籍には慣れないのですが。

ところで、電子書籍では試し読みができるのですが、紙のものをそのまま閲覧できるというものです。ほとんどの電子書籍はこういう感じなのでしょう。

個人的にこれはもったいないなあと感じます。

何がもったいないのかと言いますと、本書の場合、著者の母親が話す台湾語と中国語、それに日本語がチャンポンになった「ママ語」というのが本文中にしばしば挿入されています。折角の電子書籍なのですから、ママ語の部分をクリックしたら、実際の音声が聞けるような工夫ってできないものでしょうか?

いや、技術的には十二分に可能ですよね?

吹き込みは著者でもいいですが、できることなら著者のお母さん、そのまま語を話しているご本人に吹き込んでいただきたいものです。手間暇はかかってしまいますが、そんなおまけがついた電子書籍であれば楽しいですし、ちょっと買ってみたいと思うのではないでしょうか?

更に厳しくなっている?

昨日の朝日新聞社説です。

地方の大学の厳しさと、それを何とか克服しようとする工夫について書かれています。

大学の経営環境の厳しさは、都会だろうと地方だろうと、子どもが減っている以上変わりはないでしょう。ただ、都会はそれでも今のところ多くの人が住んでいますし、若者は職を求めて都会へ出て来ますので、しばらくは安泰なのかも知れませんが、地方は本当に厳しいようです。

秋風が吹き、大学入試シーズンがいよいよ本格化するころになると、こういった大学関係の記事や特集が増えるものです。昨今は「大学が潰れる」といった煽情的な見出しのものも多くなってきましたが、さしずめ『消えゆく「限界大学」 私立大学定員割れの構造』などもその最たるものなのかも知れません。

が、本書は決して悲観的なことばかりを書いているのではなく、成功事例もふんだんに取り上げられていて、大学行政に携わる人には大いに参考になると思います。

それにしても、地方の疲弊、なんとかなりませんかね?

過疎の村、三ちゃん農業といった言葉は、既にあたしが小学生のころから耳にし目にしていました。その時代から自民党政府は何の手も打ってこなかったのか、と思います。所詮、選挙における地元とは言っても、安倍をはじめ、本当にそこで生まれ育った政治家ってどれくらいいるのでしょう? 自民党のように二世、三世議員が多くなると必然的に東京生まれ東京育ちの連中ばかりになってしまいます。時々帰省するくらいでは、地方の本当の姿って見えてこないのでしょう。

原発や基地、廃棄物の処理場などを押しつけ札束で頬を叩くだけで、本当に地方を振興させる方策なんて考えてこなかった自民党戦後政治の大きな失政だと思いますが……