「信頼」を考える

 

新宿の紀伊國屋書店の人文書売り場でこんな小冊子をもらいました。

勁草書房の『信頼を考える リヴァイアサンから人工知能まで』を中心としたフェアのようです。

「信頼を考える」という書名がすごいですね。そして、この小冊子も小冊子と書きましたが、これかなりしっかりした一冊です。小冊子なんて読んだら叱られそうな濃い内容です。

で、肝心の該書を読んでいないので「信頼」とは何なのかよくわかりませんが、いまの日本の政治を見ていると一番失われているのは信頼ではないかと思います。別に『信頼を考える』がそういった内容の本だと言っているわけではありませんが(そもそも読んでいないので、そんなこと言えません)、何やらタイムリーに感じてしまうのはあたしだけでしょうか? ただ「リヴァイアサンから」と副題にありますし、内容的には政治や政治思想なども社手に入っているようではあります。

そうなると、あたしが思い出すのは孔子の言葉、論語・顔淵の「民信無くば立たず」です。

どんなに素晴らしい政策を打ち出そうと、やはりまずは民の信頼を得ていないとダメだと思います。最近の日本の政治家は「政治は結果責任」などと言って国民の信頼を損なうことを平気でやり続けていますが、果たしてそれでよいのか、いつか手痛いしっぺ返しを受けるのではないかと思っているのですが。

次回作にも期待が持てますね!

録画しておいた『アナベル 死霊人形の誕生』を視聴。この「死霊館」シリーズはこれで4作目になりますが、なかなか面白いです。本作は呪いの人形アナベルの誕生秘話です。

これまでのシリーズの前日譚になるわけですが、違和感なく過去のシリーズに繋がっている気がします。この人形を作ったのは人形師だったのですね。しかし愛する娘を亡くしてしまい、娘に会えるならと邪教にすがり、かえって悪魔を人形に取り憑かせて(呼び込んで)しまった、ということのようです。

本作で人形に取り憑いた悪魔に魂を取られた少女は後半になって姿を消してしまいますが、名前をアナベルと変え別の夫婦の元に引き取られ、更に成長して「アナベル 死霊館の人形」の冒頭へと繋がるようです。そして「アナベル 死霊館の人形」がシリーズ第一作「死霊館」に繋がるわけです。

ホラーとしては、実はそれほど怖い感じはしません。結果的に悪魔に魂を売ってしまったとはいえ人形師夫婦の娘を失った悲しみは同情しますし、その寂しさを埋めるため自宅を孤児院に提供するというのも理解できます。ただ、自宅に何も知らない子どもたちを招くことすら悪魔に操られてしてしまったことだったようですが。

この家に棲む悪魔は何も知らない孤児を利用して封印を解かせ暴れ回るわけですが、襲われるのが孤児という設定も心引かれますし、悪魔に最初に狙われた少女は足が悪く杖を使わないと歩けないというハンディを背負っているのもポイントが高いです。結果的に悪魔はそんなお涙頂戴的な状況には何ら頓着せず、やりたい放題ではありますが、少女の体を手に入れたら意外とあっさりしていたような気もします。人形師夫婦こそ殺されてしまいますが、この家に移ってきた孤児たちは、取り憑かれた少女を除いて誰一人死んでいません。これはこの手のホラーとしては意外と珍しいのではないでしょうか?

そして本作の中に、曰くありげにルーマニアの修道院の話が語られますが、そこから次回作が公開になるようです。

イメージってこういうものなのか……

 雑誌「ゲーテ」で乃木坂46の白石麻衣が秘書姿を披露するそうです。

左の写真は、そんなまいやんのワンカット。好き嫌いはおくとして、いかにも大手企業にいそうな「美人秘書」という感じです。

そして遡ること数年前、先日NMB48からの卒業を発表した山本彩も、同じく「ゲーテ」誌上で秘書姿を披露したことがあります。右の写真がそのワンカットです。

秘書と呼ぶには胸を強調したスタイルで、実際にこんな秘書がいたら、役員から注意をされるのが常識ある企業ではないでしょうか?

何が言いたいのかと言いますと、乃木坂46とNMB48の違いです。いや、もっとはっきり言うなら、46グループ(坂道グループ)と48グループ(AKBグループ)の違いです。

一般の方に言わせれば「何が違うの?」と言ったところでしょうが、両者はかなり異なります。わかりやすいのが衣装です。46グループの方はスカートの丈も長く、比較的露出の少ない衣装が多いです。漢字欅などは夏でもかなり暑苦しそうな衣装だったりします。それに対して48グループの方はミニスカートが多く、ザ・アイドルといった衣装が多いです。

乃木坂46はしばしば「清楚」と言われ、それに対してAKB48は「ケバい」と言われることもあります。実際にメンバーがそうだというのではなく、大人たちによってそういうイメージを植えつけられている、ということなのでしょう。今回のように同じ雑誌で同じテーマのグラビアでも両者はこのような差になって表われるわけです。

他にも、一般的なアイドルの雑誌をめくってみると、AKBをはじめとした多くのアイドルは、夏などは特に水着ショット満載、もしかしてAV女優ですか、と言いたくなるほど過激なものも多々あります。それに対して坂道グループは、雑誌では水着は一切披露しませんし、露出少なめの衣装で登場することが多いです。一つの雑誌の中できわどい水着ショット満載の中、しっかりとワンピースに身を包んだ坂道系のショットはかなり違和感を感じることがあります。

この傾向は楽曲のPVでも言えます。

上の2本のPVはAKB48の夏曲です。基本的に、海で水着で歌い踊っています。

それに対して、上の2本は乃木坂46の夏曲のPVです。主たる舞台が海なのは同じですが、メンバーは水着にはなっていません。着込んでいると言ったら言いすぎでしょうが、やはり露出は多くありません。グループのイメージをお互いに徹底させているということでしょう。それでなくとも世間からは、同じ握手アイドルでしょ、秋元康のグループでしょ、と一緒くたに見られているわけですから、明確な差別化というのは必須なのだと思います。

で、ネットなどの情報ではありますが、48グループに属する女の子たちが水着になることを必ずしも喜んでいるわけではないそうです。そりゃそうでしょうね。ごくごくふつうに水着を着てプールサイトや海で楽しんでいるカットならともかく、雑誌などを見てもかなり過激なポーズをとらされているものが散見されますから。

「AKBではなくて乃木坂に入りたかったなあ」というメンバーも多いのではないでしょうか? もちろん、その逆のメンバーもいるのではないかと思いますが。

これで3分の2(4分の3)が揃いました!

予告通り、今朝の朝日新聞読書欄で『力の追求(上) ヨーロッパ史1815-1914』『力の追求(下) ヨーロッパ史1815-1914』が紹介されました。

本書は「シリーズ近現代ヨーロッパ200年史」という副題からもわかるとおり、ヨーロッパのこの200年を通覧する、全4巻のシリーズです。

既に『地獄の淵から ヨーロッパ史1914-1949』が刊行されていまして、これで1815年から1949年までが揃ったことになります。戦後から現在までの最終刊は来年刊行予定ですので、しばしお待ちください。

A5判という、やや大きめの判型で、ページ数もそれなりにありますので、お値段もちょっと張りますが、それに見合うだけの内容です。興味を持たれた方は店頭でぜひ実物をご覧になってください。

Libération de Paris

本日、8月25日は、日本ではあまり話題になりませんが、第二次世界大戦におけるパリ解放の日です。

というわけで、本日は『パリ解放1944-49』をご紹介します。

本書はアントニー・ビーヴァー、アーテミス・クーパー夫妻の著。「ドゴール将軍と共産党など、国内レジスタンスの間で繰り広げられた権力闘争を軸に、混乱期から復興へと向かう戦後パリの姿を生き生きと描いた第一級のドキュメンタリー」です。フランス国民、特にパリっ子にとっては非常に重要な記念日なのでしょう。韓国などで言う光復節のような感じなのではないでしょうか。

しかし、タイトルに「1944-49」とあるように、解放されてからも復興への紆余曲折があったようです。興味がおありの方は是非本書をご覧ください。

その他、ついでにパリ関連の書籍をご紹介します。

  

パリが沈んだ日 セーヌ川の洪水史』と『モンマルトル風俗事典』はまだ在庫がありますが、『パリ歴史事典』は現在在庫切れです。申し訳ありません。

処女地だらけ!

この夏から、営業担当エリアが変わりました。

変わったと言うよりも増えた、拡大したと言った方が正確です。なにせ、営業部員が一人退職したのですから。

で、拡大したエリアというのが東横線です。そこから横浜を超えて三浦半島や湘南方面も担当することになりました。

このところ、少しずつ新しいエリアを回り始めています。ちょっと新鮮な気持ちです。楽しいです。

ところで、この東横線、実はあたしってほとんど来たことがないし、ましてや降りたことがないところだらけです。

渋谷を出て、代官山は蔦屋のイベントに何回か来たことがありますので、辛うじて降りたことはありましたが、そこから先、自由が丘までは降りたことが一度もない駅ばかりです。自由が丘ですら最後に訪れたのはたぶん20年以上前のことだと思います。

そして上の写真です。

ご覧のように田園調布駅です。

初めて降りました。さらに先は、日吉は慶應大学に何度か来たことがあるので降りたことがありますが、恐らく横浜まで、どの駅も一度も降りたことがないです。

うーん、これはなかなか楽しい営業回りになりそうです!

一瞬「?」かも知れませんが、歴としたタイトルです

またまた朝日新聞の夕刊です。

劇団ハイバイの「て」が紹介されています。

「て」って何? と一瞬思ってしまうかも知れませんが、戯曲のタイトルです。つい最近『て/夫婦』が刊行されたばかりで、「夫婦」も戯曲のタイトルです。

「て」「夫婦」どちらもこの夏、再演されていますので、朝日新聞の記事はその紹介、案内というわけですね。

ちなみに、作者の岩井秀人さんには他に岸田賞受賞作『ある女』もございますの、よろしければこちらもどうぞ!

この記事は、首都圏版のみの掲載かしら?

昨日の朝日新聞夕刊に、温又柔さんの記事が載っていました。

新刊『空港時光』を中心とした記事です。せっかくの記事ですが、そもそも夕刊なので、誰もが読めるわけではないですよね。夕刊がない地区ってかなり多そうですし。それに、この部分って、関西など他の地区の夕刊も同じ紙面なのでしょうか?

それはさておき、温又柔さんと言えば、来月にはあたしの勤務先からも『台湾生まれ 日本語育ち』がUブックスとして再登場します。現在ほぼ品切れ状態の単行本はしばしば書店や読者の方からお問い合わせをいただいていた商品で、これでようやく胸を張って対応できます。

ちなみに、今回は単に単行本をUブックスにするだけではなく、数篇の増補もあります。単行本をお持ちの方も更に一冊、Uブックスもいかがでしょうか?

ところで、紙面をよく見てみますと、温又柔さん、一面にも載っていましたね。

「朝日新聞」というタイトルのすぐ下に。

「日台はざまの作家」という惹句だけを見ると、あたしなどはマイナスイメージを持ってしまいがちなのですが、紙面の方には「言語・文化 境界を越えのびのび」とあって、あたしの先入観を壊してくれる内容です。

それにしても、日本と台湾というのはつくづく独特の関係だと思います。それに台湾と言っても、福建あたりを本籍とする人たちと国民党と共に渡ってきた人たちの対立、更には山地に暮らしている原住民族の人たち。ものすごくデリケートな問題が横たわっているような気がします。

ところで、『空港時光』は未読なのですが、これまでの温さんの作品では『真ん中の子どもたち』が好きです。主人公が中国へ語学留学をするのですが、ちょうどあたしが学生時代に短期の語学研修で中国へ行った時期と近いようなので非常に親近感が感じられたからです。

中国、もう10年以上行っていません。空気の問題とかいろいろ気になることはありますが、やはり機会があればまた行きたい国です。もちろん台湾も。

そんな中国絡みで、昨日の夕刊にはもう一つこんな記事が載っていました。早稲田大学で周作人の国際シンポジウムが開かれたという記事です。小川先生の名前も見えます。

記事のタイトルに「魯迅の弟」とあるからわかりますが、一般の日本人に「周作人」と言ってもピンと来ないのでしょうね。そもそも、魯迅が本名だと思っている日本人が大多数なのではないでしょうか?

いや、この点に関しては中国人はどうなのでしょう。日本人だって日本の文化についてきちんとした知識を持っているわけではありませんので、周作人が魯迅の弟だって知らない中国人、魯迅の本名を知らない中国人も多いのかも知れませんね。

立ち上がるんだ?

先日、某所のお祭りでお土産にクワガタをもらったと書きました。

カゴの中には成虫が1匹だけ入っていて、実は持ち帰った翌日には死んでしまったのです。理由は……

あたしが踏み潰してしまった

からです(涙)。

朝、起きたらカゴの蓋が開いていて、あれと思った刹那、あたしの足の下にクワガタがいたのです。

どうして外に出ていたのか? 昨晩きちんと蓋を閉めていなかったのか、すべては謎ですが、申し訳ないことをしてしまったという気持ちでした。

昨年は3匹入っていたので、今年もまだカゴの中にいるだろうと思ってみたら幼虫が1匹蠢いていました。

ああ、よかった。まだ1匹いた。

少しホッとしました。

が、この幼虫、一向に蛹になりません。幼虫→蛹→成虫という順番ですよね? いったいいつになったら成虫になるのでしょう? もしかして、秋とか冬になった頃に成虫になるのでしょうか? 冬のクワガタというのも乙なものですが、やはり季節感が……

あるいは、このまま幼虫のままで成虫になるのは来年なのでしょうか?

そんな幼虫ちゃん、今朝見たらご覧のように立ち上がっていました。熱帯夜だったので土の中が暑かったのでしょうか?