既に棚から消えてしまっているのでしょうか?

作品社から『マンシュタイン元帥自伝』という本が出ました。

  

マンシュタイン本人のものですと過去に『失われた勝利(上) マンシュタイン回想録』『失われた勝利(下) マンシュタイン回想録』が中央公論新社から出ていますが、今回は自伝なのですね。

そしてそして忘れてはならないのが、あたしの勤務先から出した『ヒトラーの元帥 マンシュタイン(上)』『ヒトラーの元帥 マンシュタイン(下)』という評伝です。作品社の新刊の隣に、うちの本は並んでいるでしょうか?

やはり新刊でないし、上下本というボリュームのために棚から消えてしまっている書店も多いようですね。この機会にもう一度並べていただけると嬉しいです。

ちなみに作品社は、マンシュタインの前には『「砂漠の狐」回想録 アフリカ戦線1941〜43』というロンメルの本も出していましたね。あたしの勤務先と合せると、ヒトラーとその群像の一大フェアが出来そうです。

朝鮮族の思い

北朝鮮と韓国、今日は歴史的な南北会談と言われています。

ひとまず朝鮮戦争が終戦を迎えるのでしょうか? あたしなどからしても、知識としては知っていましたが、朝鮮戦争ってまだ終わっていなかったんだ、と思った人は多いのではないでしょうか?

いや、若い世代ですと、朝鮮戦争って歴史の教科書の話ですよね?

それはともかく、朝鮮戦争が終戦を迎えたからといって一気に南北統一に向かうわけではないでしょう。ただ、その機運というか、期待が盛り上がるのも事実だと思います。緩衝地帯としての「北」を維持したい中国としては悪夢のシナリオかも知れませんが……

そこで思い出されるのが、中国東北地方に住む朝鮮族のことです。

最近読んだ『辺境中国 新疆、チベット、雲南、東北部を行く』で改めて気づかされたのですが、朝鮮人って南北朝鮮にだけ住んでいるわけではないんですよね。仕事や学業で海外移住している人は別として、中国の東北地方にもかなりの人数が住んでいて、中国では少数民族の一つとして扱われています。

ただ、現代では中国国内に住んでいるだけであって、朝鮮人の中には「このあたりはもともと自分たちの国の一部だった」と考えている人も多いようです。北と南、そして中国東北部の三つのコリア、というわけです。

確かに、歴史を遡ってみますと、正確な国境線など引けませんが、あのあたりを朝鮮の王朝なり政権が統治していた時代はあったわけで、朝鮮人の主張にも一理あることがわかります。朝鮮人から見たら、満州人(女真族)などに言われるならまだしも、中国(=漢民族)から「ここは中国の領土だ」と言われるのは腑に落ちないのではないでしょうか?