スマホでコミックを読むのは読書でしょうか?

朝日新聞から記事が二つ。

まずは大学生の読書時間。

前にも、こんなニュースが流れましたね。二極化というのは読書に限らず、現在の日本ではあらゆる分野で見られる現象のような気がします。大学生がこれなら、高校生や中学生も推して知るべし、なんでしょう。

こういう大学生、大人になったら本を読むようになってくれるのでしょうか?

もう一つは電子書籍のニュース。コミックでは電子が紙を超えたそうです。と言うよりも、電子書籍って、日本では8割か9割がコミックなんですよね?

電車の中でスマホを見ている人を観察しますと、ゲームやSNSを除くと、新聞を読んでいる人が時々いるくらいで、あとはほぼ全員がコミックを読んでいますね。紙媒体のコミックは一部の売れる作品はよいでしょうが、それ以外は悲惨な状況ではないでしょうか?

スマホでコミックを読んでいる時間は、上掲の大学生の調査にある「読書」には含まれないんですよね?

サイン本、ゲット!

新刊『海峡を渡る幽霊 李昂短篇集』は台湾の作品ですが、かつて著者のリー・アンさんが来日したときに小川洋子さんと対談し、その模様は『小川洋子対話集』に収録されています。

 

黙っていても、中国小説ファンの方には『海峡を渡る幽霊』が刊行されたというニュースは届くと思いますので、ここはひとつ、小川洋子さんファンにも手を伸ばしていただきたいところです。

そんなリー・アンさん、先日来日されました。台湾文化センターで講演会も開かれました。

残念ながら、あたしは出張のために、講演会は聞きに行けなかったのですが、勤務先の同僚に託して、サインをいただきました。

「サイン本、いいなあ~」と思われた方、上掲のように紀伊國屋書店新宿本店に少しだけサイン本が入荷しています。急げ!

残念ながら映画原作ではないのよね

マット・デイモン主演で「ダウンサイズ」という映画が公開になります。

人類を救うために小さくなる、ということらしいですが、「それがどうして人類を救うことになるのか?」という気もしますが、まあ、いいでしょ。

で、この映画のことを知ったとき、思い出したのが、『ミニチュアの妻』です。こちらも人間が小さくなってしまうお話です。

簡単にストーリーを紹介しますと、夫は様々なものをミニチュア化する仕事をしています。小さくすればいろいろと扱いやすくなる、ということらしいです。が、何の間違いか、自分の妻が小さくなってしまいました。もちろん、彼は小さくしたものを元に戻す方法も知っています。しかし、それには何種類かあるミニチュア化の方法がわからなければなりません。自分の妻はいったいどの方法で小さくなってしまったのか!

仕方なく、夫は妻が小さくなった方法がわかるまでは、せめて快適にミニチュア生活を送れるよう、部屋からベッド、家具などの調度品を妻の大きさに合わせたサイズにミニチュア化します。ちょうどシルバニア・ファミリーの家や家具をイメージしていただければよいでしょう。

妻のため快適な生活が送れるように用意をした夫に対し妻が採った行動は……、というお話です。いや~、心温まるファンタジーな夫婦愛の物語を予想しながら読んでみてください。きっと後半の展開に驚くはずです。

ちなみに、この『ミニチュアの妻』は、上述のタイトル作を含む、奇想天外な短篇集です。面白さ抜群です。未読の方は是非!