破天荒つながりで、こんな対談企画は?

今宵は神保町のチェッコリで、明日配本の『ピンポン』の先行販売を兼ねた、訳者・斎藤真理子さんのトークイベントでした。

 

『ピンポン』の感想は別途書くとして、この作品は『カステラ』に通じるような破天荒さと言いますか、荒唐無稽さと言いますか、そんなところが感じられます。もちろんメチャクチャな話というのではなく、しっかりとしたストーリーがあり、社会風刺的なスパイスも効いていて、だから読後にいろいろ考えさせるところもあるのですが、設定の突飛さはやはり際立っています。

で、あたしの数えるほどの読書体験から思い出したのはプラセンシアの『紙の民』やゴンサレスの『ミニチュアの妻』です。どちらも訳者は藤井光さん。というわけで、斎藤真理子さんと藤井光さんのトークイベントなんて企画できないだろうかと思ったりしました。

 

藤井さんには韓国系アメリカ作家ポール・ユーンの『かつては岸』という訳書もありますし、なかなか面白い対談になるのではないかと思うのですが……

それにしても、こういう作品を編み出す作者の頭の中ってどうなっているのでしょうね?

じわじわマルクス?

雑誌『現代思想』の「6月臨時増刊号」が好調なようです。雑誌コーナーではなく、人文書コーナーで見かけることが多いです。

今年が『資本論』刊行150年ということでの特集ですね。1867年に第一部刊行されたそうですが、ピケティ以来『資本論』やマルクスが再び脚光を浴びているという実感はあります。

また、今年はロシア革命100年という節目の年でもありますから、今一度原点であるマルクに戻ってみるという流れもあるように感じます。

で、マルクスと言えば、あたしの勤務先からも本の評伝を出していますが、そのマルクスは来年が生誕200年です。マルクス・ブームはまだ続きそうです。