どうしても東京ばかりになりがちですが……

告知が始まりましたが、5月7日の午後、紀伊國屋書店グランフロント大阪店でイベントが行なわれます。

先日、岸田賞を受賞した上田誠さんのトーク&サイン会です。ヨーロッパ企画の俳優さんたちも飛び入りで参加されるそうです。実は、先日、下北沢のヴィレッジヴァンガードでサイン会を行ないましたが大盛況でした。熱心な上田さん、そしてヨーロッパ企画のファンの方が列を作ってくれました。

が、そもそもヨーロッパ企画は関西がホームですよね? 「東京ではサイン会をやったのに、大阪ではやらないの?」というファンの方の声が上がるのももっともです。ということで、過去にDVDの発売イベントなどでお世話になっていたグランフロント大阪店での開催が決まったという次第。

それにしても、こういったイベント。大手出版社の有名作家のサイン会、お渡し会といったものは時々聞きますが、それ以外のイベントは東京以外ではなかなか開かれませんね。まあ、理由ははっきりしています。ほとんどの出版社が東京にあるので、なにかと大変なのです。

それでも少し前ですが、ジュンク堂書店大阪本店で松本健二さんといしいしんじさんのトークイベントを行ないました。これは演者のお二人が関西在住の方という地の利があっての実現でした。

この手の、海外文学の訳者によるイベント、東京ではしばしば行なわれますが、東京以外では本当に稀です。でも、海外文学ファンは東京だけにいるのではありません。日本全国にいるはずです。ですから、個人的には東京以外でも機会があればやりたいなあとは思っていますし、出張先で話をすると書店員さんも「東京はいいですね」と言われることが多いです。

先日の日本翻訳大賞授賞式だって、受賞者が松本健二さんと藤井光さんという関西在住のお二人ですから、京都か大阪でやってもよかったのではと思っている「ガイブン・ファン」も多かったのではないでしょうか?

というわけでもないでしょうが、いま名前を挙げた関西在住のお三方によるイベントが京都の誠光社であるようですね。行ってみたいところですが、あたしの関西ツアーはちょうどその少し前なんです。日程をずらそうかしら?

そんなもの持っていないわけですが、でも、泣けました

昨晩放送されていたフジテレビ系の「世にも奇妙な物語」。見ようと思っていたのですが、昨日は一日中眠くて、結局夜は8時すぎに布団に入ってバタンキューでした。なので、チャンネル録画されていたのを本日視聴しました。

個人的には、中条あやみちゃんが出ている「夢男」に期待していたのですが、実はこれが一番ビミョー。視覚的な怖さもなければ、心理学的な迫力も見えず、結局何だったんだろう、という作品でした。そういう意味では、永作博美の「一本足りない」の方が、「なんだ、夢か」と思わせておいて実は現実、と思わせておいて、的な展開が楽しめました。

そして、実は最後の遠藤憲一主演の「妻の記憶」にやられました。泣けました。こういうの弱いです。

しかし、あたしの場合、結婚していないので「妻」なんていません。だから、もちろん「妻の記憶」なんてあるわけはありません。恐らく、今後も「妻の記憶」どころか、「妻」も持てない人生を送るのだと思います。「もし結婚していたら…」という男の妄想、というオチにはなっていませんでしたが、もし妻を亡くすと、あんな風になってしまうのでしょうか?

動物園のゴリラの前でのプロポーズ。若かりしころの遠藤憲一と原田美枝子は、どう見てもお姉ちゃんと弟にしか見えないのですが、ああいうデートというのもあたしには経験がないので、あの昂揚感も現実には理解できないものの一つです。そのあたりはテレビドラマや小説での間接的な体験を、逞しい妄想で補って感情移入するわけですが……

ところで、今回のエピソードの合間に挟まれた「しりとり家族」に浜辺美波が出ていましたね。最初は気づきませんでした。今回は笑わせるお話でしたが、彼女には実写化された「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のめんま役でさんざん泣かされました。うーん、ああいう小さいころの友達と楽しく遊んだ記憶というのもあたしには皆無だし、もちろん誰かが死んだという体験もありませんけど、でもあのドラマには泣かされました。アニメは未見ですが。

在庫が……

世界史の本を紹介させたら日本一(?)な印象もある出口治明さんの新刊『「都市」の世界史』は世界の十都市を取り上げて、出口さんがその来歴などを語るという一冊です。

なぜ、パリは「花の都」と呼ばれるほど美しい都市になったのか。なぜ、イスタンブルは「世界帝国の都」になったのか。なぜ、ローマは「永遠の都」と呼ばれるのか。イスタンブル、デリー、カイロ、サマルカンド、北京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、世界を牽引してきた10の都市の歴史から世界史を知る一冊。

PHP研究所のサイトでは、本書について上のように書いてあります。取り上げられている都市の一つにベルリンがありますが、参考文献には『 ベルリン陥落1945』が挙げてありました。

 

いやー、残念。この本、現在品切れなんです。復刊のリクエストも時々寄せられるのですが……

絵本とおともだち、だったのか?

二子玉川の高島屋で「絵本とおともだち」というフェアをやっていました。

基本的には児童書出版社、福音館書店の「こどものとも」と、そこから生まれた絵本のフェア、という感じでした。本の展示即売だけでなく、ちょっとした体験ができるコーナーもあり、子どもには楽しい催しではないでしょうか? また「絵本ができるまで」として原稿やゲラの実物の展示も行なわれていました。入場は無料で5月7日までです。

で、絵本です。

 

記憶が残っていないだけなのか、あたしは幼いころに絵本を読んだという記憶がほとんどありません。もちろん全く読んだことがないというのではなく、いくつか記憶に残っているものはあります。会場で展示されていたものの中では『三びきのこぶた』と『おおきなかぶ』くらい、他の本は幼少時においては見たことも読んだことも全くないものばかりでした。

なにせ『ぐりとぐら』ですら、全く読んだことがないので、あたしの幼少時の絵本体験ってどんなだったのだろうと思います(汗)。

もちろん他にも読んだような記憶のある絵本はありますが、そもそも子供が絵本の出版社を意識するなんてことはありません。いや、親だって、出版社を意識して絵本を買い与えている人は多くはないでしょう。たまたまあたしの場合、福音館の絵本とはあまり縁がなかっただけなのかも知れません。

 

なので、いまだに出版社は知らないのですが、『手ぶくろを買いに』とか『ベロ出しチョンマ』などは、読んだことのある絵本として覚えています。確か、『ベロ出しチョンマ』は細かなストーリーは忘れてしまいましたが、悲しいお話だったような記憶があります。

まあ、こんな絵本体験の記憶しかありませんが、その後もずーっと本は好きで、いろいろ読んできました。かなりジャンルに偏りはあると思いますので、有名なものとか、その当時においては必読と言われたようなものをことごとく外しているかもしれません。それでもこうして出版社で働いているわけですから、人生って不思議なものです。

作品よりも著者本人の方が……

昨晩は下北沢のB&Bで、《エクス・リブリス・クラシックス》の新刊『キャサリン・マンスフィールド傑作短篇集 不機嫌な女たち』イベントでした。同書の訳者・芹澤恵さんと対談相手に山崎まどかさんをお迎えして、あっという間の二時間でした。

 

ところで、マンスフィールドはニュージーランド出身の作家で、同シリーズでは『潟湖(ラグーン)』のジャネット・フレイムもニュージーランド出身で、いみじくも同シリーズにニュージーランドの女性作家が似た里が収録されるという結果になりました。

が、作品世界は好対照です。『不機嫌な女たち』は誰もがきっと共感したり、「うん、うん」と思わず頷いてしますようなエピソード、オチが秀逸で、昨晩のトークでも、登場人物の気持ちを直接表現するのではなく、情景描写によって示すような書き方をしていて、非常に洗練された作品群である、との発言がありました。当時は相当玄人ウケしたようです。昨晩のメモを見返してみますと、梯子の外し方がうまい、といった発言もありました。

さて、本書ですが、編集を担当した鹿児島有里さんによりますと、芹澤さんの翻訳作業は比較的スムーズに進んだそうですが、どの作品を収録するかの選択に時間がかかったとのことです。

と言うように、本書は日本版独自の短篇集となっています。2015年にマンスフィールドの未発表原稿が数編見つかり、せっかくだからその中からも選ぼうということになったそうです。今回の翻訳のコンセプトが「女たち」に決まっていたので、大人向けに書かれていた一編「ささやかな過去」を収録したそうです(それ以外の作品は子ども向けだったそうです)。ただし、収録された本作は、マンスフィールドには珍しく、自伝的要素の強い作品で、これまで発表された作品の中にはなかったものだそうです。

ところで芹澤さん、山崎さんという女性お二人が、女性作家の、女性をテーマにした短篇集について語る、ということだからでしょうか? 会場のB&Bは予約で満席(40名弱)、なおかつ、その中に男性は3名しかいない、という極めて女性比率の高いイベントになりました。ただし、高校生や大学生のような若い層は見当たらず(もし会場にいらっしゃっていたらゴメンナサイ)、20代後半から30代と言ったところが中心だったでしょうか? やはり、『不機嫌な女たち』の世界を理解するには、多少の人生経験が必要なのかも知れません。だからこそ、背伸びしたい女子高生なんかにも読んでもらいたいし、たぶん、きっと、楽しめること間違いなしだと思います。

さて、今回のダイアリーのタイトルですが、いろいろな女性の機微を描いているマンスフィールドなんですが、実は本人の34年という短い人生の方がよほどドラマチックです。伝記は出ているようですが、ドラマとか映画にはなっていないようです。トークの中でも「BBCあたりが絶対映像化すべき」という話題も出ていました。ちなみに、マンスフィールドの記念館が日本にあります。

 

 

立ち食いそば屋でうどんを食べる

昨今は、はなまるうどんとか丸亀製麺など、うどん専門のお店も増えてきていますが、駅などにあるのはほとんどがそば屋です。なにせ「立ち食いそば」という言葉はあっても「立ち食いうどん」という言葉は、なくはないのでしょうが、ほとんど人口に膾炙していないと思います。

あたしの勤務先の近所には富士そばとか小諸そばがあり、たまに食べることはあります。この数年の営業回りですと、小田急線を担当しているので、箱根そばも時々食べます。

でも、食べるときはもっぱらうどんです。

あたしは、生まれも育ちも東京なのですが、小さいころからそばではなく、うどんが好きでした。「東京の人」と言うと「そばが好き」と思われがちですが、あたしはうどん党です。

で、時々思ってしまうのです。

立ち食いそば屋、特に店名が「●●そば」のような場合、そんな店でうどんを注文してもよいものか、と。もしかして、お店の主人は、「こいつ、おれの店でうどんなんか注文しやがる」と思っているのではないか、という風に、小心者のあたしは考えてしまうのです。

カップルが多いと感じるのは気のせい? それとも単なる嫉妬?

今宵は紀伊國屋書店新宿本店で「よんとも」でした。

「よんとも」って何? という方もいらっしゃると思いますよね。

書評家の豊﨑由美さんが毎回ゲストを招いてガイブンについて語るトークイベントで、今宵が第49回でした。隔月のイベントで、場所は固定されていません。紀伊國屋書店新宿本店で行なわれるのは、第46回の石倉三郎さんがゲストの時以来になります。そして、今回のゲストは今福龍太さん。クレオールをキーワードに熱いトークが繰り広げられました。

ところで、このところこういったイベントがちょこちょこありまして参加しておりますが、どうしても帰宅時間が遅くなります。それこそ、ふだんなら、もうとっくに家の布団に入って本でも読んでいるような時間までイベント会場にいたりすることもあります。翌日はツラいですが、イベント自体は楽しいので決して苦にはなりません。

が、そういう、帰宅時間が少し遅くなるときに駅やホーム、電車内で気づくのはカップルの多さです。ふだんの帰宅時間、いわゆる夕方のラッシュ時間に比べ、そういう二人組がやたらと目に付くように感じられます。

なんでしょう、単なるあたしの嫉妬なのでしょうか?

しかし、そういう時間って、たぶん二人でデートをした帰りですよね。ちょっとお酒なんか入っているのでしょうか? だから、二人ともちょっとテンションが高くなっているのか、夕方の時間帯よりはラブラブな様子が相俟って、イヤでも目に入ってくるのかも知れません。

実際のところ、どうなのでしょうか?

またまた増刷

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