真実の愛?

『ギリシア人男性、ギリシア人女性を求む』より

「あなたは恩寵を受けているのですよ」と老紳士は言った。「この恩寵には理由がふたつ考えられますが、どちらになるかは実はあなた次第なんですよ。ひとつは愛、もしもそれをあなたが信じるとするならば。あるいは悪、もしもあなたが愛を信じないとするならば。愛はいつでも出現可能な奇跡です。悪はいつもそこにある事実です。正義は悪をこらしめ、希望は悪をよいものにしようとし、愛は悪に目をつぶる。愛だけが恩寵をそのまま受け取ることを可能にするのです。それは最も困難なことです。それは私も知っています。世界は悲惨で無意味だ。このすべての無意味なものの背後に、このすべての悲惨なものの背後に意味があるのだ、という希望は、それでもなお愛する人だけを守ることができるのです」(P.199)

もう一つ。

あなたは真実を知ることなしに私を愛することはできなかったし、私たちを危うく破滅させかけた真実よりも強いのは愛だけなのですもの。あなたの盲目の愛は、ちゃんと目の見える愛のために壊されなければならなかったのよ。そういう愛だけが価値のあるものなのですもの。(P212)

新刊ガイブン2点の、驚くほどのシンクロは何を意味するのか? それともやはり、ただの偶然?

新刊の『ギリシア人男性、ギリシア人女性を求む』と『ムッシュー・パン』、両方読んでいる方は少ないのかも知れませんが、奇妙なシンクロを発見しました。

 

『ギリシア人…』の主人公が入り浸っている食堂(?)の女主人の名前が「ジョルジェット」、かたや『ムッシュー・パン』の主人公、パンが治療を頼まれる詩人の妻の名前が「ジョルジェット」。

『ギリシア人…』の主人公は酒もタバコもやらないベジタリアン、『ムッシュー・パン』のパンも酒・タバコをやらないベジタリアン。

なんなのでしょう、この一致は? 別にあたしの勤務先の編集部が意図して同時期に発売したわけではないでしょうが……(汗)

結局、最後は電子?

朝日新聞の連載、最終回。

最後の希望は電子書籍なのでしょうか? そんな印象を受けました。しかし、ビジネスモデルとして成立しているのか、いまだにそういう不安を持っているあたしは周回遅れの人間なのでしょうか?

そんな今朝の朝日新聞にもう一つ、電子化や全文検索の著作権法改正だそうです。法律のことは小難しくてよくわかりませんが、著者の権利も大事ですが、ユーザー側のことも考慮してもらいたいところです。結局、著者や出版社のことばかりを考えすぎて、使い物にならないでは洒落になりませんからね。

恋愛小説だったんだ!

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