泣きたい夜のイッキ読み

年月日』の売れ行きが順調です。重版が決定しました。

ということで、店頭で少しでも目立たせるためにポップが出来上がりました。

しかし、あれ? おかしい。なんか違う……

そうです。「必死」じゃないんです、「必至」です(汗)。

というわけで、作り直しました。

しかし、既に読んだ方であれば、「必死」というポップも、ある意味ではこの作品世界を表わしていると納得してくれるかもしれません。

それにしても、この『年月日』、泣けます。おじいさんと犬の物語。名作「フランダースの犬」のネロがおじいさんであれば、まるで『年月日』のようなもの。

「フランダースの犬」の最終回(あくまで子供のころに見た、日本のテレビアニメ版)、教会のシーン。ネロを追いかけてきたパトラッシュに、疲れ果てたネロがかける言葉は涙を誘います。負けず劣らず、万策尽きた先じいさんがメナシにかける

わしの来世がもし獣なら、わしはおまえに生まれ変わる。おまえの来世がもし人間なら、わしの子どもに生まれ変わるんだ。一生平安に暮らそうじゃないか。先じいがそこまで話すと盲犬の目が潤んだ。先じいは盲犬の目をふいてやり、また一杯のきれいな水を汲んで盲犬の前に置いた。飲むんだ。たっぷりとな。これからわしが水を汲みに行くときは、おまえがトウモロコシを守るんだ

という言葉も心にしみます。そしてエンディング、「フランダースの犬」も『年月日』も一人と一匹を待ち受ける運命は、あまりにも苛酷です。

いまだ解決せず?

今朝の朝日新聞の記事です。

まあ、アマゾンに関しては言いたいことは山ほどある、という方も多いと思いますが、今回の件はあまりにも不誠実、嘘つきや詐欺と言われても仕方ないでしょうね。

それにしても記事の中で

紙の本も電子書籍も、ネット書店からの『オススメ』がなければ読者に情報が届きにくく、存在していないのと同じ状況になる

という福井弁護士の言葉が気になります。本の好きな人は、自分からいろんなサイトを回って情報を集めていますが、確かにその他大勢の一般の人はそこまでしないですよね。そして本を調べるにはアマゾンのサイトで、なんていう人がほとんどでしょう、そうなると、アマゾンのサイト、それも上位に載っていないと「無いも同然」ということになってしまうのもわかります。グーグルの検索結果で1ページ目に出て来ないとダメだと言われるのと同じ構図ですね。

しかし、果たしてそんな画一的な情報入手方法だけでよいのでしょうか? ここまでパソコンやネットが普及した以上、小学生からの情報教育を根本的に考えないと、将来の大人が恐ろしいことになっていそうです。

ああ、眠い

今日は会社(営業部)の忘年会。

会場は新宿の高島屋最上階、天厨菜館でした。

名前でわかるとおり中華です。でも、全然コッテリしていなくて、お上品な味付けでした。なんとなく量が少なめかなと思っていましたが、最後の方はもうお腹いっぱい、満腹となりました。

肝心の夜景ですが、ちょうど新宿のサザンテラスを見下ろす個室ではありましたが、サザンテラスのイルミネーションがパッとせず、うーん、イマイチでした。

忘年会をやってしまうと、もう明日はお休みという気分ですが、まだまだ今日は火曜日。あと二日ある! それに明日は会議だ……(涙)

人は易きに流れるものか

書店で、宗教や文化史の棚が気になります。

カラー版 神のかたち図鑑』なんて書籍を刊行しているからです。本書以外にも神様や仏様、宗教的なシンボルの事典って意外とたくさん刊行されていて、種類が多いのに驚かされます。やはりビジュアルが大事ですね。

が、こんな本が一緒に並んでいました。

ご利益で見る日本の神様イラスト大図鑑』です。いかにも宝島社の本という感じ、神様のイラストはどれもアニメキャラのようで、イラストに関しては時代考証がされているとはとても思えません。

でも、このジャンルにちょっとだけ興味が芽生えたような入門者には、こういったタイプの本が売れるのでしょうね。日本の文学作品だって、カバー装画が萌えキャラっぽくなっていたりする昨今ですから。

でも、この本が宗教や文化史の棚に並んでいると、ちょっとどころか、かなりの違和感を感じます。

と思っていたら、すぐお隣の哲学・思想の棚にはこんな本がありました。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』です。「京都を舞台にした「実存主義哲学」入門のエンタメ小説」だそうです。

ニーチェとエンタメ? なんだそりゃ? というのが正直な感想ですが、やはりこういう風に敷居を下げ、間口を広げないと、哲学など人文科学に興味を持ってくれる人が減ってしまうという危機感の表われなのでしょうか?

こういった類いの本、あたしは一概に否定するつもりはありませんが、問題はここから専門書とか、いわゆる人文書と呼ばれる書籍に手を伸ばしてくれるような読者がどれくらいいるのか、ということだと思います。こういうのを読んでわかったような気になられたら、それはそれで困ったものだと思うのですが……

併売を希望すると藪蛇?

こんな本を見かけました。

ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』です。先月出たばかりの本です。

いまベルクソンなのでしょうか? となると、当然のことながらあたしの勤務先から出ている『物質と記憶 新訳ベルクソン全集(2)』ですよね?

しかし、これを取り上げると、『新訳ベルクソン全集』の次はいつ出ますか(?)と逆に問い詰められてしまいそうです。

今のところ第5巻までが刊行済みで、第6巻、第7巻の刊行が延び延びになっていてご迷惑をおかけしております。残り二巻、早く出したいのはやまやまなのですが……

たぶん年明けまでは持つでしょう……(^_^;)

少し前に、年末年始用のお酒が届きました。全部で7本です。下の写真を見ると9本じゃないかって? 確かにそう見えますね。でも、右の2本は、手前の瓶が奥の箱に入っていたのを、あえて箱から出して写真に収めたので、ですから合計で7本です。

ちなみに、こういったお酒はすべて、母の故郷・新潟のお酒で、その故郷にある酒屋さんから購入しています。東京の酒屋では見かけない銘柄も扱っているので、年に何回か買っています。

基本は晩酌用です。お客が来るわけでもないので、ほぼすべてあたし一人で飲みます。一升瓶ではなく、720mlですので、一回で半分くらいは飲んでしまいます。飲み過ぎでしょうか? とはいえ、毎晩飲むのではなく、週末くらいですし、お正月休みだからといって昼間に飲むことはまずありません。

で、先日、まずはこちら「恵信」をいただきました。君の井酒造のお酒です。この名前、親鸞の妻、恵信尼から取っているのですよね? 君の井酒造のウェブサイトにも何の情報も載っていないので詳細は不明ですが、越後で恵信と言えば、これしか思い当たりませんから。今回初めて賞味するお酒です。

そして昨日開栓したのがこちら、「ぶなの露」です。これは武蔵野酒造のお酒です。そういう名前ですが、関東の酒舗ではなく、やはり新潟の酒舗です。ウェブサイトによると

ぶなの露は新潟県東頸城郡牧村の棚田で減農薬で米を栽培する生産グループ「深山の里の会」の5人の方々が丹精込めて育てた酒米五百万石を100%使用して造られた60%精白の特別純米酒です。原料水には同じく牧村に湧き出る伝説の名水「弘法清水」を使用しています。清らかな水の湧き出るぶな林と自然の残る牧村をイメージして醸しました。

とあります。この牧村が母の故郷です。このお酒は飲みやすいので、これまでにもずいぶんと飲んでいます。これほど気に入っているのですが、東京では本当にお目にかかれないですね。どこか飲ませてくれる居酒屋はあるのでしょうか。ちなみに、武蔵野酒造では春日山というお酒もとても美味しいです。

アマゾンのここがヘン?

近刊の『鬼殺し』は台湾の小説です。決してアルコール類の名前ではありません。

という冗談はともかく、《エクス・リブリース》シリーズの一冊で、上下本になります。それをネット書店で検索してみました。

  

上は左からアマゾン、紀伊國屋書店、丸善&ジュンク堂のサイトの検索結果です。あまり面倒な検索条件は付けずに、検索窓に「鬼殺し」と入れて検索していただけです。

 

そして上の二つは、左がセブンネット、右がヨドバシカメラのサイトの検索結果です。

一目見てわかるのは、アマゾンだけが本の画像が表示されています。これは出版社側が各サイトに手作業で登録するのか、はたまた各サイトがどこからか画像情報を入手しているのでしょうか? そのあたりの詳しいこと、あたしは知りませんが、出版元のサイトでは既に画像が表示されているので、これを使わせてもらえれば、どのネット書店でも画像を表示させることはできるはずです。やはり本を買うときに「ジャケ買い」ってありますから、発売前の予約段階で画像が表示されているか否かは、かなり重要なことではないでしょうか?

まさか出版社がアマゾンにだけは画像を早々と提供し、その他のネット書店にはまだ提供していない、ということがあるのでしょうか? うーん、そのあたりも、あたしはよく知りません。まあ、これだけたくさんの本が日々出版されているわけですから、ネット書店の担当者も一々チェックなどしていられませんよね。やはりロボットによる自動登録なのだと思いますが……

というわけで、こういう点を見ると、アマゾンがこのジャンルの雄であることが理解できます。しかし、この五つのサイトを見比べて、アマゾンについて気になることが一つあります。それは最初にも書きましたが、本書は上下本で、《エクス・リブリス》というシリーズの一冊(二冊?)だというのに、アマゾンだけは《エクス・リブリス》という表記が下巻にしか表示されていないことです。

他の四つのサイトでは、カバー画像こそ表示されていませんが、上下どちらにも《エクス・リブリス》という表記があります。上にも書いたように、こういうデータというか情報は機械的に一括登録されているはずなので、出版社が提供する元データで片方だけ抜けているということはありえないと思います。その証拠に他の4サイトではちゃんと表記されているわけですから。なので、どうしてアマゾンでは片方だけ抜けてしまっているのか? これは謎です。

アマゾンはこのようにヘンなところが時々見られます。もう少しなんとかならないものか、と思うのですが、やはり繰り返しになりますが、これだけ出版点数が多いと一つ一つのデータの精度をチェックしている暇はないのでしょうね。

「別に上下本の片一方にシリーズ名が抜けていてもいいじゃない」というのが多くの方の感想だと思います。そして「そんなことより画像が載っている方が重要」というのも多数意見なのでしょう。あまり目くじらを立てることでもないのですかね。

ちなみに、これが『鬼殺し(上)』『鬼殺し(下)』のカバー画像です。

チェルノブイリの祈りをわかっていただけますかねえ?

朝日新聞にインタビュー記事が載っていたのですが、スベトラーナ・アレクシエービッチさんが来日していたのですね。

アレクシエービッチと言えば『チェルノブイリの祈り』なのでしょうが、あたしはまだ未読です。もちろんタイトルどおり、チェルノブイリ原発事故を扱った作品だということは知っています。ただマスコミなどで現地の甚大な被害が報じられていても、あるいは放射能が大気中を流れて日本に押し寄せてくると言われても、どこか遠い国の出来事という感じでピンと来なかったのも事実です。

しかし日本も東日本大震災とそれに伴う福島の原発事故があって、当時はまるっきり他人事と思っていたチェルノブイリがものすごく身近に感じられるようになりました。で、最近、そんなチェルノブイリを扱った作品を読んだのです。それがこちら。

ジム・シェパードの『わかっていただけますかねえ』です。アメリカの作家の短篇集ですので、全編がチェルノブイリの話ではありません。この中の巻頭作品「ゼロメートル・ダイビングチーム」がチェルノブイリの事故を扱った作品になっています。

なんなんでしょう。淡々としていて、悲劇とか苦悩とか、そういったものは直接的には描かれていないような作品です。重大な事故を扱った作品なのに非常に静かな、不思議な味わいでした。どうぞ、一緒に並べてみてください!

ちなみに、この短篇集の中では、「エロス7」がやはりロシア(ソ連?)を舞台にした作品です。

 

ところで、岩波書店とコラボするなら『期待はずれのドラフト1位』と『もうひとつのプロ野球』なんてのも如何でしょうか?

忘年会とは

人文会の忘年会でした。

そして、ようやく忘年会シーズン到来です。

とはいえ、今年の忘年会は、あとは来週の会社(営業部)の忘年会のみですので、そんなに予定が立て込んでいるわけではありません。

そもそも、こういうオフィシャルな忘年会以外に気の合った仲間での忘年会といったものがないので、毎年せいぜい二つか三つです。

と書いてみて気づいたのですが、「気の合った仲間」というのが、あたしには存在しないですね(汗)。