アマゾンのここがヘン?

近刊の『鬼殺し』は台湾の小説です。決してアルコール類の名前ではありません。

という冗談はともかく、《エクス・リブリース》シリーズの一冊で、上下本になります。それをネット書店で検索してみました。

  

上は左からアマゾン、紀伊國屋書店、丸善&ジュンク堂のサイトの検索結果です。あまり面倒な検索条件は付けずに、検索窓に「鬼殺し」と入れて検索していただけです。

 

そして上の二つは、左がセブンネット、右がヨドバシカメラのサイトの検索結果です。

一目見てわかるのは、アマゾンだけが本の画像が表示されています。これは出版社側が各サイトに手作業で登録するのか、はたまた各サイトがどこからか画像情報を入手しているのでしょうか? そのあたりの詳しいこと、あたしは知りませんが、出版元のサイトでは既に画像が表示されているので、これを使わせてもらえれば、どのネット書店でも画像を表示させることはできるはずです。やはり本を買うときに「ジャケ買い」ってありますから、発売前の予約段階で画像が表示されているか否かは、かなり重要なことではないでしょうか?

まさか出版社がアマゾンにだけは画像を早々と提供し、その他のネット書店にはまだ提供していない、ということがあるのでしょうか? うーん、そのあたりも、あたしはよく知りません。まあ、これだけたくさんの本が日々出版されているわけですから、ネット書店の担当者も一々チェックなどしていられませんよね。やはりロボットによる自動登録なのだと思いますが……

というわけで、こういう点を見ると、アマゾンがこのジャンルの雄であることが理解できます。しかし、この五つのサイトを見比べて、アマゾンについて気になることが一つあります。それは最初にも書きましたが、本書は上下本で、《エクス・リブリス》というシリーズの一冊(二冊?)だというのに、アマゾンだけは《エクス・リブリス》という表記が下巻にしか表示されていないことです。

他の四つのサイトでは、カバー画像こそ表示されていませんが、上下どちらにも《エクス・リブリス》という表記があります。上にも書いたように、こういうデータというか情報は機械的に一括登録されているはずなので、出版社が提供する元データで片方だけ抜けているということはありえないと思います。その証拠に他の4サイトではちゃんと表記されているわけですから。なので、どうしてアマゾンでは片方だけ抜けてしまっているのか? これは謎です。

アマゾンはこのようにヘンなところが時々見られます。もう少しなんとかならないものか、と思うのですが、やはり繰り返しになりますが、これだけ出版点数が多いと一つ一つのデータの精度をチェックしている暇はないのでしょうね。

「別に上下本の片一方にシリーズ名が抜けていてもいいじゃない」というのが多くの方の感想だと思います。そして「そんなことより画像が載っている方が重要」というのも多数意見なのでしょう。あまり目くじらを立てることでもないのですかね。

ちなみに、これが『鬼殺し(上)』『鬼殺し(下)』のカバー画像です。

チェルノブイリの祈りをわかっていただけますかねえ?

朝日新聞にインタビュー記事が載っていたのですが、スベトラーナ・アレクシエービッチさんが来日していたのですね。

アレクシエービッチと言えば『チェルノブイリの祈り』なのでしょうが、あたしはまだ未読です。もちろんタイトルどおり、チェルノブイリ原発事故を扱った作品だということは知っています。ただマスコミなどで現地の甚大な被害が報じられていても、あるいは放射能が大気中を流れて日本に押し寄せてくると言われても、どこか遠い国の出来事という感じでピンと来なかったのも事実です。

しかし日本も東日本大震災とそれに伴う福島の原発事故があって、当時はまるっきり他人事と思っていたチェルノブイリがものすごく身近に感じられるようになりました。で、最近、そんなチェルノブイリを扱った作品を読んだのです。それがこちら。

ジム・シェパードの『わかっていただけますかねえ』です。アメリカの作家の短篇集ですので、全編がチェルノブイリの話ではありません。この中の巻頭作品「ゼロメートル・ダイビングチーム」がチェルノブイリの事故を扱った作品になっています。

なんなんでしょう。淡々としていて、悲劇とか苦悩とか、そういったものは直接的には描かれていないような作品です。重大な事故を扱った作品なのに非常に静かな、不思議な味わいでした。どうぞ、一緒に並べてみてください!

ちなみに、この短篇集の中では、「エロス7」がやはりロシア(ソ連?)を舞台にした作品です。

 

ところで、岩波書店とコラボするなら『期待はずれのドラフト1位』と『もうひとつのプロ野球』なんてのも如何でしょうか?