法なのか哲学なのか?

朝日新聞の記事が続いて申し訳ありません。こんどは文化欄です。

「常識ゆさぶる法哲学」というタイトルの記事が載っていました。法哲学って何でしょう? もちろん目にしたことはありますし、まずは『法哲学講義』『ユダヤ人問題によせて/ヘーゲル法哲学批判序説』といった書名が思い浮かびます。でも、そういう書名を知っているだけで実際に読んだことはありませんし、なので法哲学が何なのかも知らないままです。

 

記事では最初に「根本から法を問う法哲学」とあります。さらには「法哲学は、いまの制度や法が正しいのか根本から考え」るとあります。わかったような、わからないような……

ただ、最近はリベラリズムだとか憲法改正だとか、民主主義自体を問い直すような論調も目にしますので、そういう流れの中で法哲学が脚光を浴びているのかもしれませんね。

と、そういえば、あたしの勤務先でも『ショッピングモールの法哲学』なんて書籍が刊行されていましたね。同じ朝日新聞で紹介されたこともあります。

広告と書評と

朝日新聞に『第三帝国』の書評が掲載されました。水曜日の予告どおりです。

「第三帝国」なんて書名ですが、戦争小説ではありません。この「第三帝国」はゲームの名前です。刊行から少し時間がたっていますが、お陰様でよく売れています。そろそろ売れ行きも落ち着いてくるころでしたから、今回の紹介でもう一度息を吹き返してくれるのではないでしょうか? と期待しています。

で、そんな朝日新聞の読書欄のページですが、下欄にこんなものが!

あたしの勤務先の広告です。一面下の、通称サンヤツに載せることが多いのですが、本日は何と半分を占める大きな広告。ちょっと力が入っていますね。

もう少し実態が知りたい

昨日の朝日新聞夕刊の一面に載っていた記事です。

夕刊ですし、それほど大きな扱いでもないので、内容はあまり詳しいことが書いてあるわけではありませんが、個人的には非常に興味深い記事です。

小中学校の司書、実態はどんなものなのでしょう? 職業柄、こういう話題について話を聞くことがありますが、国語の先生が司書の資格も持っていて、授業の片手間に担当しているという話もよく聞きます。そうであるなら、司書としての仕事はどの程度できているのでしょう? それでも、こういった統計上は、「わが校は資格を持った図書館司書を配置している」ということになるのですかね?

それに小中学校の蔵書の問題もあると思います。内容的な「質」の問題については、児童書に詳しくないので偉そうなことは言えません。が、外見の「質」であれば、あたしにもわかります。

これまでいくつか中学や高校などの図書室を見学させてもらいましたが、蔵書量もピンキリ、それにかなり傷んだ書籍が大半という学校も数多く見られました。新刊を購入する予算も足りないのに、既に所蔵している書籍がボロボロになったので買い直す、そんな予算はほとんど捻出できていないようです。

そもそも小中高で図書館を持っているところって、どのくらいあるのでしょう? ほとんど、ほぼすべての学校が図書館ではなく図書室ですよね? 一般の教室よりちょっと広い程度の面積でしょうか? 読むための机なども置いてありますから、書架自体は数えるほどしかないところも多いです。かつて見学した図書室なんて、冊数だけで言えば、あたしの自宅よりも少ないものでした。これで児童、生徒たちのフォロー、支援が可能なのだろうかと思いました。

記事にもあるように、アクティブラーニングでこれからは図書室、図書館の役割が増すと思いますので、学校もそうですが行政も真剣に向き合わないとならない問題ではないでしょうか? それが大人になったときの本との接し方にも関係してくると思うので。

ちなみに、非常に充実している図書室も数多く視ました。生徒が引っ切りなしに来室するし、明るくて開放感のある部屋。確か、畳かカーペットが敷いてあって、椅子ではなく床に座って本を読んでいる子もいる、そんな図書室もありました。そういうところは、やはり図書室や読書というものに対する理解が進んでいる学校ですね。もっと増えてほしいものです。

ガイブン、11月は閻連科月間?

下の図は紀伊國屋書店のウェブサイトです。「閻連科」をキーワードに和書を検索した結果です。

特に並べ替えはしていませんが、刊行が新しい順にソートされているようです。最初の二つ、書影がまだ入っていません。それもそのはず、未刊のものだからです。そこの部分を拡大すると下の図です。

なんと11月に二冊も新刊翻訳が刊行されるのです。


エッセイ『父を想う』がつい先日刊行されたばかりという印象があるので、ここへ来ての二作続けての刊行は『愉楽』で閻連科にハマった人には嬉しいお知らせではないでしょうか?

確かにカワイイ、超絶カワイイ

秋の新ドラマが続々と始まっています。この数年、あたしが好んでみるドラマは視聴率的には振るわないものがほとんどで、あるクールなどは毎回録画して見ていた番組三つが、そのクールの視聴率ワースト3に並ぶという珍事まで起こりました。

まあ、ネットではどんなドラマも好評、酷評が入り乱れていますので、所詮は自分が視て楽しめればよいのであって、視聴率だとか世間の評判を気にする必要はありませんよね。特に学生時代と違って、視ているテレビ番組で翌日盛り上がるなんてことは皆無ですから……

そんな中、一回目から視聴率も好調で、「カワイイ、カワイイ」と評判のTBS系「逃げるは恥だが役に立つ」、あたしも視聴しました。

いや、確かにガッキー、カワイイです。

あたし、もともとガッキーは好きなので、だからドラマの評判には関係なく、このドラマは視るつもりでしたが、案の定、面白いし、カワイイです。

特に評判なのがエンディングのダンス。ガッキーの往年のヒット作、ポッキーダンスを彷彿とさせるとも聞きますが、現在は現在で十分カワイイです。「カワイイは正義」とはよく言ったものです。

ちなみに、ネットでは一緒に踊っている石田ゆり子もまたカワイイと話題になっているようです。ドラマではガッキーの伯母さん役、なんとアラフィフで独身の処女という設定。違和感を感じないところがまたスゴイ!

で、このドラマは脇役の方々もよい味を出しているのですが、ガッキーの両親である「とみやす」富田靖子、元暴走族の総長、宇梶剛士夫婦のやりとりもとても愉しいです。第一話で房総に引っ越してしまいましたので、今後は登場シーンが減るのでしょうか? そうだとすれば、ちょっと残念ですね。

 

ところで番組のサイトなどにあるガッキーの相手役、ハイネックのセーター姿の星野源の写真、あれってどう見ても、よく雑誌などに載っている包茎手術の広告のパクリですよね? プロの独身役ということで、女性経験ゼロを表現したいのかもしれませんが、どうなのでしょう?

早起きで三文の得はしたのか?

朝の6時半を回ったところです。今し方、帰宅しました。

別に、いわゆる午前様ではありません。

朝、3時に起き、3時半に自宅出発。4時半に勤務先着、一時間ほど仕事をし、5時半すぎに勤務先を出て、さきほど帰宅したというわけです。

朝も早くから何をしに会社へ行ったの、と聞かれると、月曜日の見本出しの準備、と答えるしかありません。昨日の金曜日に休暇を取ったので、月曜朝一番の見本出しの準備を、この週末にやっておかなければならなかったからです。

だったら、別にそんな早くに行かなくてもいいんじゃないの、という疑問ももっともです。

確かにそうです。ただ、あたしが早起きが得意、朝早い方が気分的にもよい、という理由が大きいです。

でも、本日の場合、別な理由もあります。これがなければ昼間でもよかったのを、あえて早朝に出向いたわけです。

その理由とは、本日、あたしの勤務先、電話線の工事があって、昼間は業者の人が来ます。それだけなら見本出しの準備に支障はありませんが、あらかじめ総務部から今日は工事のためにインターネットが使えなくなると連絡がありました。

となると、ちょっと困ります。そこで、工事の人が来るのはどうせ朝の9時すぎだろうから、早朝ならまだネットは使えるだろうと予想して、こんな時間の出勤、退勤となったわけです。

さて、もう一眠りしますかね?

いや、まずは朝食だ!

映画原作ではありませんが

年明けに「エゴン・シーレ 死と乙女」という映画が公開になるそうです。

エーゴン・シーレ、日本ではどれくらい有名なのでしょうか? 関連書籍や画集は出版されているようですが、ピカソやゴッホといった画家と比べると知名度はぐっと落ちるかもしれません。いや、町でインタビューをしたら知らないと答える人の方が圧倒的ではないでしょうかね? そもそも画家だとわからない、「エーゴン・シーレ」が人の名前だとわからない人がほとんどかもしれません。


でも、この映画はかなり面白そうですね。玄人受けしそうです。

あたしの勤務先では『エーゴン・シーレ 日記と手紙』という本を出しています。この映画には特に原作本というのはなさそうですので、本書などが映画を見て興味を持たれた方に少しでも知っていただければと思います。

なお日本では、書籍のタイトルなどで「エーゴン」ではなく、「エゴン」と表記しているものも散見されます。

今日の配本(16/10/14)

このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

本は友だち?

昨夜から、今年のノーベル文学賞がボブ・ディランに決まったという話題で持ちきり……というほどでもないか。

しかし、今朝の朝日新聞の一面が上の画像ですが、タイ国王の逝去とボブ・ディランのノーベル賞受賞って、扱いが逆ではないかと思うのはあたしだけでしょうか? 別にタイ国王のニュースが圧倒的に大きいはずだ、とまでは言いません。それでも、この大きさの比率はちょっとおかしいのではないか、と思います。

それはそうと、ボブ・ディランの受賞でちょっと沸いているのが欅坂46のヲタたち。彼女たちのセカンド・シングル「世界には愛しかない」の通常盤に「ボブディランは返さない」という曲が収録されているのです。これでちょっとヲタたちが「おおーっ」って騒いでいるわけです。

しかし、「ボブディラン」って何? 「ボブ・ディラン」ですよね? 秋元康、わざとなのでしょうか?

閑話休題、ノーベル文学賞。

毎年ノーベル文学賞の時季になると書店店頭では関連書籍のコーナーを作って、特に村上春樹コーナーを大々的に作って拡販に努めるのが恒例、ほとんど年中行事のようになっています。ハルキが受賞しなくても、たいていは邦訳のある作品が受賞するので、発表と共に自店には在庫があるか、何か邦訳はでているのか、どこの出版社から出ているのか、既に品切れや絶版になっていないか、などなど毎年書店員の方は忙しいと思います。

もちろん出版社も自社の本が関連するか否か、それによって売り上げが変わるので固唾を呑んで見守っていたりします。

が、毎年発表が夜の7時や8時ころになるので、出版社は業務終了、書店員だって帰宅している方も多いはず。発注したりといった作業は翌朝以降になるのが常です。もちろん親しい出版社営業マンを知っていれば、その人のケータイに電話をして、在庫確認やら在庫確保やら、いろいろお願いしたりすることも、やはり風物詩です。

しかし、ノーベル賞を取ったからといって本が売れるのか、と問われると、実はかなり慎重に見極めないとならないだろう、というのが出版社の人間としての意見です。恐らく今日は朝から、ディラン関連書籍を出している出版社にはたくさんの電話やファクスが来ると思います。それを全部受けていたら、確かにかなりの部数になります。売り上げ金額だってそれなりに計上できるでしょう。でも、実際に売れるのかというと、これがまったくわかりません。

邦訳が単行本しか出ていないような作家ですと、代表作はそこそこ売れます。特に新聞に受賞作家のプロフィールが載りますが、そこに取り上げられた作品は比較的よく売れます。しかし、単行本だけでなく文庫も出ていたりすると文庫ばかりが売れ、単行本はほとんど売れない可能性が高いです。やはり、「ノーベル書を取ったようだから一冊くらい読んでみるか」という読者にとって価格というのはかなり大きな判断材料になるようです。

で、今回のボブ・ディランです。本はそこそこ出ていると思います。音楽系の雑誌の別冊や増刊でディランを特集したものもあるでしょう。値段がそれほど高くなければ売れると思いますが、少し根の張る評伝的なものは苦戦すると思います。それでも出版社には書店から注文が殺到しているでしょうから、それに踊って増刷したりすると3か月語に返品の山になる可能性が非常に高いので気をつけなければなりません。

特に今回のように受賞者が歌手ですから、これは初めてのことで、本がどれくらい売れるのかまったく予想がつきません。あたしは、本ではなくCDが売れるのではないか、と予想しています。なので、今回は書店ではなく、CDショップが活気づくのではないでしょうか? TUTAYAとかHMVのように半分書店もやっているようなところならよいでしょうが、一般の書店がディランの書籍を集めてコーナーを作っても厳しいのではないか、というのがあたしの遠慮ない予想です。

もちろん、それでもディランの関連書籍がまるっきり売れないということはないはず。やはりこの機会に、ディランの音楽は散々聴きまくってきたから、今度は評伝や評論でも読んでみるか、と考える人は多いはずです。出版業界の一員としては、CDに比べたら売り上げは何十分の一、何百分の一かもしれませんが、そういう人の需要に期待したいところです。

で、最初に取り上げた朝日新聞の「声」欄にこんな投稿が載っていました。10代の子の本に対する提言です。なかなか面白いですね。あたしが興味を持ったのは山形の方の投稿の方です。

友だちが作れなくて本ばかり読んでいた、というのはよくある話です。だから、「本ばかり読んでいて暗い」などとレッテルを貼られ、ますます本の世界にのめり込んでしまう、というのもしばしば聞かされるストーリーです。でもこの投稿者の場合、本好きから同好の士に巡り会え、友だちを作ることに成功したようです。

こういう嬉しい出来事、読んでいるとほっこりしますね。